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宇野昌磨選手と本田真凜選手に学ぶ?カップルの相性はコレが似るとうまくいく

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

■バックグラウンドが似た二人の相性は抜群

10月8日にフィギュアスケートのジャパンオープンが行われ、チーム・ジャパンが優勝を果たしました。五輪メダリストの宇野昌磨選手(24歳)は男子1位という輝かしい結果を残しつつ、「年々フィギュアスケートの技術レベルが上がっているのを体で感じています。そこにいつまでもついていけるように頑張っていきたいと思います」とストイックなコメントをされています。

そんな宇野選手は、9月にかねてから報道されていた本田真凜選手(21歳)との交際を発表したことが話題になりました。ジャパンオープンの直前で多忙を極めていたはずの時期に、あえて自ら“堂々の交際発表”に踏み切った形です。日本のアスリートでこういった発表をするのは珍しいケースですから、覚悟を感じる発表です。

公私ともに熱い宇野選手の本田選手とのマッチングのポイントは、お互いのバックグラウンドにあると考えます。婚活の視点を交えて考察します。

お2人の共通点は何と言っても幼少期から家族の協力が不可欠な競技に、長年打ち込んできた有名アスリート同士であるという点です。

報道では、2014年のアイスショー公演後の打ち上げでお互いの連絡先を交換し、2019年頃から交際がスタートしたそうです。本田さんの兄と宇野さんは同い年で、家族ぐるみの交流があるとも報道されています。本田さんは中学生、宇野さんは高校生の年齢から出会い、家族ぐるみの交際を進めてきたようです。フィギュアスケートのトップ選手の多くは、幼いころから限られた練習場で切磋琢磨してきた仲であることも多く、世界的アスリートとして国内外への遠征など、競技ならではの独特なカルチャーを理解できる点もマッチングとしては完璧です。

エリザベス女王の国葬で話題になった英国王室のウィリアム王子とキャサリン妃は学友として出会われ、友人として長い時間を過ごされたのちに結婚されたことで知られています。学友という共通点から、肩書きや立場を意識しすぎることなく、似たような試験や課題という目標を追うことで、お互いの価値観や考え方を共有でき、「共感できる、尊敬できる」とお相手の内面や将来性を見つめる基礎ができやすくなります。ご学友ではないものの、宇野選手と本田選手も、お互いが若くから活躍し同じ競技で成長するアスリート同士という立場で仲を深めた点で、近しい事例と言えるでしょう。

報道の通り、バックグラウンドが似ている二人が、お互い10代の頃から家族ぐるみのお付き合いをしてきたのであれば、それがまず素晴らしい点です。婚活では習い事や、兄弟との関係を事前にプロフィールとして聞き出すことがあります。これは、生い立ちや家庭環境、教育への関心度や経済的な面を知るのに役立つからです。

婚活においては、今までどんな環境で育ってきたのか、というバックグラウンドのすり合わせが非常に重要です。バックグラウンドから価値観が作られ、それぞれ違う価値観を上手くすり合わせていくのが、婚活であり、結婚生活です。

もちろん、お互いの価値観が違ったとしてもそれを婚活から新婚生活の期間でうまくすり合わせることができれば問題ありません。ただ、相手としっかりとコミュニケーションを取るためには、労力も時間もかかりますから、途中であきらめたり投げ出したりする人も少なくないので、似たバックグラウンドや相性のいいバックグラウンドをお持ちの方同士は、スムーズに縁談を進めやすい傾向があります。

また、宇野選手と本田選手はカフェデートで語り合う姿も報道され、宇野選手のYouTubeに出演した本田さんが「落ち込んだときに名言や染みる言葉をたくさん掛けてくれる」と語っていたことがあるとも報じられていました。

昨今の晩婚化で若者たちは、学校を卒業して社会人となってから10年近くの年月を独身のまま過ごすことが当たり前になりました。交際経験がある人すら少なくなって、外では社会の荒波にもまれ、1人暮らしの場合は家やプライベートでもたった一人で過ごし、経済的にも精神的にも孤独と戦うことになります。コロナ以降はさらにその傾向が強まった反動で、20代前半から婚活に踏み出す方が増加傾向です。

男女それぞれに「仕事で一人前になってから結婚」「結婚をしたら、仕事をセーブする」などの考えがありますが、実は反対に、早く結婚して仕事に集中する、という考え方もあります。若くして新しい家族を得ることで、経済的なリスクヘッジができ、家事を分担し、将来的な不安を分かち合うことで足元を固めやすくなる側面があります。

俳優の菅田将暉さんと小松菜奈さんがお互いを戦友と表現して話題になりましたが、一人で悶々と苦しい時間を過ごすより、明日も明後日も話の続きができて味方になってくれる……そんな将来を見据えたパートナーがいることは仕事のパフォーマンスも向上させてくれるものです。

■分かち合える、共感できる同業婚! オンオフの切り替えは難しい?

宇野選手と本田選手のマッチングの特徴として、バックグラウンドだけでなく現在も同業者であることも挙げられます。

婚活現場ではお互いの業種の違いというのはあまり重視されず、業種よりも収入や働き方、住まい選びや生活時間、休日の過ごし方、結婚後の家事・育児分担などのほうが重視されます。

とはいえ、多忙なお仕事の場合、相手の理解を得るのが難しいケースもあり、同業者同士に落ち着くケースもあります。例えば、女性は30歳産婦人科、男性は36歳救急の医師という、医師同士の婚活カップルを担当したことがあります。

医師と結婚したい女性は多いですが、多くは収入の高さ、ステイタス性など、憧れから入りがちです。しかし、実際に一緒に過ごしてみると、いつでも対応できるように待機している日も多く、やっとの休日にデートをしても急に呼び出されるなど、その実態を知ると、「自分は我慢できない、支えられない」と実感されるケースがあります。実際、この男性も会社員女性と交際していましたが、「思うように会えない、急なスケジュール変更についていけない」ということで決め切れず、交際終了となりました。そこで、次に会った同業者の彼女が、「もし急患があれば優先して。オフだと思って買い物にでも行くから大丈夫ですよ」と言ってくれたことで、気が楽になり、真剣交際へと縁談を進めることになりました。

これから本格シーズンとなる宇野選手。若くして堂々の交際発表に至るには迷いや葛藤があったことでしょう。報道が過熱し過ぎることなく、お二人の気持ちが尊重されることを祈っています。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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