1939~40年のヴィクトル・スタルヒンを含め、2年続けてMVPを受賞した選手は、10人(延べ13人)を数える。ただ、それを3年連続としたのは、1978年の山田久志と1996年のイチローの2人だけだ。王貞治は2年連続が4度あるものの、それぞれの「3年目」にセ・リーグのMVPに選ばれたのは、1966年と1971年がチームメイトの長嶋茂雄、1975年は山本浩二、1978年は若松勉だった。長嶋は受賞5度ながら、連続はなし。1963~1971年の9年間は、王と長嶋の「ON」がセ・リーグのMVPを独占した。

 一方、移籍1年目のMVPは10人だ。2リーグに分裂した1950年の小鶴誠別当薫、メジャーリーグから移籍のジャック・ハウエル(1992年)を除いても、7人に上る。また、プロ球団からの移籍ではないので含めなかったが、木田勇(1980年)と野茂英雄(1990年)は、プロ1年目に受賞している。2人とも、社会人野球の出身だ。木田は日本鋼管、野茂は新日本製鐵堺からプロ入りし、MVPとともに新人王にも選ばれた。

筆者作成
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 来シーズン、丸佳浩はMVPを手にすれば、史上3人目の3年連続、移籍1年目としては11人目となる。これまで、両方を同時に達成する可能性を持つ選手は、誰もいなかった。小笠原道大は2006~2007年に2年続けて受賞し、2007年は移籍1年目だったが、3年連続とするチャンスがあったのは、移籍2年目の2008年だ。

 なお、3年連続MVPの2人のうち、山田が投げていた阪急ブレーブスは1975年からリーグ4連覇を果たしたが(1975年は山田のチームメイト、加藤秀司がMVP)、イチローがプレーしていたオリックス・ブルーウェーブのリーグ優勝は、1995~96年の連覇。イチローが最初に受賞した1994年は、西武ライオンズに7.5ゲーム差をつけられた。それに対し、移籍1年目にMVPとなった10人のチームは、いずれもリーグ優勝を飾っている。