「良すぎる母」と「自慢の娘」、女性同士の複雑な関係

写真はイメージです。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

母親との関係で悩む女性は多いですね。最近では“毒親”などという言葉を聞くこともしばしばです。でもそれとは逆に“良すぎる母親”が重すぎて負担という女性もいるのです。こうした母と娘に関わる女性の悩みは、男性にはよくわからないかもしれません。しかし、母娘関係の複雑さは男性に理解していただくことが必要です。ご自分の妻や娘の関係には男性である夫や父親の態度も関係してくるのですから。

<相談ケース>

大学院を卒業してさらに博士を目指しているAさんは子どものころから母親の自慢の娘でした。女子高から理系の国立大学に進学できたのは母親の協力があったからだとAさんは感じています。お弁当や夜食作り、塾の送り迎えなど生活のすべてで母親の協力があり、勉強に集中できたから受験に成功したと感謝しています。母親の協力は大学院に通う間も卒業後も続き、実家暮らしのAさんは大学の同級生が就職して自立している話を聞くたびに気持ちが落ち込んでしまうのです。Aさんは経済的にも恵まれており生活のすべてが親がかり。バイトをしようとしても母親が「そんなことはする必要がない」とさせてくれません。研究室の帰りに多少の自由時間はあるものの、母親に買い物に誘われたり、最近はテイクアウトの料理を一緒に選んでほしいなどと言うので付き合うのですが、息苦しい気分になることも増えてきました。研究室の先輩の男性に気になる人もいるのですが、母親から反対されそうでお付き合いは控えていると言います。母親はAさんの結婚相手の理想像があるようなのです。「いい母」なのだが母親の存在が重い、とAさんは感じていて、先々のことが不安になったりするのです。ちなみにAさんの父親は子どものことはすべて妻に任せきり。いつも仕事で忙しく休日もゴルフなどで不在のことが多いということです。

<解決へのヒント>

毒母でも慈母でも母親との関係は、娘にとってストレスを生んでいることが多いと言えます。「親と娘」の関係から、「一人の女性と一人の女性」という関係にシフトしていくことが基本です。何でもしてくれるいい母親は便利で都合のいい存在かもしれません。しかしいつまでもその関係を続けると依存状態から抜け出せず、母親の存在が次第に重い負担になってくるのです。母親からいつ自立し大人同士の関係に転換していくかがカギと言えます。

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心療内科医として、また産業医として、日々さまざまな相談を受けています。「ノーと言えない」「自信が持てない」「人と比べて落ち込む」「自分らしさがわからない」「嫌な上司がいる」「部下との関わり方が難しい」…寄せられた相談を1問ずつ解説して、気持ちよく生きるヒントをお伝えします。また仕事と家庭の両立、若さを失う不安など、女性男性に共通する悩みのほか日本社会特有の男性の悩み、女性の悩みも解説します。

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東京慈恵会医科大学卒業。同大講師を経て、1986年東京で日本初の女性クリニックを開設。2007年厚生労働省健康大使(~2017年)。2008-2010年、ハーバード大学大学院ヘルスコミュニケーション研究室客員研究員。2013年より日本医科大学医学教育センター特任教授。2018年昭和女子大学特命教授。復興庁心の健康サポート事業統括責任者(~2014年)。被災地調査論文で2016年日本ストレス学会賞受賞。日本生活習慣病予防協会理事。日本ポジティブサイコロジー医学会理事。医学生時代父親の病気のため歌手活動で生活費を捻出しテレビドラマの主題歌など歌う。医師となり中止していたジャズライブを近年再開。

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