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停電・断水時に注意 やってはいけないこと・やるべきこと

矢野きくの家事アドバイザー/節約アドバイザー/防災士/食育指導士
停電時にはろうそくを避けて懐中電灯等を使う(筆者撮影)

令和6年能登半島地震におきまして被害にあわれている地域の方々に心よりお見舞い申し上げます。本日(2024/01/02)10時時点で津波注意報は解除されましたが、今後も1週間程度は最大震度7程度の大きな揺れの可能性もあると気象庁が注意喚起しています。

今回は災害時の停電や断水の中で注意していただきたいことをいくつかご紹介します。

停電時の注意

ろうそくの使用は避ける

昔から停電というとろうそくを使うイメージがある方も多いかと思いますが、地震による停電のときはとくに、ろうそくを使うのは避けましょう。昨年、これは台風が原因でしたが沖縄の停電した地域でろうそくを使用していた方が、ろうそくが倒れ火事になり命を落とすという痛ましい事故がありました。

地震による停電の場合はとくに、今後も揺れる可能性が高いのでろうそくは二次災害を起こす可能性があります。

ブレーカーを切る・コンセントを抜く

停電は電柱が転倒したり電線が切れたりするなどで物理的に通電できなくなって停電している場合と、保護システムや監視システムが異常を検知し、該当の電力設備を電力系統から自動で切り離し制御している場合もあります。通電が再開されたとき、停電発生前に使用していた電化製品に通電しそれが火災の原因になる「通電火災」を避けるためにも、家を出て避難する場合はブレーカーを切るようにしましょう。

また在宅している場合でも、思いもよらないところで通電がはじまる可能性があるので、極力コンセントを抜いた状態にしておくほうが安全です。

SNSで話題のスマホランタンはよく考えてから

停電時の照明として一時期SNSで話題となり、テレビなどのメディアでも取り上げられた方法で、スマートフォンのライトをつけて上を向けその上に水が入ったペットボトルを置くとランタンのように照明として使うという方法があります。

確かに明かりは届きますが、現代の生活の中でスマートフォンは大切な情報源です。照明でスマートフォンの電池を使いきってしまい、その後スマートフォンを使えなくなるのは不安ではないでしょうか。照明と情報源、自分にとっての必要度を検討してから行動に移しましょう。

家の中の乾電池を集めておく

乾電池で動く懐中電灯やランタンを使用している場合、停電が長引き使用時間が長くなると電池切れということも出てきてしまいます。明るいうちにリモコンや時計など家の中で使用している乾電池で今は使えなくても支障なさそうなものの乾電池を集めておきましょう。

電気が通っているうちにバッテリーなどを充電しておく

今は停電していなくても今後停電の可能性もあるので、モバイルバッテリーなどは通電しているうちに充電しておく(筆者撮影)
今は停電していなくても今後停電の可能性もあるので、モバイルバッテリーなどは通電しているうちに充電しておく(筆者撮影)

現在、停電ではないエリアでも今後停電になるという可能性もあります。充電して使用できるポータブル電源やモバイルバッテリーなどは、早めに充電しておくようにしましょう。

災害時のガスの注意

都市ガスもLPガスもマイコンメーターで遮断されている場合も

大きな地震があったあとにガスを使おうとしたらガスが止まっていることがあります。これは各家庭のマイコンメーターが震度5程度の揺れを感知したときにセンサーが働き自動でガスの供給を止めていることが原因であることもあります。マイコンメーターがガス供給を遮断させたのか、それより先で止まっているのかは、ランプで分かるようになっていますので、ガスメーターに貼られている説明書きをよく確認して、マイコンメーターで遮断しているのであれば再開させることができます。

ガス臭い場合、換気扇はNG

ガス臭い場合、換気扇をつけたり、照明を付けたり、その他の電化製品のスイッチをつけるのは危険です。スイッチを入れたときの火花がガスに引火して火災の原因となることがあります。

ガス臭さを感じたら窓を開けて、ガス会社に連絡をし、安全な場所に避難するようにしましょう。

断水時の注意

給水所に行く場合は口の大きなものを

断水で給水所に行く場合、給水車はホースが太いものが多くなっており、ペットボトルなどの細い口のものだと水がなかなか入らないケースもあります。細いホースで給水してくれたり、じょうごを用意してくれていることもありますが、近くの給水所の様子が分からない場合は、できる限り口が広いもので給水所に行くほうが良いでしょう。

ポリタンクなどがあればベストですが、無い場合でもゴミ箱や買い物カゴに綺麗なポリ袋を二重にして被せて使うことも可能です。

また水はひじょうに重たいものなので、可能であれば台車や自転車などで近くまで行きそれらで運んだり、手で持つよりもリュックで背負うなどする手段を検討したほうが安心できます。

断水時のトイレはポリ袋とペット用トイレシーツや不要な布で

断水でトイレを使えない場合、ペット用トイレシーツが役立ちます。ペットがいるご家庭であれば、ポリ袋にペット用トイレシーツを敷きそこに用をたしポリ袋を縛って外などどこかに置いておくことが可能です。

ポリ袋にペット用トイレシーツを入れて断水時のトイレとして使える(筆者撮影)
ポリ袋にペット用トイレシーツを入れて断水時のトイレとして使える(筆者撮影)

ペット用トイレシーツはコンビニエンスストアやドラッグストアなど身近な店で買うことができるので、断水しているエリアで近くのお店がやっている場合は対策の一つとして検討してください。

また不要な布や新聞紙などがある場合も同様にして断水時のトイレとして使うことが可能です。

水が出ているうちに溜めておく

今は断水になっていなくても、地震発生後からしばらく経ってから断水になったという例もあります。水が出ているうちに、浴槽や鍋、水筒などあらゆるものに水を溜めておくようにしましょう。

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家事アドバイザー/節約アドバイザー/防災士/食育指導士

家事の効率化、家庭でできるSDGsを中心に、テレビ、講演、コラム連載などで活動。働く人向けの時短家事術、シニア層への家事改革などをアドバイス。「防災士」の資格を持ち家庭での備え、「食育指導士」の資格も持ち、食品ロス削減をテーマにした講演も定評がある。100円ショップや業務用スーパーでのお得な買い物術の紹介や、便利グッズの開発にも携わる。【テレビ出演】NHKごごナマ(準レギュラー)・日本テレビミヤネ屋・TBSテレビはなまるマーケット・フジテレビ笑っていいとも他。【連載実績】HONDA・東芝・イオン等企業のオウンドメディアや、日経新聞・時事通信 他。【著書】シンプルライフの節約リスト(講談社)他。

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