前年はマイナーリーグ契約の捕手が700万ドルの契約を得る。19本塁打は復活の証なのか
ゲリー・サンチェスは、ミルウォーキー・ブルワーズに入団するようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらが、1年700万ドルの契約で合意、と報じている。2年目の2025年は、相互オプションだという。
昨オフ、ミネソタ・ツインズからFAになったサンチェスは、どこからもメジャーリーグ契約を得ることができず、開幕直後にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナーリーグ契約を交わした。昨年のメジャーリーグ出場は、ジャイアンツで0試合、ニューヨーク・メッツで3試合、サンディエゴ・パドレスで72試合だ。
パドレスに入団後、サンチェスは、19本のホームランを打った。12.3打数/本のペースは、ニューヨーク・ヤンキースで30本塁打以上を記録した2シーズン、2017年の14.3打数/本(33本塁打)と2019年の11.6打数/本(34本塁打)の間に位置する。2022年の26.2打数/本(16本塁打)と比べると、半数未満の打数だ。
パワーに関しては、復活と見ていいだろう。今シーズンの年齢(6月30日時点)は31歳だ。出塁率は.292――メッツの3試合を除く――ながら、通算出塁率.309が示すとおり、サンチェスは、もともと出塁率の高い打者ではない。また、ヤンキース時代は捕手としてのスキルに疑問符がつけられていたが、昨年はDRS+7を記録した。
もっとも、ブルワーズは、レギュラーの捕手としてサンチェスを迎え入れたわけではないはずだ。ブルワーズには、ウィリアム・コントレラスがいる。ウィルソン・コントレラス(セントルイス・カーディナルス)の弟だ。こちらは26歳。2022年は97試合で20本塁打と出塁率.354、2023年は141試合で17本塁打と出塁率.367を記録した。サンチェスは、DHと2番手の捕手としてプレーすると思われる。
2023年にブルワーズで20本塁打以上は、24本の遊撃手、ウィリー・アダメスしかいなかった。ブルワーズは、エースのコービン・バーンズをボルティモア・オリオールズへ放出したのに続き、十分な見返りを得ることができれば、開幕までにアダメスも手放すかもしれない。バーンズとアダメスは、どちらも、FAまであと1シーズンだ。
バーンズと交換に、ブルワーズは若手の2人、先発投手のDL・ホールと遊撃手のジョーイ・オティーズ(とドラフト指名権)を獲得している。ホールをローテーションに入れ、オティーズを遊撃に据え、パワーはサンチェスで補う、というシナリオも成り立つ。
バーンズのトレードについては、こちらで書いた。