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愛子さまの国際親善デビュー! 会話も弾む「令和流おもてなし」とは?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
ケニア大統領夫妻との午餐に臨まれた皇后さまと愛子さま(写真・毎日新聞社/アフロ)

純白のクロスがかけられた大型のダイニング・テーブルが置かれた、皇居宮殿「連翠(れんすい)」に、ひときわ華やかで和らいだ雰囲気を醸し出したのは、オフホワイトの上品なスーツ姿で着席された愛子さまだった。

2月9日、公式実務訪問賓客として訪日した、ケニア共和国大統領、ウィリアム・ルト氏を招いての午餐(ごさん)が催され、皇室からは天皇皇后両陛下と秋篠宮皇嗣殿下、そして愛子さまの4人が出席された。

当初、秋篠宮妃紀子さまが出席予定であったが、体調を崩されやむなく欠席されたので、賓客の接遇という重要な役割を担って愛子さまに白羽の矢が立ったという。

愛子さまの公式の午餐への出席は、今回が初めてであり、まさにデビューと言っても過言ではない。

ただ、御所を訪れる外国からの賓客と、高校1年生の頃から両陛下と並んで懇談されてきたことから、愛子さまの国際親善の経験値は、かなりのものであるようだ。

今回も、見ているだけで心が和む愛子さまの表情もさることながら、通訳なしに会話をされている姿は、とても頼もしく初々しい笑顔にあふれていた。

それにしても、愛子さまの、気負いもなく臆することもなく、あくまで自然体で接する姿は、どこからくるのだろうか?

◆プライベート感満載の午餐

外国の国家元首や国王が国賓として訪日すれば、格式ばった宮中晩餐会が催されるが、今回はケニアの国家元首であるものの、国賓ではなく「公式実務訪問賓客」と言って、政治的な実務を政府と協議する目的で訪日した。

その位置づけは国賓や公賓に準ずるため、晩餐会ではなく、昼食をともにする午餐となったのだ。

外国の要人との親善の場として、この午餐は公的な行事とは言え、アットホームな雰囲気にあふれ、愛子さまもすんなりと入っていけたのではないだろうか。

皇室解説者の山下晋司さんは、午餐の雰囲気をこう話す。

「『公式実務訪問賓客』として来日した外国元首に対する皇室の接遇は、通常『御会見』と『午餐』です。午餐は人数が少ないですし、ドレスコードも晩餐のように厳しくはありませんので、カジュアルな雰囲気でお話も弾むのではないでしょうか」

愛子さまが見せてくれた柔らかな笑顔は、どこか我が家で行われたお食事会のような、内輪の催しといった雰囲気が生んだものなのかもしれない。

◆愛子さまはどんなお話をされたのか

愛子さまが着席されたのはルト大統領の右隣の席で、雅子さまとお二人で大統領を挟むように座られた。愛子さまのすぐ横にはケニアのミアノ投資貿易担当大臣が座り、映像を見るかぎり、愛子さまはこの大臣と親しげに話されていた。

どんなことを話されたのだろうか。来月に大学生活を終えられ、春から社会人となること、あるいは両陛下にケニアのことを聞いていることなど、話題にされたのだろうか。

「宮中晩餐は国賓と皇室の方々など、VIPが一本のメインテーブルの片側に並びます。午餐のテーブルはひとつだけですが、そこに向かい合わせで座りますから、左右だけではなく向かい側の人ともお話しできると思います。話題はお互いの国の文化や芸術から、趣味や家族のことなど、多岐にわたると思います」(山下さん)

愛子さまはケニアの公用語でもあるスワヒリ語で、ルト大統領に挨拶され、「とても上手ですね」と感心されたという。通訳もほとんど介在せずに、自ら英語でコミュニケーションを図っていた点も、まさに令和流と言えるのではないだろうか。

「昨年から午餐で、前菜に和食を提供したり、日本酒で乾杯したりといった新しい試みが、令和流のおもてなしと言われました。今後、先方国が希望すれば、メインの食事が日本食ということもあるかもしれませんね」(山下さん)

今回の午餐で愛子さまは、ルト大統領から「ぜひケニアに来てください」と訪問を促されたという。

東アフリカの玄関口であり、野生動物が生息する広大なサバンナを有する国。

動物好きな愛子さまにとって、それはリアルな憧れを募らせる場所であり、いつかきっと訪れたい国の上位になられているのかもしれない。

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放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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