【体操】ドイツのリオ五輪金メダリストが内村航平にエール「航平は東京五輪で偉大な仕事をする」

13年世界体操選手権男子個人総合。金の内村、銀の加藤、銅のハンビュッヘン(写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ)

 16年リオデジャネイロ五輪・体操種目別鉄棒の金メダリストで、内村航平(リンガーハット)と親交が深い元ドイツ代表のファビアン・ハンビュッヘン氏が、両肩などのケガで世界選手権の代表入りを逃した内村の東京五輪出場に大きな期待を寄せた。

 4日からドイツ・シュツットガルトで開催されている世界体操選手権でアンバサダーを務めるハンビュッヘン氏は、日本メディアの取材に応じて熱く語った。

「航平はリアルに強い人間です。体操選手としてだけではなく、心も強い。そして、僕の良き友人です。僕らは何年もの間、ともに競い合ってきました。航平の方が良いときもあり、僕の方が良いときもありました。いつも良いファイトをしていましたよ。とても楽しかったです」

世界体操選手権2019のアンバサダーとして活動するハンビュッヘン(撮影:矢内由美子)
世界体操選手権2019のアンバサダーとして活動するハンビュッヘン(撮影:矢内由美子)

 長年の友人を誇るようにそう語ったハンビュッヘン氏は、「彼がここ(世界選手権)にいないのはとても寂しい」と、このときばかりは表情を曇らせたが、すぐに力強く言葉を継いだ。

「でも、実際のところ今回の休養は彼の体のためにも、東京五輪に集中するためにも良いことだと思います。もちろん、彼は世界選手権に出たかっただろうけど、健康を取り戻せばすぐに東京五輪に向けて準備をしていくはず。東京五輪では偉大な仕事をするでしょう」

 ハンビュッヘン氏は1987年生まれ。体操選手だった父・ヴォルフガングさんが1976年から1年半、日体大に留学した縁もあり、後に誕生したハンビュッヘン氏も親日家になっていったようだ。14歳のときに横浜で行なわれた国際ジュニア選手権出場のために来日すると、以後、毎年一度は来日し、その回数は約15回。内村も在籍していた日体大やコナミスポーツクラブで合同練習をして実力を磨いてきた。

 五輪出場は内村より早く、17歳だった04年アテネ五輪が最初。以後、北京、ロンドン、リオと4大会連続で出場し、リオ五輪では種目別鉄棒で悲願の金メダルを獲得している。

今年の世界選手権は07年にハンビュッヘンが鉄棒で金、個人総合で銀メダルを獲得したときと同じドイツ・シュツットガルトで開催(撮影:矢内由美子)
今年の世界選手権は07年にハンビュッヘンが鉄棒で金、個人総合で銀メダルを獲得したときと同じドイツ・シュツットガルトで開催(撮影:矢内由美子)

 16年リオ五輪の後に引退した。来年はテレビの解説の仕事で東京五輪に来ることが決まっているそうで、今年8月には視察のために来日し、同じく友人である山室光史と食事に出かけたそうだ。内村にも声を掛けたがあいにく都合がつかなかったとのことで、「次回に会いたい」と、早くも来夏の再会を心待ちにしている。

「航平はとても美しい体操をします。(演技の出来映えを示す)Eスコアでこれほどの高得点を出すのは彼だけ。そしてとても難しい演技をします。彼は(演技の難度を示す)Dスコアも、Eスコアも高いんです」

 称賛しながら内村にエールを送ったハンビュッヘン氏。盟友の復活と東京五輪での活躍に寄せる期待はこのうえなく大きい。

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※国際体操連盟(FIG)による2013年世界体操選手権(ベルギー・アントワープ)のハイライト動画。最後に内村とハンビュッヘンが抱擁するシーンがある。内村、加藤凌平、ハンビュッヘンのすばらしい演技を見られる

内村

気さくな人柄は引退してからも変わらない(撮影:矢内由美子)
気さくな人柄は引退してからも変わらない(撮影:矢内由美子)