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あなたはなぜ眠れないのか:不眠とストレスの心理学:スリープ・リテラシーを持とう

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真:miya227/イメージマート)

■現代のストレス社会と不眠

ストレスの多い現代社会。寝ている時だけが、ストレスがないはずなのに。本当なら、ぐっすり寝ている間に、心は癒されるはずなのに。でも、ストレスのせいで眠れない時もあります。さらに、ストレスの原因が無くなったはずなのに、それでもまだ眠れない時もあります。

そうして不眠症になってしまえば、寝ようとすること自体がストレスになってしまいます。

十分に眠ることは、心と体の健康のためには必須です。ストレス社会を元気に生きるためには、安眠が必要です。

■不眠症の種類

不眠症(睡眠障害)には、様々な形があります。夜なかなか眠れないだけが不眠症ではありません。

夜なかなか眠りにつけないのは、「入眠困難」。夜中に何度も目が覚めて辛いのは、「睡眠維持困難」「中途覚醒」(夜中にトイレに起きてもすぐに眠れれば問題なしですが)。また、早く起きる必要がなく、もっと寝ていたいのに目が覚めてしまうのが、「早期覚醒」。そして、十分寝ているはずなのに熟睡した感じを持てないのが「熟眠不全」です。

睡眠は、睡眠時間の問題だけでなく、気持ちよくぐっすり眠れたと感じられることが必要です。

■不眠による悪影響

不眠が長く続くと、次のような心身の症状が出ます。

・疲労感、不快感

・注意力、集中力、記憶力の低下

・社会的、職業的機能低下、または学業低下がみられる

・気分がすぐれない、イライラする

・日中の眠気

・やる気、気力、自発性の減退

・仕事のミスや運転中の事故のおこしやすい

・睡眠不足による緊張、頭痛、胃消化器症状がみられる

・睡眠についての心配、悩みをもつ

こうなってしまえば、それがまた大きなストレスになるでしょう。

「ストレスがたまって眠れない」。確かにそうなのですが、その一言の簡単な説明で終わってしまっては、不眠は解決しません。なぜストレスが不眠につながるのか。そのメカニズムを知ることで、不眠問題を解決していきましょう。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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