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ヤンキースではなく、レッドソックスから「ジーター」がデビューする!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジーター・ダウンズ(ボストン・レッドソックス)Jun 20, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月20日、ボストン・レッドソックスは、AAAからジーター・ダウンズを昇格させた。

 ロビンソン・カノー(サンディエゴ・パドレス)の名前がジャッキー・ロビンソンにちなんでいるように、ダウンズの名前はデレク・ジーターに由来する。5年前にMLB.comのマーク・シェルドンが書いた記事によると、1998年の夏にコロンビアで生まれた時、ジーターの大ファンである母親が名づけたという。

 子供の頃に一家でアメリカへ移住し、ダウンズは、2017年のドラフトでシンシナティ・レッズから1巡目・全体32位指名を受けた。ジーターとは、1巡目に指名された高校生の遊撃手(右打ち)という点が共通する。ジーターは、1992年の全体6位だ。ちなみに、ダウンズの誕生日は7月27日。こちらは、ジーターではなく、アレックス・ロドリゲスと同じだ。

 ダウンズが生まれた頃、ア・リーグでは、同世代の遊撃手3人が活躍していた。ヤンキースのジーターとシアトル・マリナーズのロドリゲスに、レッドソックスのノマー・ガルシアパーラだ。母親の好みが違えば、息子の名前は、アレックス・ダウンズ、あるいはガルシアパーラ・ダウンズだったかもしれない。

 それはさておき、ダウンズは、2度目の大型トレードにより、ヤンキースのライバルであるレッドソックスへやってきた。2018年12月にヤシエル・プイーグら計7人が動くトレードでレッズからロサンゼルス・ドジャースへ移籍し、2020年2月にドジャースからレッドソックスへ移った。レッドソックスは、ムーキー・ベッツデビッド・プライスを放出し、ダウンズとアレックス・バーデューゴコナー・ウォンを獲得した。この5人は、今もそれぞれのチームに在籍している。

 また、トレードの時点で、レッドソックスにはダウンズの兄がいた。こちらは、父親と同名のジェリーだ。一塁を守る。メジャーデビューはしておらず、現在は独立リーグでプレーしている。

 ダウンズは、6月20日と21日の試合には出場しなかった。22日の試合が終わると、レッドソックスはフェンウェイ・パークを離れ、アウェーで9試合を行う。フェンウェイ・パークは、ジーターが最後にプレーした球場だ。2014年のヤンキースは、ポストシーズンへ進めなかった。

 今回、メジャーデビューすることなく、ダウンズはAAAへ戻される可能性もある。クリスチャン・アローヨキーケー・ヘルナンデスが戻ってくれば、そうなるだろう。今シーズン、ダウンズは、AAAで53試合に出場し、打率.180と出塁率.297、11本塁打と11盗塁、OPS.694を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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