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健康的な不安と緊張の持ち方:新型コロナウイルスに心が負けない方法

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:CDC アメリカ疾病予防管理センター(写真:ロイター/アフロ)

<未来を悲観し、過去にこだわり、今を生きられない人がいます。不安になり過ぎて心が壊れないように、健康的な不安で適切な行動が取れるようにして、ウイルスと戦いましょう。>

■不安も大切:健康的で役に立つ不安と緊張を持とう

不安は、必要です。不安が何もなければ、新型コロナウイルスの感染症の予防もできないし、受験勉強もできないし、雨が降るかもしれないと考えて傘を持っていくこともできません。

不安がなければ、私たちはすぐに病気になったり、怪我をしたり、犯罪被害にあったり、雨にも濡れて、入学試験にも落ちるでしょう。

不安になって準備すること、緊張して気を張り、用心することは必要です。

不安と緊張があるからこそ、滑りやすい道でも、気をつけて転ばずに歩くことができるのです。

ネコを使った、こんな実験があります。

ネコが細い棒の上を歩きます。ネコは、器用に落ちずに歩けます。

この時、ネコの足の肉球にサラサラの粉を付けます。そうすると、ネコは上手に歩けず落ちてしまします。

人間も緊張すると手に汗をかきます。これは暑いから汗をかくのではなく、緊張による精神性発汗です。ネコも同じです。細い棒の上を歩こうと思うと、肉球に汗をかいます。汗が滑り止めになって、上手に歩けるのです。汗がなければ、ネコは細い道を落ちずに歩けません。

人間も同様なのですが、人間はネコと違って余計なことを考えます。失敗したら痛いだろうとか、恥をかくとか、考えます。すると、手に汗をかきすぎます。手が汗でびしょびしょになれば、滑り止めどころか、滑りやすくなってしまうでしょう。

不安や緊張は、役に立つ健康的なものもあれば、役に立たない不健康なものもあるのです。

新型コロナウイルスのせいで不安が世界中に広がっている今、どうすれば不健康で役立たずの不安や緊張から自由になり、健康的で有用な不安と緊張を持てるのでしょうか。

■すぐ不安になりやすい人

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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