桜塚やっくん交通事故死2:哀悼の意と心のケアと交通安全:良いファンになろう
第一報「桜塚やっくん交通事故死:哀悼の意を表すと共に私たちが学ぶべき心のケアと交通安全」をお届けした後、新しい情報が入っています。
■桜塚やっくん、運転していた 死亡事故現場は「魔のカーブ」
運転者は桜塚やっくん(本名・斎藤恭央(さいとう・やすお)さん)本人でした。事故現場は、「魔のカーブ」と呼ばれる交通事故多発地帯でした。
■早すぎる死をいたむ声
狩野英孝
「やっくん先輩…始めてお会いしたのは、上野のライブの手伝いをさせて頂いたとき。一緒に同じステージに立てた時は、本当に嬉しかったです。ご冥福をお祈りします」
芋洗坂係長
「親友の死を受け止められない… 富山で一人徘徊し、酒を飲んで何とか寝ようと思うけど… どうにもなりません…」
サンドウィッチマン伊達
「お互い『エンタの神様』で世に出して貰った芸人仲間。桜塚やっくんの人気、ホントに凄かった。何度も一緒に営業も行ったなぁ。俺ら、やっくんの前座みたいな感覚だった。熱狂的なファンも沢山いた。まだ37歳か…若過ぎるわ。心から御冥福を御祈り致します」
コウメ太夫
「毎週日テレのエンタの神様で一緒で2人で共演した時の事を思い出します。営業先も本当に一緒に共演する事が多く、当時僕は舞台で5分しかもたなくて、やっくんがアドバイスしてくれたおかげで15分くらい舞台でしゃべる事が出来るようになった。ありがとうやっくん」
■事故原因
山口県警高速道路警察隊は、居眠りや、雨やスピードの出し過ぎによるスリップの有無とともに、斎藤さんがハンドルを切りすぎたことが原因となった可能性もあるとみて、現場の状況を詳しく調べています。
事故原因はまだ不明です。ここでは一般論として、考えます。居眠り運転に関しては、前のページで述べました。
■スピードの怖さ
『交通心理学が教える事故を起こさない20の方法』(長塚康弘著)のまとめによると、スピードが高くなれば、視力が落ち、視野が狭くなります。
視力検査は、じっと動かない状態で行いますが、スピードが出ているときの人の視力は、普段の30~40パーセントも下がります。
またスピードを出しているときには、視野が狭くなります。前方の真ん中は見えていますが、周辺は見えなくなります。スピードが上がるほど視野が狭くなります。
ただし、実際に運転していて、視力低下や視野狭窄(きょうさく)を自覚することは少ないでしょう。目に映ってはいますが、気がつかないうちに、きちんと見て判断することができなくなっているのです。
■疲労運転
疲れると、どんなことが起こるでしょうか。心理学の研究によれば、
- 注意の範囲が狭くなる(見落としなど)
- 忘れやすくなる
- おっくうになる
- 作業の質が下がる
- 感情的になる
これらの事が起きているのですが、私たちはなかなか実感できません。
■高速道路上の事故防止
前のページで、高速道路上では意外と「人と車」の事故が多いとお話しました。高速道路上で車が止まってしまったときの鉄則が、後続車に知らせることと、運転者も同乗者も車外の安全な場所に移動することです。
今回の事故の詳細はわかりませんが、亡くなったマネージャーさんは、その責任感から事故の様子を見て警察に連絡するために車外に出たのかもしれません。
しかし問題だったのは、マネージャーは後部座席に座っていて、ワゴンカーのドアが左側にしかついていなかったことです。通常は、左側が歩道側になりますが、今回の事故では、左に出るのは自動車が高速で走っている車線側に出ることになってしまいました。
その結果、後続車にひかれ、おそらくそれを見た桜塚やっくんもあわてて後続車を止めようと車外に出て、さらに事故が起きたのでしょう。
車外に出るときは、安全を確かめて、中央分離帯側、ガードレール側の、車が走っていない側です。そして車後方のガードレースの外など安全な場所に避難します。車のすぐ横や前方では、後続車に追突されたとき、巻き添えになることがあります。
高速道路上では、車両故障や軽い事故などで、停止した自動車や、路上に降り立った人に後続車が衝突してなくなったケースが、死亡事故中4件に1件の割合を占めています。
■交通事故の心のケア
目の前での仲間の死や、家族親友の突然の事故死は、大きな衝撃です。そして交通事故の場合は、さらに複雑です。
桜塚やっくのお父さんが、インタビューに答えて、運転していたのは息子だ、亡くなったマネージャーさんに本当に申し訳ないと語っていました。
交通事故では、亡くなったドライバーでも、被害者であり、同時に加害者になることもあります。警察の調べ、事故の補償など、亡くなったあとも、厄介な作業が続きます。
たとえば、家族が交通事故で亡くなった後、警察、裁判所、保険会社などとの対応を、一人だけで受け待つことがあります。ある家庭では、通常の仕事に戻った父親は比較的早く立ち直っても、面倒なことを全て押し付けられ、繰り返し事故を思い出し、辛い作業を続けなければならないお母さんの心の傷が深くなることもあります。
みんなが傷ついています。こんなときこそ、みんなで支えあいたいと思います。必要があれば、カウンセラーとか精神科医の出番でしょうが、まずは、家族であり、親友であり、身近な人によるケアこそが大切なのです。
マスコミやファンの対応は、ストレスになることもあるでしょうが、上手に働けば、遺族の大きな慰めになることもできるでしょう。
(たとえば、事故ではありませんが、息子を自死でなくした著名な牧師は、「妻と私は、みなさんの愛と祈りと心からのことばに、圧倒されています。みなさん全員が、私たちの壊れた心を包んでくれています。」と述べています。「大統領就任式に登場した牧師の息子が自殺:自死遺族へのアメリカ社会の成熟した態度"泣く者と共に泣く")
私たちも、最後の最後に、良いファンになれればと願っています。
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