真夏の京都さんぽへ
夏の暑い時期、さらにその暑さが関西でも最も厳しいとされる京都で歩くとしたら。。。こんなコースがひとつおススメです。
まずは地下鉄の丸太町駅の改札口から地上に上がって京都御苑へ。甲子園球場が24個も入るこの国民公園は、幕末まで公家町として親しまれてきました。現在の公園の樹木やかつての様子などは、宮家であった閑院宮家跡の建物内で(冷房の効いた部屋で!)ゆっくり学ぶことができます。その後、五摂家のひとつである九条家の庭園へ。庭園内には江戸後期の茶室である拾翠亭(しゅうすいてい)が残っており、周辺は百日紅(さるすべり)の名所となっています。
同じく庭園内の厳島神社は平清盛が創建したとも伝えられ、唐破風の珍しい鳥居は京都三珍鳥居(残り2つは太秦の蚕ノ社の三柱鳥居と北野天満宮の伴氏社の連弁に柱の乗った鳥居)のひとつに数えられています。九条家の南側の樹木の下を通って、東へ歩き、堺町御門を横に見ながらさらに樹木の下を東へ。途中斜めの道をとると寺町御門に到着します。門を潜って左へ折れ、仙洞御所の塀沿いを歩いて「萩の宮」と称される梨木神社へ。もう8月だと萩の花がちらちらと咲き始めています。こちらには夏の暑さを癒してくれる京都三名水のひとつ「染の井」が現存。ぜひとも手や口を清めた後は、ぜひ名水で喉を潤してください。
梨木神社の東向かいにある廬山寺は、平安後期に紫式部の邸宅があった場所にあたり、紫式部が「源氏物語」を執筆したものこちらと推定されていることから「源氏庭」と名のついた庭園が造営され、「源氏物語」では「朝顔」と表現されている桔梗の花が美しく夏を彩っています(6月~9月が見頃)。
境内の墓地には江戸後期の光格天皇の父である慶光天皇陵や、大仏師定朝の墓、史跡・御土居跡なども見ることができ、京都の寺院の歴史の奥深さを感じることができます。
夏の花である「百日紅」と「桔梗」を結ぶ京都御苑の涼しい散歩道。ぜひこの時期に訪れてみてください。帰りは京阪電車の出町柳駅が最寄りです。