“還暦”を迎えた明石家さんまさん、その素顔は“芸能界一やさしい男”!

誕生日当日、フジテレビで特番が行われたのをはじめ、各局がレギュラー番組内で祝ったのが明石家さんまさんの“還暦”だろう。1955年(昭和30年)7月1日生まれの60歳だ。

もともと、昭和30年生まれは芸能界、スポーツ界のスターがたくさん。郷ひろみさん、渡辺えりさん、伊藤蘭さん、佐野史郎さん、内藤剛志さん、矢野顕子さん、竹内まりやさん、上沼恵美子さん、江川卓さん、具志堅用高さん……と、いまだに現役感にあふれ、若々しい人が多いことでも知られているが、その中でも、1、2を争う“若さ”と“おもろさ”があるのがさんまさんだろう。

もともとファンだった

私は10代の頃からさんまさんのファンで、『ヤングOH!OH!』(毎日放送)の公開録画が東京で行われる際には、必死になって応募ハガキを送っていたほどである。

それからずいぶん経って放送作家になった時、たまたま、さんまさんのマネジャーだった女性と仲良くなり、『さんまのまんま』(関西テレビ・フジテレビ系)の現場に行かせてもらったりもしていた。

そんな私が『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)の作家になったのは、当時は今よりもっと少なかった女性放送作家だったことと、今より若くて(苦笑)“恋からガールズ”たちに近い存在だったから。『踊る!さんま御殿!!』(同)の作家になったのもその流れである。

ジワジワくる種類の…

それから20年ほど。間近で接してきた者として、さんまさんを一言で言うなら、「やさしい人」だ。もちろん、通り一遍のやさしい言葉をかけてくれるワケはなく(笑)、あとから振り返った時、「あれは、やさしさだったのだ」とジワジワくる種類のやさしさなのである。

その一つに、さんまさんは、『…御殿!!』に初出場したタレントや若手芸人の“仕事”を知っている。それが、大阪の深夜番組だったり、TVKとかサンテレビといったローカル局だったりするので、言われたほうは「そんなものまで観てくださってるんですか!?」とおおいに驚いている。

実は私も以前、大阪の読売テレビの深夜の番宣番組に「出てたなぁ~」と言われてビックリ仰天。さらには、ローカル局ではなくキー局のTBSではあったものの、やはり深夜番組に、私以上にテレビ出演が少ない某大学教授と一緒に出ていたのを「(その教授と)張り合いやがって!あとで失敗したと思ったやろ?」と鋭い指摘をいただいた。視聴者に私物をプレゼントしなければならないクダリになった時の私の気持ちは、まさに、さんまさんの見立てどおりだった(苦笑)。

つまり、誰よりもよく、深く観ているのである。ワイドショーもよく観ているから芸能ネタにも詳しく、タレントのプライベートにまつわる“失礼”が実はないのも特徴。スキャンダルの渦中にいる人がゲストに来た際、それを素早く笑いにしてくれることもある。近年では、「AKB48」(当時)の指原莉乃ちゃんへの「どんな男が好みやったっけ?」(さんまさん)、「秘密を守ってくれる人です」(指原さん)という“パターン”だろう。

さんまさんに“笑い”にしてもらったことで、これまで、どれだけ助かった芸能人がいたことだろうか。

テレビだけでなく、ああ見えて実は読書家で、ずいぶん前になるが、動物行動学研究家でエッセイストの竹内久美子さんの本はよく読んでいた。

……あ、あんまり書くと、「個性、死んじゃう」と怒られそうなのでこのへんにしておくが、ああやって、どんなことにもツッコんで、ボケる時には身体を張ってボケて、タレントだけでなくスタッフ全員をいじり倒す、サービス精神旺盛(すぎる)さんまさんなのだ。

おもろいほうを取る!

そんなさんまさんがシアターコクーンで主演しているのは『七人ぐらいの兵士』。戦時中の若き兵士たちの悲喜こもごもを描いた、非常にメッセージ性の高い作品で、仲良しの生瀬勝久さん作、日本テレビの水田伸生監督の演出だ。

さんまさん主演の舞台「七人ぐらいの兵士」のポスター
さんまさん主演の舞台「七人ぐらいの兵士」のポスター

水田監督いわく、「師匠(さんまさん)に相談したら、新作ではなく『七人ぐらいの兵士』の再演ということで決まった」とか。それだけで、さんまさんの強い想いは伝わってきた。

さんまさんのモットーは、人生で迷うことがあったら「おもろいほうを取る(=選択する)」。さんま一門の端くれとして、この精神にもどれだけ助けられたことだろうか。

“日本一おもろい還暦男”は、芸能界一やさしい男でもあるのだ。さんまさんが還暦を迎えた当日に予定していた引退を撤回してくれて本当によかった……。