【PR】ホテル評論家視点で見た、今こそ変えるべき業界の課題

『ホテル評論家の辛口取材裏現場』

どれだけ事前にジャーナリストやライターのレビューを読み、外観や内装の写真を確認してから予約を取っても、実際に行ってみると大失敗だった(あるいはその逆も)という経験が多いホテル宿泊。

雑誌やサイトに掲載される情報は基本的に「褒める」ためのものであり、実際のところはユーザー(ゲスト)には事前にわかりにくいという現実があります。

「評論家とホテル業界との付き合いを考えれば、ある程度そういう方向に偏ってしまうのも仕方ないか」とゲスト側も割り切ることが多い一方で、業界に一切忖度しないスタンスで、忌憚なき是々非々なホテル批評を展開しているのがホテル評論家の瀧澤信秋さんです。

ホテル選びのポイントから、ネガティブ・ポジティブ問わず話題になった宿泊施設の現状や業界背景まで、多岐にわたる分野の記事をヤフーニュース個人で執筆。

事情通としてではなくゲスト目線を重視し、年間で372のホテルにチェックインした年もあるというほど、実際の宿泊体験に基づく取材と情報発信を徹底されています。

新聞、雑誌への寄稿はもちろん、人気バラエティ番組や報道番組でのコメンテーター出演まで。ゲスト目線のわかりやすい解説でメディアからの信頼も厚い瀧澤さんに、ホテルに関するあれこれをじっくりとお伺いしました。

「インバウンド」に依存しすぎてしまった宿泊産業の抱える課題とは

ゲスト視点はもちろん、経営者や従業員の視点でもホテルの課題を見つけるのが評論家の役割と語る
ゲスト視点はもちろん、経営者や従業員の視点でもホテルの課題を見つけるのが評論家の役割と語る

――2020年はオリンピックも開催されるため、インバウンド需要の大幅な増加が期待されていました。しかし年始からの新型肺炎問題に伴う渡航自粛の影響を受け、需要は予想よりも減少しています。

瀧澤:こういう想定外の事態に弱いのが宿泊産業の特徴です。大きな地震や火山噴火が起きるたび、多くのホテルでキャンセル騒動が発生します。産業自体のインバウンドへの依存度は年々増していますので、今回の影響は特に大きなものとなるでしょう。

逆に、ホテルは開業まで最低でも2~3年はかかってしまうため、宿泊需要の高まりが見込めてもすぐには商機に結び付けられないという点も、特徴として挙げられるでしょうね。

インバウンド需要の高まりが見え始めたタイミングで、「ホテル業界がこれから儲かりそうだ」と見込んだ異業種からの参入業者を中心に、建設ラッシュが始まりました。

しかし現在、一時的とはいえ9割を超えるキャンセル率となってしまったホテルも出てしまいました。現在建設中のホテルの経営者は、戦々恐々としているでしょうね。

――宿泊産業は、それほど見通しが難しいのですね。

瀧澤:一方で、日本人をターゲットにした新設ホテルや、インバウンド向けを意図的に絞っていた既存ホテルなどの経営状況は比較的安定しています。

実際、外国人宿泊者の割合を20%以下としていたホテルは、ほとんど打撃を受けていませんでした。常連のお客さんによる「困った時はお互い様」の精神で、応援宿泊をしてくれる人も多いそうです。

――インバウンド重視型のホテルは今後どのように立ち回るべきでしょうか。

瀧澤:うーん。需要の落ち込みが長期化して供給過剰となる前に、もっと上手く立ち回る必要があったと思います。ただ、現状インバウンドが見込めないからといって、日本人向けに極端な割引価格を提供する施策をとることだけは絶対に避けるべきでしょう。

宿泊業において値付けは「レベニューマネージメント」と呼ばれており、航空券の運賃設定に似ています。

稼働率が100%になったとしても、料金を値下げしたのであれば当然1部屋あたりの利益率は下がってしまいます。もちろん入室率が下がりすぎれば全体利益も大幅に下がるため、さじ加減は難しいのですが、割引キャンペーンで部屋を埋めても実際には「適正価格で空室あり」の方が利益を得ていたというケースは実はとても多いのです。

価格と差別化競争の激しい「シティホテル」の新しい流れとは

価格競争が激化し過ぎると、ホテルへの安心感の低下を招いてしまうことにもなりかねない、とも
価格競争が激化し過ぎると、ホテルへの安心感の低下を招いてしまうことにもなりかねない、とも

