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このエースは他チームの投手に「出来高」を支払う!? 160イニング以上で防御率3.70以下なら…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーカス・ストローマン Sep 28, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、ニューヨーク・メッツからFAになったマーカス・ストローマンは、シカゴ・カブスと3年7100万ドルの契約を交わした。それから1ヵ月後、今度はストローマンが、他の投手に太っ腹な申し出――自身が得た契約からすれば、ささやかなものかもしれないが――をした。

「フルーテッドベゼルのロレックスが欲しい」とツイッターに書き込んだトリスタン・マッケンジー(クリーブランド・ガーディアンズ)に対し、ストローマンは「今シーズン、160イニング以上を投げて防御率3.70以下なら…ロレックスを買ってあげよう!」とツイートした。さらに、「これってみんなに当てはまるの?」と書いたトゥーキー・トゥーサント(アトランタ・ブレーブス)にも、ストローマンは「君にもそうしよう」と答えた。

 ストローマン、マッケンジー、トゥーサントは、3人とも右投手だ。ドラフトで1巡目に指名され、プロ入りしたことも共通する。それぞれの指名順位は、2012年の全体22位、2015年の全体42位、2014年の全体16位だ。

 だが、これまでに、彼らがチームメイトになったことはない。ストローマンは、トロント・ブルージェイズとメッツで投げてきた。マッケンジーは、プロ入りからずっとクリーブランド・インディアンズ(現ガーディアンズ)にいる。トゥーサントは、メジャーデビュー前に、アリゾナ・ダイヤモンドバックスからブレーブスへ移った。

 2020年にデビューしたマッケンジーは、2021年に120.0イニングを投げ、防御率4.95を記録した。2018年にデビューのトゥーサントは、2021年の50.0イニングが最も多い。防御率は4.50だった。ストローマンが申し出た条件をクリアすれば、ロレックスをゲットするだけでなく、ブレイク・イヤーとなる。ドラフト順位からもわかるとおり、そうなってもおかしくはない。来シーズンの年齢(6月30日時点)は、マッケンジーが24歳、トゥーサントは26歳だ。

 ストローマンは、160イニング以上&防御率3.70以下を3度記録している。2017年が201.0イニングで防御率3.09、2019年が184.1イニングで防御率3.22、2021年は179.0イニングで防御率3.02だ。2017年の年齢は、26歳だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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