「『いじめ』などとは呼ばずに、いじめは犯罪なのだから傷害罪とか脅迫罪と言え」と主張する人もいます。

しかし、朝学校に来ても誰も挨拶しないとか、遠足の班決めでどこからも声がかからないなどは、刑法では罰せられません。

あるいは、ノートの1ページにいたずら書きなどは、器物損壊ですが、被害額はわずかであり、起訴されるようなものではありません。

ただ、いじめは客観的には小さなことでも、被害者に大きなダメージを与えるものです。刑法の問題だけではなく、いじめの問題を考えなくてはなりません。

今回は、いじめる側の心理、被害者の心理、いじめが起きやすい環境などを心理学的に考え、いじめ問題を理解し、いじめを防ぐ方法を考えたいと思います。

○いじめの分類: けんか、いじわる → いじめ →いじめ非行

けんかは、双方でやり合うものですが、いじめは一方的です。いじめを放置すると、次第にエスカーレートし、強要罪や傷害罪、恐喝罪に当たるような飛行行為にも発展します。

こうなると、いじめることの心理的快感プラス実際的な利益も得てしまうので、いじめ行為が続いてしまいます。

○いじめ集団の四層構造: 被害者、加害者、観衆、傍観者

この4層構造は有名ですね。4つ含めていじめ関連行動と言われることもあります。いじめをはやし立てる観衆だけでなく、ただ見ているだけの傍観者の存在も、いじめを加速します。また、見ているだけの自分を責めることで苦しむ人もいます。

○いじめと同調行動、原因帰属、コミュニケーションの方向

いじめは、意地悪な子が行う。いえ、それほど単純ではなく、また根が深いものだということが、次のような社会心理学の研究からわかります。