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京都 洛北の新緑めぐり

山村純也京都の魅力を発信する「らくたび」代表
高雄を流れる清滝川 (以下の写真も全て著者撮影)

洛北の新緑めぐり、まず最初は「床みどり」が人気の実相院へ。こちらの東側の枯山水庭園は、2014年に「こころのお庭プロジェクト」という市民参加型の庭園づくりで誕生した新しいお庭。九州から北海道まで日本列島が見事に表現されているだけではく、日本の周辺の海を示す大波が、杉の皮を利用して斬新に造られています。

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続いて大原のさらに奥に位置する古知谷阿弥陀寺(こちだにあみだじ)へ。こちらは長い参道や山の中腹に位置する寺院の境内ではなく、あえて入口の山門とその周辺を切り取りました。入口だけでもこの存在感。まさに山寺へのいざないにふさわしい風情ですね。

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紅葉の名所の高雄は当然新緑の名所にも早変わり。「三尾(さんび)」と呼ばれる3つのお寺の中で神護寺と西明寺を切り取りました。実はもうひとつの寺院である世界遺産の高山寺は、昨年の台風によって大きな損害を被り、現在はクレーン車が境内に入って復興へ向けて動いています。しかし国宝の石水院は拝観できますので、こんな時期にこそ拝観して復興のお手伝いができたらいいですね。神護寺は境内から山門の裏側を。周りの新緑も見事におさまって美しい景観を構成しています。西明寺は入口の橋とともに。階段を上がると目に飛び込んでくる山門周辺には、見事なノムラモミジが赤く色づいていました。

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最後は西賀茂の神光院へ。こちらは弘法大師が修行した場所に立ち、京都三弘法のひとつに数えられています。境内には大きな石造りの弘法大師像があったのですが、これも昨年の台風によって倒壊。しかし倒れてもなお本堂を他の倒木から守ったそうで、新調された弘法大師像の前にはその倒れた弘法大師像の足元だけがしっかりと祀られていました。弘法信仰が現在にも色濃く受け継がれていることを実感したワンシーンでした。

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京都の魅力を発信する「らくたび」代表

1973年、京都生まれ。立命館大学在学中にプロの観光ガイドとして京都・奈良を案内。卒業後は大手旅行会社に勤務。2006年4月、京都観光を総合的にプロデュースする「(株)らくたび」を創立。以後、ツアープロデューサー、ツアー講師として活躍。2007年3月に「らくたび文庫」を創刊。現在、NHK文化センター、大阪シティーアカデミー、ウェーブ産経、サンケイリビング新聞社の講師、京都商工会議所の京都検定講師も務める。著書・執筆に『幕末 龍馬の京都案内』、『京都・国宝の美』、『見る 歩く 学ぶ 京都御所』(コトコト)など。京都検定1級取得。

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