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エンジェルスには「2010年代の本塁打トップ10」のうち3人が揃っているが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス(左)とマイク・トラウト May 27, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2010年代(2010~19年)に250本以上のホームランを打った10人のうち、4位のアルバート・プーホルス(290本)、5位タイのマイク・トラウト(285本)、10位のジャスティン・アップトン(255本)は、現在、3人ともロサンゼルス・エンジェルスにいる。

筆者作成
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 ただ、彼らは、2010~19年の10シーズンともチームメイトだったわけではない。エンジェルス一筋のトラウトがメジャーデビューしたのは、「ディケイド2年目」の2011年だ。プーホルスは2011年のオフに10年2億4000万ドルでエンジェルスに入団するまで、セントルイス・カーディナルスでプレーしていた。アップトンがトレードによってデトロイト・タイガースから移籍し、3人がエンジェルスに揃ったのは2017年の夏だ。

 また、トラウトとアップトンは28歳と32歳だが、プーホルスは来年1月に40歳となる。2010年代の10シーズン中、35本塁打以上は3度。エンジェルス入団前の2010年(42本)と2011年(37本)に、入団後の2015年(40本)だ。直近の3シーズンは、いずれも25本に届かなかった。

 プーホルスの高齢化のみならず、3人とも右打者であることからも、左打者の大谷翔平がラインナップに並ぶ意味は大きい。2019年は左打者のコール・カルフーンが33本のホームランを打ったが、エンジェルスは1400万ドルの球団オプションを行使しなかった。同じく左打者のブライアン・グッドウィントミー・ラステラは、2人ともシーズン20本塁打に達したことがなく、ラステラは2019年の前半戦に16本塁打ながら(後半戦はほぼ全休)、来シーズンもパワーを継続できるかどうかはわからない。カルフーンと再契約する可能性は皆無ではないものの、エンジェルスの優先課題は先発投手陣の補強だ。

 ちなみに、プーホルスが2000年代に打った366本のホームランは、アレックス・ロドリゲス(435本)とジム・トーメイ(368本)に次いで多く、35本以上のシーズンは7度を数える。2000年代も2010年代もトップ10にランクインしたのは、プーホルスしかいない。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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