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1900年以降2番目に少ないイニングで、シーズン200奪三振に到達。シーズン全体の奪三振は何位に!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリット・コール(ヒューストン・アストロズ) Jul 22, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月22日、ゲリット・コール(ヒューストン・アストロズ)が、シーズン200奪三振に到達した。開幕から133.1イニングで200奪三振は、2001年のランディ・ジョンソン(130.2イニング)に次ぎ、1900年以降では2番目に少ないイニングだ。

 この年のランディは、シーズン全体で372奪三振を記録した。これは、1900年以降の3位に位置する。ランディは、最初の130.2イニングで200三振、その後の119.0イニングで172三振を奪った。それぞれの奪三振率を比べると、13.78から13.01へわずかに下がっている。けれども、1位でなかったのは、奪三振のペースダウンよりも、イニングに理由がある。ランディの249.2イニングに対し、1位のノーラン・ライアン(1973年/383奪三振)は326.0イニング、2位のサンディ・コーファックス(1965年/382奪三振)は335.2イニングを投げた。

 ランディと同じく、コールも250イニングに届かないだろう。220イニングも微妙なところだ。このままのペースで三振を奪い続けても、シーズン全体の奪三振は320前後。1900年以降の15位前後となる。さらに、レギュラーシーズンの終盤には、その先のポストシーズンを見据え、アストロズがコールの登板を減らす可能性もある。昨シーズン、コールの最終2登板は、中8日と中6日だった。今シーズン、アストロズは地区3連覇に向かって快走している。

 ただ、コールは奪三振の数ではなく、率のシーズン記録を塗り替えるかもしれない。7月22日の登板を終え、136.2イニングを投げて205三振を奪っているので、奪三振率は13.50だ。これは、2001年にランディが記録した、歴代最高(規定投球回以上、もしくはチームの試合数×1イニング以上を投げた投手が対象)の13.41を上回る。また、コールは対戦した打者541人の37.9%を三振に仕留めている。こちらも、歴代最高のペースだ。これまでに37%を超えたのは、1999年のペドロ・マルティネス(37.5%)と2001年のランディ(37.4%)しかいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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