2021年10月20日から、マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになります。

実は以前からプレ運用という形でマイナンバーカードの健康保険証利用は一部で開始していたのですが、10月20日から本格運用となりました。

マイナンバーカードを健康保険証として使えることで、持ち歩くカードが1枚減るというのは実際うれしいものですよね。

今回は、マイナンバーカードを健康保険証として利用するにはどういう手続が必要なのか、実際にどういった形で利用するのか、メリット、注意点などをわかりやすく解説していきます。

■マイナンバーカードを健康保険証として利用するには?

マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、必ず事前の申し込みが必要です。

〇必要なもの

  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカード発行時に設定した数字4桁の暗唱番号
  • マイナンバーカードが読み取れるスマートフォン/パソコン+ICカードリーダー
  • マイナポータルのアプリのインストール

〇事前申し込みの流れ

パソコン/スマートフォンでマイナポータルを開き、指示に沿って申し込みをしていきます。

基本的には指示通りに簡単に登録ができますが、申し込み完了後、きちんとマイナンバーカードが健康保険証として登録されているかの確認は念のためしておきましょう。

また、対応機種などの都合でパソコンやスマートフォンでの申し込みができない場合は、マイナンバーカードの健康保険証利用が可能な医療機関に設置されている自動受付機や、セブン銀行ATMからの申込みも可能です。

厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」
厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」

■実際にマイナンバーカードを健康保険証として利用するには?

マイナンバーカードの健康保険証利用が可能な医療機関では、健康保険証を従来通りの対人受付で確認する形ではなく、顔認証付きカードリーダーを利用した自動受付となります。

顔認証付きカードリーダーは、マイナンバーカードの顔写真データを IC チップから読み取り、その「顔写真データ」と窓口で撮影した「本人の顔写真」と照合して、本人確認を行うことができるカードリーダーです。

機器には顔写真は保存されず、また、本人確認は顔認証ではなく、数字4桁の暗証番号の入力でも可能となっています。

マイナンバーカードを健康保険証として利用する場合は、基本的にはこの顔認証付きカードリーダーを利用して健康保険証の提示をすることとなります。

厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」
厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」

■マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットは?

〇過去に処方された薬や特定健診等の情報が的確に伝わる

顔認証付きカードリーダーでの同意をすると、マイナポータルに過去に処方された薬や特定健診等の情報が蓄積されるため、口頭で説明する必要がほぼなくなります。

マイナポータルにアクセスすることで、メタボ検診に関する情報のほか、自分で過去に処方された薬の情報をいつでも確認することも可能です。

また、旅行先や災害時でも、おくすり手帳がなくとも薬の情報の連携が可能になり、病気やけがでうまく話すことができないときなども、過去のデータがきちんと伝わるというのはありがたいですよね。

〇高額療養費制度が窓口で適用。事前申請なしで限度額までの負担に

所得に応じて決まった限度額以上の医療費の負担を減らすことができる高額療養費制度

100万円の医療費がかかったとしても、所得によって実質負担は10万円程度で済むこともある制度ですが、限度額以上の差額が振り込まれるまでは約3カ月かかるとされており、あとから返ってくるとは言え一時的に大きな負担があるのは間違いありません。

従来では事前に限度額適用認定証の申請をして手元に認定証があれば、認定証を提示することで一時的に支払をせずとも窓口で限度額のみの支払で済むという形となっていましたが、医療費が高額になることが事前にわかればいいものの、突然の入院などの場合は一度自己負担をするしかありませんでした。

しかし、マイナンバーカードが健康保険証利用できるようになることで、「限度額適用認定証」がなくても、限度額を超える支払がその場で免除となります。

家計負担の面でもメリットがありますね。

厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」
厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」

〇医療費の領収書を管理が不要に。医療費控除の確定申告が簡単にできるようになる

マイナンバーカードを健康保険証利用することで、マイナポータル上で健康保険適用分の医療費の情報を管理できるようになります。

今までであれば確定申告の際には、医療費の領収書を集めて、明細書に記入し、計算をして医療費控除の申請をする必要がありました。

しかし、マイナンバーカードを健康保険証として利用すれば、マイナポータルからインターネット上で確定申告をすることができるe-taxのシステムへ医療費の情報を連携することができます。

医療費の領収書をいちいち集めて、計算してという作業がない分、ラクに医療費控除の確定申告ができるようになるはず。

〇転職・退職・引っ越しなど、ライフイベント後も切替が不要

転職をした場合や引っ越しをした場合、健康保険証であればそのたびに新しい健康保険証への切り替えが必要となりますが、マイナンバーカードの健康保険証利用は一度登録をすれば転職や退職、引っ越しをした場合も再度登録の必要はなく、ずっと健康保険証として利用することができます。

また、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していると定期的に保険証の更新が必要な場合もありますが、更新が不要になります。

社会保険の手続きは必要があるものの、マイナンバーカードを健康保険証として利用するための手続は生涯一度だけというのは、楽ですよね。

■注意しなければならないことは?

このように色々な面でメリットがあるマイナンバーカードの健康保険証利用ですが、まだまだ始まったばかりの制度ということで、注意しておきたいこともあります。

〇医療情報の登録/利用時期にばらつきがある

マイナンバーカードを健康保険証利用することで、いくつかの医療情報がマイナポータル上に登録されることとなりますが、各情報の登録時期や参照できる期間などにばらつきがあります。

・特定健診情報(メタボ健診)

 令和2年度以降に実施したものから過去5年分の情報が参照可能。

・薬剤情報

 令和3年9月以降に診療したものから閲覧が可能となり、

 過去3年分の情報が参照可能。

・医療費通知情報

 マイナポータルに令和3年10月以降の情報が登録され、

 閲覧自体は令和3年11月から開始。3年間分の情報を保存。

 令和3年分所得税の確定申告から、情報が利用可能。

〇まだまだ対応じゃない医療機関も多い

マイナンバーカードの健康保険証利用が開始したとはいえ、まだすべての病院や薬局で対応があるわけではありません。

厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」

対象の医療機関・薬局にはマイナ受付のステッカーやポスターが貼られており、厚生労働省ホームページのこちらでも確認ができます。

リストが少し見づらくなっているので、今後の整備に期待です。

健康保険証を持たずにマイナンバーカードは持ってきたけど、そこは対象の病院じゃなかった…なんてことがないように、事前に必ず確認しましょう。

厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」
厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」

薬の情報などが自分で伝えずとも医療機関に把握してもらえて、確定申告の際に医療費の領収書をいちいち計算する手間が省けたり、窓口での医療費の支払が高額にならずに済み、お財布にいれて持ち歩くカードが1枚減るなど、便利な部分も多いマイナンバーカードの保険証利用。

マイナンバーカードをお持ちの方はぜひまずは事前申し込みをして、お近くの医療機関が対応可能かどうか確認してみてくださいね。