元・阪神のPJに500万ドルは払いすぎ!? 今年の防御率と与四球率はどちらも5.02
今オフ、ピアース・ジョンソンは、コロラド・ロッキーズと契約を交わした。2019年に阪神タイガースで投げた、あのジョンソンだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンによると、1年500万ドルに75万ドルの出来高がつくという。
阪神を去った後、ジョンソンは、サンディエゴ・パドレスに入団した。契約は2年500万ドル。内訳は、2020年と2021年が年俸200万ドル、2022年は球団オプションの年俸300万ドル(解約金100万ドル)だ。年俸200万ドル+年俸200万ドル+解約金100万ドル=500万ドル、という計算になる。そこに、イニングに応じた出来高がついていた。
2020年は20.0イニングで防御率2.70、2021年は58.2イニングで防御率3.22を記録し、昨オフ、ジョンソンは、パドレスにオプションを行使された。だが、今シーズンは、14.1イニングで防御率5.02に終わった。
にもかかわらず、来シーズンの年俸は、報道のとおりだとすると、今シーズンから200万ドルのアップとなる。ここ3シーズンの奪三振率は、12.15→11.81→13.19と推移しているものの、ジョンソンは与四球率も高い。こちらは、4.05→4.14→5.02だ。
ロッキーズは、打者天国のクアーズ・フィールドを本拠地としている。FAの投手に対し、他球団と同じ契約を提示したのでは、袖にされる可能性が高い。その場合、地元出身のジョンソンにしても、ロッキーズを選んでいたかどうかはわからない。
今シーズンの防御率が高かったのは、故障によるものと判断し、ロッキーズはジョンソンを迎え入れたのかもしれない。肘を痛め、4月下旬から9月上旬まで、4ヵ月以上にわたって離脱したが、故障はすでに癒えている。
また、サンプル数はわずかながら、今シーズンのジョンソンは、高いゴロ率を記録している。スタットキャストとファングラフス、いずれのデータでも、ゴロ率は55%前後だ。過去2シーズンのゴロ率は、35%未満だった。
奪三振率とゴロ率がどちらも高ければ、打球がよく飛ぶクアーズ・フィールドでも通用するはずだ。役割としては、今年の夏までチームメイトだったディネルソン・ラメットとともに、クローザーのダニエル・バードにつなぐセットアッパーを務めることが期待される。
ついでに言えば、こんなデータもある。ジョンソンは、これまで、クアーズ・フィールドで11試合に登板している。2018年の2登板を含め、計10.2イニングを投げて自責点はなく、防御率は0.00だ。2020~22年の計9登板に限ると、引き継いだ走者も、6人中1人しか生還させていない。