――いわゆるシティホテルは価格競争が激しく、細かくレベニューマネージメントをしているという印象があります。

瀧澤:レベニューマネージメントが経営に有利に働くかどうかは、非常に難しいところですね。

例えば、部屋の価格を激しく変動させる代表例がアパホテル。基準価格1万数千円台の部屋が、利用者が多い時期には3万円台、少ない時期には4,000円といった値付けをみることも。

同じ部屋なのに、基準価格に対して相当な価格差が存在するわけです。もちろん得をする場合も多いですが、早い段階で予約したせいで逆に損をしてしまう場合もあるわけで、予約のタイミングの判断が難しくなってしまいますよね。

一方で、価格変動がほとんどないホテルの代表例が東横インです。「プライスポリシー」を作成しており、便乗値上げや予約割引をおこなわず、常に低価格であることを謳っています。

会員になるのに1,500円かかりますが、会員割引や「10泊すると1泊無料」などの特典もあり、ビジネスホテルチェーンサービスの先駆け的存在となっています。値引きがほとんどおこなわれないことは「いつ予約しても同じ」という安心感につながり、特にサラリーマン利用者から信頼されています。

――どちらが経営として強いかは、比較が難しいところですね。

瀧澤:アパホテルと東横インを一概に比較できないポイントに、一棟あたりの部屋数があります。例えば「アパホテル&リゾート横浜ベイタワー」では、なんと2,311室が用意されています。

アパホテル全体では、2020年の春までに「10万室」まで増やすことを目標として掲げています。この目標数には、アパホテルが直営している部屋数だけでなく、地方のフランチャイズ(パートナーホテル)の部屋数も含まれています。

これほどの部屋数をきちんと稼働させるためには、今後はサラリーマン需要だけでなく、インバウンド需要も取り込んでいくという方針拡大の必要がありますからね。

現在アパホテルは1,500万人超の会員数を誇り、公式サイト/アプリの「アパ直」などからの予約も見込めるため、地方の小規模ホテル利用の呼び水として期待されています。

これまでアパホテルのようなブランド化されたホテルチェーンは、地方のホテルを廃業に陥らせる存在と位置付けられていましたが、現在は上手な共存関係になろうとしているのです。

――瀧澤さんがビジネスホテルの新トレンドとして掲げられた「進化型ビジネスホテル」とは、どのようなものでしょうか。

瀧澤:進化型ビジネスホテルは2つに分化しています。1つが、利便性やコストカットを意識した「ローコスト型」。そしてもう1つが、大浴場やサウナ、しっかりとした朝食の提供をしてくれる「ハイクラス型」ですね。特にハイクラス型は目覚ましい勢いで進化を遂げています。

例えば、大型浴場設置の先駆け的存在となったドーミーイン。天然温泉や露天風呂を設置し、シャワーの水圧までチェックする専門チームが存在するなど、一流ホテル以上にお風呂設備への情熱を注いでいます。無料の夜食サービスとして「夜鳴きそば」を提供するなど、そこにしかないバリューをしっかり提供していますね。

またリッチモンドホテルでは、朝食ビュッフェのクオリティが高く、ホテルによっては寿司やネギトロ丼、焼きたてパンや天ぷらが提供されるなどバラエティに富んでいます。

ハイクラス型はローコスト型と比較すれば若干価格は高くなりますが、価格差以上の満足を提供してくれる存在。「少しお金を出しても良いホテルを選びたい」というニーズにしっかり応えてくれます。

全国チェーンで展開しているようなホテルでは、コスト面ほかの問題から真似が難しいため、ハイクラス型のホテルは今後も独自の進化を遂げていくことが期待されますね。

慢性的な人材難が続くホテル業界 その打開策とは

時に辛口なホテル批評が飛び出すのも、ホテル側に変わってほしいと願う瀧澤さんなりの思いやりがあってこそ
時に辛口なホテル批評が飛び出すのも、ホテル側に変わってほしいと願う瀧澤さんなりの思いやりがあってこそ

――オリンピック以後のホテル業界について、どういう点に注目されていますか。

瀧澤:提供されるサービスの質、そして従業員の待遇の良さ・悪さが、ホテルに対して大きな影響を及ぼしてくると考えています。

ホテル建設ラッシュの裏側で再燃している従業員獲得問題ですが、たとえば1つのフルサービスホテルを新しく開業しようとすると300人近くの従業員が必要となります。

サービスの質を高めようと思えば、別ホテルから優秀な人材を引き抜くか、ホスピタリティマインドの高い人材を探して手厚く育てなければなりません。しかし、どこのホテルでも実務をしながら自己流で成長していくしかないため、なかなか一流の人材まで育つということが難しい状況なんです。

