このトレードは選手の希望を叶えるため!? 交換相手も、同じ左打ちの外野手。2人の年齢は1歳違い
6月23日、テキサス・レンジャーズは、ウィリー・カルフーン(と金銭)をサンフランシスコ・ジャイアンツへ放出し、それと交換に、ジャイアンツからスティーブン・ダガーを獲得した。
先月上旬に「マイナーリーグ降格の外野手がトレードを志願。かつてはプロスペクトと目され、年齢はまだ27歳」で書いたとおり、カルフーンはトレードを望んでいた。この記事では、レンジャーズはカルフーンを手放さないと予想したが、その読みは見事に外れた。
カルフーンとダガーは、どちらも左打ちの外野手だ。年齢も、カルフーンが27歳、ダガーは28歳。1歳しか違わない。今シーズンのメジャーリーグ出場が、10試合以上20試合未満という点も、共通する。さらに言えば、どちらも、打率1割台と出塁率2割台だ。
こうしたことからすると、レンジャーズは、カルフーンの望みを叶えるためにトレードを行ったようにも見える。けれども、少なくとも、それだけが理由ではないはずだ。
6月12日、レンジャーズでは、センターを守っていたイーライ・ホワイトが、レフトのチャーリー・カルバーソンと交錯した。これにより、ホワイトは右手首を骨折し、手術を受けた。復帰は9月の見込みだ。カルフーンはレフトとライトが主な守備位置だが、ダガーはセンターを含む外野3ポジションを守る。端的に言うと、ダガーの守備はカルフーンより優れている。
一方、ジャイアンツは、カルフーンが持つ打撃のポテンシャルを買ったと思われる。こちらも一言で言うなら、ダガーは守備の人だ。
レンジャーズが金銭も支払ったのは、保有できる期間の違いだろう。ダガーがFAになるのは2025年のオフ、カルフーンは2024年のオフだ。ダガーを手放してカルフーンを得たジャイアンツからすると、保有期間は1年短くなる。その分を埋め合わせる金銭ではないだろうか。
いずれにせよ、カルフーンはトレードに大喜び。サンフランシスコの近くで生まれ育っただけに、願ったり叶ったりといったところだ。カルフーンは、レンジャーズに対する感謝の言葉とともに、故郷に戻って大好きだったチームでスタートを切るのが待ちきれない、とツイートしている。