4年ぶりのJ2を戦うギラヴァンツ北九州 ダービー開幕に必勝誓う

選手たちに声を掛ける小林伸二監督(中央)=筆者撮影、この記事の他の写真も

 明治安田生命J2リーグが2月23日に開幕する。レノファとギラヴァンツの2チームの開幕戦を監督や主軸の選手たちの言葉で展望する本稿。後編はギラヴァンツ北九州編。(前編ではレノファ山口FCを取り上げました

チーム一丸で勝利へ

 昨シーズンのJ3で優勝し、4年ぶりにJ2の舞台に戻ってきたギラヴァンツ北九州。ミクニワールドスタジアム北九州(ミクスタ)で迎える開幕カードはアビスパ福岡とのダービーマッチとなった。チケットはすでに完売で、白熱の試合になるだろう。

島原キャンプで練習する選手たち
島原キャンプで練習する選手たち

 ギラヴァンツは今年は1月14日に始動。小林伸二監督の郷里に近い長崎県島原市で1次キャンプを行い、クラブとして初めて行った沖縄での2次キャンプでJ1の3チームと練習試合を行った。

 浦和レッズとは45分ゲームを4本行って3-9、川崎フロンターレとは同3本を行って1-5、名古屋グランパスとは同じフォーマットで1-6といずれも苦杯をなめている。ただ、小林監督は「守って失点が多いわけではなく、押し込んで、相手と変わらないくらいにチャンスを作れている」と振り返り、一定の評価ができるゲーム内容にはなった。実力差を差し引けば、順調に仕上がってきていると言えそうだ。

 キャプテンにはMF川上竜を指名した。川上はJ3福島ユナイテッドFCから移籍加入した2018年にもキャプテンを務めており、就任は2年ぶり。小林監督は「トレーニングでは必ず先頭に立っている。我々がチャレンジするには先頭で引っ張る選手がいる」と川上の動きに期待を寄せ、必勝祈願が行われた2月11日に任命した。

 その川上はアビスパ福岡のユース出身で、くしくも開幕戦が福岡戦となった。川上にとって初のJ2ゲームが福岡戦だというのも一つの縁だろう。2月20日の練習後、川上は決意を語った。

 「福岡は個人的には小さい頃から試合を見に行っていたチームで、ユース時代にプレーさせてもらった。成長した姿を見せられるようにやっていきたい。福岡は実績のある選手が多く、個人のところでは少し劣っていると思うが、自分たちは組織力で戦っていきたい」

福岡とのダービーは5年ぶり

 ところで、ギラヴァンツが対福岡戦で初勝利を挙げたのが2012年8月のJ2第29節だった。4-2で福岡に勝利しているが、この試合で端戸仁のアシストから先制点を挙げたのが北九州市出身のFW池元友樹。昨シーズンも全試合に出場するなど、34歳になった今も絶好調のストライカーだ。所属するカテゴリーが異なったためダービーの開催は5年ぶり。池元は「個人的にもすごく楽しみだ」と気持ちを高め、さらに続ける。

 「ダービーは回数を重ねるごとに雰囲気を作っていかないといけないし、そういった独特の雰囲気も感じ取ってもらえるような素晴らしいゲームにしたい。最高の雰囲気に見合った熱い試合を見せられるようにいい準備をしていく。開幕戦がアビスパというのは最高の相手。勝利を目指してやっていきたい」

小林伸二監督は今シーズンもアグレッシブなサッカーを目指す
小林伸二監督は今シーズンもアグレッシブなサッカーを目指す

 もちろんJ3時代の顔ぶれが多く残ったギラヴァンツと、FWフアンマ・デルガドやFW城後寿などフィジカルにも強みがある選手をそろえ、分厚い選手層を誇る福岡では単純な戦力値では開きがある。池元も城後の名前を挙げ、「難しい試合にはなると思う。城後はチームをしっかり思いながら長年プレーしている選手。勢いづかせないようにしないといけないが、対戦は楽しみ」と話す。

 池元はJ2でも実績十分だが、チーム全体ではJ2未経験の選手が大半を占める。経験の差が勝負に影響する可能性があり、小林監督は「いい入りと悪い入りの二つの考えを持っておくということが必要がある」と述べ、若手の動揺を抑えて「うまく試合を進めてあげたい」と話した。

 逆に言えば、萎縮さえしなければ、高いライン設定と組織的なボールポゼッションでゴールに迫るスタイルを見せられるはずだ。「昇格請負人」と評される指揮官は今季の目標を一ケタ順位と定め、「積極的に前に仕掛けるサッカー」の継続を誓う。

 得点数も失点数も少ない手堅いリーグに、アグレッシブなサッカーで風穴を開ける覚悟を示す2020年のギラヴァンツ北九州。「チーム一丸となってチャレンジし続けたい」(池元)。1万5千人の大観衆が見つめる中、黄色い戦士たちの一体となった躍動が勝利を引き寄せる。

 ゲームは2月23日午後1時半キックオフ。チケットは完売となっているが、開幕戦はDAZN(ダゾーン)のほか、NHKテレビ(北九州局・福岡局)とKBCラジオで生中継される予定だ。