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準決勝で日本に投げるのは、大谷翔平のチームメイトか、大谷がカモにしている投手か〈WBC〉

宇根夏樹ベースボール・ライター
パトリック・サンドバル Mar 12, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月17日(日本時間18日)、プエルトリコとメキシコは、準々決勝の試合を行う。先発マウンドに上がるのは、メキシコがフリオ・ウリーアス(ロサンゼルス・ドジャース)、プエルトリコはマーカス・ストローマン(シカゴ・カブス)の予定だ。

 過去2シーズンのウリーアスは、一昨年が先発32登板の185.2イニングで防御率2.96、昨年は先発31登板の175.0イニングで防御率2.16。ストローマンは、先発33登板の179.0イニングで防御率3.02(ニューヨーク・メッツ)と先発25登板の138.2イニングで防御率3.50(カブス)だ。これらのスタッツに加え、現時点の力量と年齢、在籍チームの先発投手の顔ぶれからすると、どちらもエースと呼んでいいだろう。ちなみに、クレイトン・カーショウ(ドジャース)の過去2シーズンは、防御率3.55と2.28。いずれも、130イニングに届かなかった。

 メジャーリーグのレギュラーシーズンとポストシーズンにおいて、ウリーアスとストローマンが投げ合ったことはない。

 今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、どちらもチームの初戦に登板している。ウリーアスは、コロンビア戦で5イニングを投げ、被安打3本ながら3失点(自責点3)。5回表の3連打、二塁打、二塁打、ホームランにより、3点を取られた。ニカラグア戦に登板したストローマンは、4.2イニングで被安打2本、1失点(自責点1)。ホームランを打たれたところで、マウンドを降りた。

 ストローマンのWBC出場は、2017年に続く2度目だ。前回は、アメリカのメンバーとして3試合に登板。1次ラウンドはドミニカ共和国、2次ラウンドと決勝はプエルトリコに対して投げた。計15.2イニングで防御率2.35を記録し、MVPに選ばれた。

 なお、ここまでの4試合の先発投手は、メキシコが、ウリーアス、パトリック・サンドバル(ロサンゼルス・エンジェルス)、タイワン・ウォーカー(フィラデルフィア・フィリーズ)、ホゼ・ウッキーディ(ヒューストン・アストロズ)。プエルトリコは、ストローマン、ホゼ・ベリオス(トロント・ブルージェイズ)、ホゼ・デレオン(ミネソタ・ツインズ/マイナーリーグ契約)、ジョニー・クエイト(マイアミ・マーリンズ)だ。デレオンは、継投による完全試合で5.2イニングを封じた。

 準々決勝からは、負ければ敗退となるので、投手の起用は読みにくいが、登板順序のとおりだとすると、メキシコが準決勝に進んだ場合、日本に対して投げるのはサンドバル、プエルトリコが準決勝進出なら、ベリオスとなる。

 サンドバルは、エンジェルスで大谷翔平とともにローテーションを担っている。昨年は、先発27登板で148.2イニングを投げ、防御率2.91を記録した。ベリオスは、大谷に通算14打数6安打(打率.429)、ホームランと二塁打が3本ずつと打ち込まれている。昨年の2打席(5月29日)は、どちらもホームランだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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