なぜメジャーリーグは20年間連覇が無いのか!? 日本プロ野球も移籍市場の改革を!

(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 楽天からゼラス・ウィーラー選手、高梨雄平投手を獲得し、ロッテとは澤村拓一投手のトレードが成立。今季の巨人は積極的に移籍市場を活用している。

 チーム編成上の関係で在籍チームにはフィットできない選手も移籍をすれば、活躍の可能性がある。入団からチーム一筋の「生え抜き」が称えられる傾向が強い日本球界だが、巨人のトレード成功をみていると、他球団も活発に動いてもいいんじゃないかと思う。

 今季のペナントレース。セ・リーグは巨人、パ・リーグはソフトバンクが牽引している。巨人は昨季から監督に復帰した原辰徳さんが指揮を執って2連覇へ首位を独走。日本シリーズ3連覇中のソフトバンクもロッテとの首位争いを繰り広げる。両球団の強さは近年際立ち、他球団との戦力格差も広がっているように感じる。

 一方、メジャーではこの20年、ワールドシリーズを連覇したチームがない。連続優勝は、ヤンキースが1998年から2000年まで3連覇したのが最後。その後はジャイアンツが2010、2012、2014年と制覇し、5年で3回優勝したが連覇はない。

 日本は12球団、メジャーは30球団。球団数の違いはあるかもしれないが、そのこと以上に感じるのは、メジャーは「戦力均衡」を心掛け、どのチームにも優勝の可能性があるからこそ、ファンも盛り上がるという構造だ。

 たとえば、メジャーではトレードで主力選手を獲得したとき、新人獲得のドラフト指名権を"交換要員"として譲渡する制度がある。主力が抜けたチームは新たに主力になる有望選手を獲得できるわけだ。また、2003年からは、選手の年俸総額が一定の金額を超えたチームには超過分に課徴金を科す「ぜいたく税」を支払うルールが設けられている。

 そんなメジャーでは、移籍市場も活発だ。チームは3年経てば、良くも悪くも全く別のチームになる。私が在籍した当時のレッドソックスはワールドシリーズを制した2013年から一転、翌年は主力の移籍もあってア・リーグ東地区最下位に低迷した。それだけ移籍が茶飯事なのだ。そして、毎年、違うチームが優勝することでファンも多いに盛り上がる。

 日本球界のFAでも、移籍した元球団へ金銭補償や人的補償が必要になる場合がある。しかし、もっと大胆でも良いと思う。例えば、巨人がFAですごい選手を獲得した場合、人的補償で選手を3人、4人渡すとか、ドラフト指名権を譲渡してもいいのかなと思う。ドラフトでの逆指名や自由枠は導入せず、そこはフェアにする代わりに、指名権の譲渡やぜいたく税を導入してみてはどうか。

 補強資金が少なかったり、成績の低迷したりするのは、球団経営の努力が足りないという指摘もあるだろうが、オーナー企業の資金力の差は簡単に埋められるものではない。日本でも、育成選手を獲得し、3軍にも立派なスタジアムやトレーニング環境を整えたソフトバンクの選手育成は素晴らしいが、やはり資金があってこそともいえる。人気が高く、在京で補強資金も豊富とあって多くの選手が移籍する巨人も恵まれている。

 私自身、新人で入団した最初の巨人時代は「移籍が活性化すればいい」とか「戦力均衡になればいい」という考えには至らなかった。毎シーズン、優勝を目指し、優勝できる戦力もそろっていた。実際、1999年から2008年まで在籍10年で4度のリーグ優勝を経験させてもらった。プレーしている自分としてもそんなチームで投げることが楽しかった。そして、戦力で劣るチームのファンも、巨人を倒すことに醍醐味があるのだろうと思っていた。

 しかし、メジャーを経験し、多くの球団が優勝できる可能性があるほうが、やはりおもしろいんじゃないかと思うようになった。そのための一つが移籍市場の活性化、仕組み作りなのではないだろうか。そのあたりをユーチューブ動画「澤村トレードの裏側!上原との秘話を明かします」の中でも語っているので、ぜひご覧いただきたい。