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米国株への投資 初心者が気をつけるべき3つのポイント ETFを効果的に活用させる

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)
(写真:アフロ)

世界経済にダイレクトに投資をできる外国投信。その中でも日本の証券会社から簡単に投資ができるETF(上場投資信託)や投資信託(ファンズオブファンズ 投資信託のうち、運用会社が別の投資信託に投資するもの)についてお伝えします。

世界中の投資家の多くが米国市場に投資をしており、米国市場にはお金が集まりやすいという状況です。通貨も世界一の流通量で安定している米ドルで投資が可能です。ただし、その分ボラティリティ(変動率)も高くなります。投資の初心者はどのようにして米国市場に投資をすればよいのでしょうか。

1.ETF(上場投資信託)やインデックスファンドを活用

私も米国市場で取引をしており、米国株の個別株やETFを活用しています。個別株としてはビックテックとも言われているGAFAMは比較的安定して成長を続けてきていると言えます。また、SaaS(Software as a Service)企業などもテック系で成長性が高い分野です。

個別株はちょっと難しいという人におすすめなのが、ETFやインデックスファンドを経由して世界経済に投資をする方法です。米国市場では米国市場以外にも様々な市場の株価指数に連動したETFを取引することが可能です。

ETFの選び方が分からないという人はまずは運用会社で選べばよいでしょう。例えば、VanguardやBlackRockのETF(上場投資信託)は非常に有名で日本でも多くの方が資産運用に取り入れています。日本のネット証券を経由させて、ETF(上場投資信託)を購入することができます。また、公募投資信託の中で主要な株価指数インデックスをベンチマークにしている投資信託を選ぶ方法もあります。

次にどの投資対象を選ぶかです。まずは主要なインデックスから選べばよいでしょう。

株価指数インデックスの具体例

TOPIX(東証株価指数)

TOPIXに採用されている(あるいは採用が決定された)銘柄の株式のみに投資している。TOPIXに連動する投資成果をめざす。

S&P 500

アメリカに上場されている企業トップ500社の株価で構成される株式市場インデックス

MSCI ACWI

23の先進国および新興国の大型および中型株式を網羅するインデックス

MSCI EMERGING MARKETS IMI

26の新興市場国にわたる大中小型株の代表株によって構成される

MSCI WORLD

日本を含む世界の主要国(先進国)の株式を対象とした株価指数

S&P Asia500

香港、韓国、シンガポール、台湾の4つの主要なアジアの市場から構成される株式インデックス

EURO STOXX 50

12の欧州諸国からの50銘柄で構成

FTSE100

ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄で構成される

MSCI EAFE

先進国24カ国、新興国21カ国、フロンティア国25カ国の約70カ国、各国市場の時価総額上位約85%をカバーするインデックス

また、最近ではゴールドやシルバーなど貴金属、エネルギー、農業など商品市場に連動したETFの取引もできます。例えば、iシェアーズSliverTrsutやGoldTrustなどETFを活用させれば現物を保有しなくても貴金属取引でキャピタルゲインを追求することは可能です。

金の現物取引やビットコインなどは総合課税ですが、株式を通じて取引をすれば税率が低くなる可能性もあります。

ETFは取引方法や税金など基本は株式と同じと考えるとよいでしょう。投資信託と同じ要素もあるために保有中の少額の信託報酬はかかります。

2.長期投資を心がけ、短期の価格変動は気にしない

米国市場で取引をするには、市場開いている時間に取引をする必要があります。サマータイムなどでは開始時間が変わります。また、為替の取引をし、USDに変えてから発注をすることになります。日本からだと、夜の時間に取引をすることになるので少々大変ですが、長期保有する形であれば寄付(当日最初の売買)で取引をしても問題ないでしょう。

為替レートや日々の損益などはアプリや証券会社のサイトを見ると見えてしまい気になってしまいます。ですが、短期の価格変動は気にしないようにし、長期で考えるようにしましょう。

3.リバランス等のメンテナンスは年に一度

自分が保有しているポートフォリオのメンテナンスは1年に一度程度考えましょう。高くなり過ぎている投資対象を一部売却し、反対に割安な投資対象を買い増すなどの作業を行います。

初心者の陥りがちな罠として、逆をしてしまうことが多くあります。損をしている投資対象を売って、高くなっている投資対象を買い増しがちなのです。

しかし、バブルが発生して異常に高くなっている銘柄はその反動でまだ上昇していない銘柄よりも急落率が高い場合が多いのです。反対にまだ上がり切れていない銘柄は下落の幅も小さいなどはよくあります。

教科書通り機械的に行い、できるだけ感情を入れないように心がけましょう。資産運用で最も重要なことは資産配分(アセットアロケーション)と規律(ディリプリン)だとも言われています。

海外投資というと敷居が高いですが、海外ETFや投資信託を活用すれば日本でも気軽に始められます。また、税制で有利なNISAやイデコも是非活用させたいですね。

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シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経てファイナンシャル・プランナーとして独立。2015年よりシンガポール在住。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著作多数。日本テレビ「有吉ゼミ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトを運営 https://100mylifeplan.com/

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