人が育たない問題の背景としては、職人気質な日本のホテルの従業員事情も挙げられます。従業員は、ドアマンならドアマン、というように細分化された担当業務にずっと従事することが一般的と言われており、いわゆるジョブローテーションが存在しにくいとも指摘されています。

慢性的な人手不足を解消するためには、もっとジョブローテーションを増やし、さらには多くの従業員にマネージメントも学ぶ機会を与えるべきでしょう。それによってスキルアップを意識するようになり、ホスピタリティの高いスタッフが長く勤められる環境も整えられるようになるのではないでしょうか。

ーー従業員がいきいきと働ける環境とは、どういうものでしょうか。

瀧澤:ひとつの解として、沖縄・伊良部島の「紺碧 ザ・ヴィラオールスイート」の例が挙げられます。ホテル運営を主としていない不動産会社発のホテルということもあり、いい意味で次々と業界慣習を打ち破っています。

例えば、清掃業務を担当するハウスキーパー全員の自社雇用。アウトソーシングされがちな清掃部門ですが、それではスタッフの入れ替わりにホテル側が関与できず、成長が見込めなくなってしまいます。

全員の自社雇用は、ホテル側が清掃業務をホテルのクオリティを維持するためのプロフェッショナル業務として、しっかりと捉えているからこそです。

このような考え方に基づいた意識の徹底と浸透のおかげで、全ての従業員が長期間にわたって高いモチベーションを維持できているのです。

参照記事:マツコの知らない世界で人気沸騰したリゾートホテルのいま

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――ホテル業界の抱える課題や現状などがよく理解できました。最後に、2020年1月より開始の『ホテル評論家の辛口取材裏現場』という連載シリーズでは、今後どのような情報を発信されていくのか教えてください。

瀧澤:連載シリーズは有料版ということで、皆さんが普段絶対に知り得ないような利益直結の情報を出していきますよ。主に3つの軸での展開を予定します。

まず1つが「絶対に泊まってはいけないホテルの話」。あまり広がってしまうとマズいホテル界隈の情報を、内輪だけの話として紹介していきます。

クリーニングに失敗した他人の洋服を勝手に捨てるホテルの話、ロッカー番号がバラバラで迷ってしまうカプセルホテルの話などなど……。思わず耳を疑ってしまうような驚きの裏話をご期待ください。

次に、「得ができるホテル・VIP体験ができるホテルの紹介」。「この時期にこのホテルに行くのが通!」などの紹介はもちろん、「このホテルのホテルマンAさんと交流すると上客扱いしてくれるようになるので、リピートしたくなること間違いなし!」といった情報も教えてしまいます。

あわせて、VIPに近い待遇を受けるためのコツなど、広まっては困る話も解禁していきます。こちらは絶対に他言無用でお願いします。

最後は、「ホテル評論家視点で見た、今こそ変えるべき業界の課題」についてです。先ほどお話ししたホテルの人材難や供給過剰、経営課題などの話はもちろん、例えば「ホテルに蔓延する無断キャンセル問題」について。

事前カード決済を推奨していれば解決できる問題であるにもかかわらず、業界慣習や性善説に基づいてホテル側がそれを実施しないのは、ある意味でキャンセル推奨してるといえますよね。そういう業界の課題にドンドン切り込んでいきます!

必ず価格以上の満足を提供できると思いますので、ご期待ください。

『ホテル評論家の辛口取材裏現場』

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瀧澤信秋(たきざわ のぶあき)

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。ホテル評論の第一人者としてゲスト目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。人気バラエティ番組から報道番組のコメンテーター、新聞、雑誌など利用者目線のわかりやすい解説でメディアからの信頼も厚い。評論対象はラグジュアリー、ビジネス、カプセル、レジャー等の各ホテルから旅館、民泊など宿泊施設全般、多業態にわたる。著書に「ホテルに騙されるな」(光文社新書)「最強のホテル100」(イーストプレス)「辛口評論家 星野リゾートに泊まってみた」(光文社新書)など。

【この記事は、Yahoo!ニュース 個人の定期購読記事を執筆しているオーサーのご紹介として、編集部がオーサーにインタビューし制作したものです】