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ヤンキースの遊撃手が出場103試合目にシーズン初本塁打。「300打数以上で0本」は3人に減る

宇根夏樹ベースボール・ライター
アイザイア・カイナー-ファレファ(ニューヨーク・ヤンキース)Aug13,2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・ヤンキースでは、8月2日にロサンゼルス・ドジャースへ移籍したジョーイ・ギャロを含め、9人が二桁のホームランを打っている。その筆頭は、言うまでもなく、46本塁打のアーロン・ジャッジだ。

 ただ、なかには、対照的な選手もいる。開幕から遊撃のレギュラーとしてプレーしていながら、アイザイア・カイナー-ファレファのシーズン初本塁打は、出場103試合目の8月13日。シーズン349打数目だった。

 8月13日を終え、シーズン300打数以上の194人中、ホームランを打っていないのは、セイザー・ヘルナンデス(ワシントン・ナショナルズ)、マイルズ・ストロウ(クリーブランド・ガーディアンズ)、ニッキー・ロペス(カンザスシティ・ロイヤルズ)の3人だ。前日までは、カイナー-ファレファも、そこに名を連ねていた。

 もっとも、カイナー-ファレファは、持ち前の好守を発揮している。また、8月13日は、チームの全打点を挙げた。5回表の同点2ラン本塁打に続き、9回表にセーフティ・スクイズを決め、ヤンキースは3対2で勝利を収めた。8月に入ってから、2勝8敗と負けが込んでいただけに、貴重な白星となった。

 ブロードキャスターのジョン・スターリングは、打球がフェンウェイ・パークのグリーンモンスターを越えた時に「ラルフ・カイナー-ファレファ!」と叫んだ。ラルフ・カイナーは、1946~52年に7シーズン続けて本塁打王を獲得した。スターリングは、カイナーに引っかけたこのフレーズを使う瞬間を、開幕前から待ち望んでいたのかもしれない。

 なお、シーズン初本塁打のボールは、カイナー-ファレファのところへ「戻った」らしい。NJ.comのブレンダン・クティは、そのボールを手にした観客が、ジャッジのサイン入りボールと交換した、と報じている。

 昨オフ、カイナー-ファレファがヤンキースへ移籍した経緯については、こちらで書いた。

「ヤンキースは遊撃手を欲しているが、そのターゲットは大物FAではなくこの選手!?」

「釣り合いのとれたトレード!? ヤンキースが獲得した3人も、放出した2人も、昨年の本塁打は合計37本」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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