Yahoo!ニュース

“大学生”愛子さま、最後の夏休みをどう過ごす? 警備体制について識者に聞く

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
愛子さま(写真:毎日新聞社/アフロ)

この夏、愛子さまは大学生活最後の夏休みを過ごされる。お友達の中にはようやくコロナ禍も開け、国内外へ旅行に行ったり、海や山へとバカンスを楽しんだり、学生時代最後の思い出作りを満喫する人も少なくないはずだ。

果たして愛子さまは大学生活最後の夏に、どんな思い出作りができるのだろうか?

皇室解説者の山下晋司さんに聞いた。

◆愛子さまの“普通の大学生活”は高いハードル?

愛子さまはこの春から学習院大学への通学が可能となり、それに伴ってお友達との交流の機会も増えていらっしゃることだろう。

気になるのは、愛子さまがお友達と気軽にキャンパスの外で、ゴハンに行ったり、お茶をしたり、あるいは居酒屋に繰り出して、“普通の大学生”としての楽しみ方ができているのだろうかという点だ。

その辺りを山下さんにズバリ聞いてみると…。

「今の陛下も大学生の時に友人と居酒屋に行ったり、サークルの仲間と食事に行ったりされていましたから、行かれること自体は問題ありません。ただし、いつ、どこに、誰と行くのかを事前に皇宮警察に知らせておく必要はあります。事前にわかっていれば、皇宮警察も地元警察も警備上の対応は可能です。ですから、急にお友達やゼミ仲間と居酒屋などに行くというのは難しいと思います」

突然、お友達とこれからゴハンに行こうよという話になっても、あらかじめ警察に伝えていないお店に行くのは、警備をする上で問題が発生する可能性があり、一般の人に迷惑がかかることも想定されることから難しいというのだ。

では、どのくらい前に、警備関係者へ報告していれば良いのだろうか?

「どのくらい前ならいいのか、というのは難しいですね。例えば目白の学習院大学の近くでしたら、目白警察署が当日の周辺警備を行うでしょうし、皇宮警察は行かれるお店を事前に訪ね、店内の様子を把握し、護衛の配置などを決めるでしょうが、そうした段取りに要する時間はお店や時間によって違うでしょう。ケースバイケースとしか言いようがありませんね」

宮家の皇族方だと通常の警備は数人程度だが、天皇家の内親王である愛子さまだと、警備の数も多くなるという。

しかも愛子さまは日本中に顔が知られているので、ふらっとお店に行くと、そこにいるお客さんたちが驚くばかりか、中には芸能人のようにサインを求めたり、写真を一緒に撮ろうとしたりする人も出てこないとも限らない。

警備は危険防止以外にも、混乱を招かないように配慮する役目もあるのだ。

◆事前の準備は愛子さまにとって心の負担?

愛子さまが望まれるのであれば、事前に連絡の上、お友達と居酒屋に行くことは問題ないが、極力目立たないように警護すると言っても、やはり、一般人とは違うオーラを纏う私服警官が何人もお店の中にいるのは、異様な光景に映る。

「お店側にしても、ちょっとそれは困るのではないでしょうか。皇宮警察も警視庁も一般の人の迷惑にならないように気は使いますよ。ただ、愛子内親王殿下もそうした状況は分かっておられるでしょうから、お友達と一緒に外食というのはためらわれるのではないかと思います」

愛子さまの希望は叶えられないわけではないものの、そのために多くの人が気を使うような状態は、愛子さまにとっても心の負担にしかならず、結局は難しいのかもしれない。

ただ、こんな方法もあると山下さんは教えてくれた。

「愛子内親王殿下が行かれるお店に個室があれば、警備もやりやすいでしょう。一般客の目に触れる機会も少なくなります。そこで気の置けないお友達とおいしいものを召し上がりながら、”恋バナ”で盛り上がるというのもいいですね。愛子内親王殿下は『普通にしてほしい』というお気持ちがおありかもしれませんが、お立場を考えるとそうもいきません」

陛下が大学生の時には、ゼミ旅行で地方へ行っていたと聞く。佳子さまはICUに入学後、合宿に参加されたり、小室眞子さんは学生時代にスキー部の合宿に出かけたりしていた。

愛子さまの場合も、そうしたご旅行に出かけることはできるのだろうか?

「お友達と居酒屋などに行けるのかどうかという疑問の答えと同じで、事前に皇宮警察に伝えておけばいいのであって、ダメということはありません。愛子内親王殿下はコロナで3年間、普通の大学生としての日々が送れなかったので、大学生活の締めくくりとして、お友達と3泊とか4泊とかの日程で、どこかに旅行していただきたいですね。世の中の普段の様子をご覧になる良い機会にもなります」

両陛下や宮内庁、警備関係者など、周囲の人びともまた、愛子さまの2度と来ない青春の1ページに、お友達との楽しい思い出を刻んでほしいと願われているはずだ。

そのためにも、遠慮なさらずに夏休みの間だけでも、行きたかった場所を訪ね、やりたいと思っていたことをできるだけ実現して、いつまでも心に残る日々を過ごしていただきたいものだ。

「『夏の思い出』をお歌に?皇室のお歌ご指南役が語る『愛子さまとお歌』」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230724-00358446

「両陛下の『お歌』ににじみ出るお人柄 令和になってからの『変化』とは?」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230725-00358452

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

つげのり子の最近の記事