【全日本ロードレース】サバイバル予選を実施!時速300kmオーバーの王座争い!

4連覇に挑む中須賀克行(ヤマハ)

国内サーキットを転戦するオートバイレース「MFJ全日本ロードレース選手権」は10月31日(土)、11月1日(日)に鈴鹿サーキットで最終戦「MFJグランプリ」を迎える。最高峰クラスの「JSB1000」に加え、全4クラスの開催ということで、今年も最終戦は2輪レースファンにとって見逃せないイベントになりそうだ。

JSB1000クラス 【写真:MOBILITYLAND】
JSB1000クラス 【写真:MOBILITYLAND】

そんな中、メインレースとして開催される「JSB1000」クラスは最終戦でおなじみとなった2レース制が採用されるだけでなく、予選は今季、ツインリンクもてぎでの大会でトライされた新予選方式をアレンジした予選でショーアップを図る。

TOP10サバイバル予選から緊張が続く週末!

「JSB1000」最終戦の予選方式はトップライダーたちによる「TOP10サバイバル予選」なる方式だ。最終戦「MFJグランプリ」は今季ポイントを獲得した選手だけが出場できるため、最終戦のエントリーは全28台。

28台がまず、10月31日(土)の午前中に開催される「ノックアウト予選Q1」(40分間)に出場する。その結果を元に11位以下はQ1で敗退。翌日の決勝レース1、レース2共に11位以下のライダーはQ1のタイムに基づいたグリッドからスタートすることになる。また、Q1で「TOP10サバイバル予選(Q2)」に進出を果たした上位10台はQ1のタイムでレース2の順位が決められる。そのため、Q1から気が抜けないアタック合戦となる。

中須賀克行(ヤマハ)
中須賀克行(ヤマハ)

そして、Q2となる「TOP10サバイバル予選」は10月31日(土)の午後に開催。この順位で翌日のレース1の上位10台のグリッドを決定する。予選方式はツインリンクもてぎ大会の時と若干異なり、全10台が一斉にコースインし、計測1周ごとにタイムが遅い順から2台ずつノックアウトされ、最後の2周は上位2台によるポールポジションをかけたタイムアタック合戦となる。

通常の計時予選では新品タイヤを履いてタイムアタックするタイミングが異なるため、観戦するファンにとっては各ライダーの順位がわかりづらいが、この予選方式は誰が速いタイムを出して最後まで残っているのかが一目瞭然で、コースインからファイナルラップまでライダーたちと共に緊張感を持って楽しめるのもメリットと言えるだろう。

決勝2レース制、ヤマハワークスの中須賀が逃げるか?

「TOP10サバイバル予選」は連続した周回で行われるため、決勝レースのシミュレーション的な要素にもなる。タイムアタック合戦であるため、不用意なバトルは行われないものの、決勝レースを見据えたペースを推し量ることができそうだ。ちなみに決勝はレース1が極端に短い10周、レース2は「JSB1000」ならではのロングレースの20周と変則的なフォーマットになっている。

そんな中、「TOP10サバイバル予選」からガンガン行きそうなのが、今季4年連続王座の新記録に挑む中須賀克行(なかすが・かつゆき/YAMAHA FACTORY RACING TEAM)。3年連続のチャンピオンに与えられたマシン、新型YZF-R1はMotoGPマシン由来の電子制御で武装された、まさに「新世代」のマシン。シーズン開幕当初はその開発に苦労があったものの、あっという間にその高いポテンシャルを見せつけ、5連勝の快進撃だ。全日本ロードレースに留まらず、鈴鹿8耐でもパーフェクトなポールトゥウインを飾るなど、ワークス体制になったヤマハの中須賀は2位以下に40点の差をつけて、チャンピオンに王手をかけている。

高橋巧(ホンダ)
高橋巧(ホンダ)

その中須賀を追うのがホンダのエース、高橋巧(たかはし・たくみ/MuSaShi RT HARC-PRO)。ポイント差はかなり大きく、自力での逆転は非常に難しい状況だが、今年はMotoGP日本グランプリにスポット参戦しポイントを獲得するなど、走りの安定感と勝負強さで既にベテランライダーの風格さえ出てきているだけに、予選から一矢報いて欲しいところ。ここはひとつ開き直って今季ベストレースとも言える走りを期待したい。

今大会注目は野左根を代表とする若手ライダー

チャンピオン争いは中須賀が優勢で迎える最終戦「MFJグランプリ」。王座争いに加えて注目したいのが、近年「JSB1000」に数多くステップアップしてきた若手ライダーたちだ。シーズン全体を見れば、同クラスの経験が豊富なライダーたちに席巻されてきた印象だが、若手ライダーたちは今季とても頑張っている印象だ。

野左根航汰(ヤマハ) 【写真:MOBILITYLAND】
野左根航汰(ヤマハ) 【写真:MOBILITYLAND】

その中で注目はやはりヤマハのジュニアチーム的存在の「YAMALUBE RACING TEAM」のライダーに抜擢された野左根航汰(のざね・こうた)。若干19歳で最年少のライダーながら、今季は3度の3位表彰台を獲得するなどして、堂々のランキング3位につけている。チャンピオン争いにも僅かながら残っているが、それ以上に彼の際立つ速さが鈴鹿で披露されることを期待したい。

かつて、鈴鹿のWGP日本グランプリで海外のトップライダー相手に衝撃的な走りを見せ、後にグランプリライダーとして活躍したノリックこと阿部典史(あべ・のりふみ)のチーム出身である野左根。日本のロードレース界に彗星のごとく現れたノリックのように、鈴鹿で光る走りを見せることができれば、来季の鈴鹿8耐出場、そして来季からヤマハが挑戦するスーパーバイク世界選手権への出場など将来のチャンスは大きく広がっていくに違いない。まだ経験値は少ないものの、超スプリントレースとなる10周のレース1はトップ争いに絡んでくるはずだ。

雨ならば、無双の秋吉が来る!

「MFJグランプリ」が開催される週末は天気予報がコロコロと変わりやすい。10月27日(火)の昼時点では天気予報に雨マークも現れ始めた。雨のレースとなれば不確定要素が増えるので、チャンピオン争いもより緊張感溢れる状況に変貌する。

秋吉耕佑(ホンダ)
秋吉耕佑(ホンダ)

そんな中、ウェットコンディションで最も際立つ速さを見せるのが、今季から「au & Teruru Kohara RT」に移籍し、ダンロップタイヤを履くベテラン、秋吉耕佑(あきよし・こうすけ)の存在だ。同じホンダCBR1000RRでも昨年までのファクトリーマシンではなくプライベーター仕様のバイクに乗るため、今季はベストリザルトが5位と苦しんでいるが、鈴鹿8耐のテスト時にも明らかになったようにウェットコンディションでの秋吉はまさに神のごとしの速さを持つ。ファンにとっては秋晴れの中のレースが望ましいが、秋吉にとってはフルウェットになればニンマリな状況になるだろう。

全日本ロードレース「JSB1000」クラスは国内4大メーカーのバイク、外国車、そしてブリヂストン、ダンロップというタイヤも異なるマルチメイクのコンペティション。さらにライダーも大ベテランから19歳の若手までラインナップは個性豊かでバラエティ豊富。様々な要素が絡み合う最終戦を制するのは誰か?

【関連リンク】

MFJグランプリ公式サイト(鈴鹿サーキット)