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愛子さまは絶品イチゴを収穫 御料牧場で天皇ご一家がご静養 「貴賓館」にも迫る

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
御料牧場で静養された天皇ご一家(写真・毎日新聞/アフロ)

天皇ご一家は今月5日から10日にかけて御料牧場で静養され、久々に自然の中でくつろいだ時間を過ごされた。

ご滞在中、新たな命が生まれる出来事があった。牧場の空に美しい虹がかかった直後、子牛が誕生し、自力で立ち上がるまでの様子をご一家で見守られたという。愛子さまはこの子牛に、虹にちなんで「レインボー」と名付けられた。

ご一家で毎日、牧場内をめぐって、動物と触れ合ったり、野菜を収穫されたりなど、滞在中のご様子が報じられたが、素朴な疑問として、どのようなところに泊まられたのだろうか?

そこで、天皇ご一家が御料牧場で宿泊された建物について調べてみた。

◆天皇ご一家が泊まられた「貴賓館」とは?

そもそも御料牧場は、東京ドーム約54個分の広さで、宮中晩さん会などで振る舞われる料理や、皇室の方々が日常召し上がる食材を生産する場所として知られている。

愛子さまは生後5か月の時、ご両親とともに初めて御料牧場へ。この時、雅子さまに抱かれた愛子さまは、大きな牛に少しも物怖じせず近づこうとし、牛の鼻に触れた瞬間、はしゃいでいらっしゃった。この場所から、動物好きが育まれていったのであろう。

愛子さまの誕生以来、ご一家が御料牧場で静養されるのは、今回が14回目である。いつも天皇ご一家は御料牧場でどこに泊まられているのだろうか?皇室解説者の山下晋司さんに聞いた。

「天皇ご一家が宿泊されるのは、貴賓館です。この建物は、外国の賓客や天皇陛下をはじめ皇室の方々がお越しになった時のために作られました。広さは御用邸に比べて小さく、葉山御用邸本邸の3分の1くらいの広さです。平屋の建物で、宮内庁職員などが使う宿泊棟と渡り廊下で繋がっています」

御料牧場 貴賓館(Google Earthより)
御料牧場 貴賓館(Google Earthより)

写真の右側に位置するL字型の建物が皇室の方々が宿泊される貴賓館、上部の長方形の建物が宮内庁職員の人たちが使う宿泊棟だという。貴賓館の部屋数やどういった部屋があるかは明らかにされていないが、山下さんはこんな指摘をする。

「天皇陛下は国事行為として、火曜と金曜に、書類に署名や押印を行うなどご執務をされます。外国訪問中などは臨時代行を委任されますが、国内ではご静養中も、内閣府が書類を持ってきます。今回のご静養中も、天皇陛下は4月7日金曜にご執務をされましたから、貴賓館にはデスクワークができるスペースがあるのでしょうね」

◆天皇ご一家と貴賓館

天皇ご一家は、愛子さまが学習院初等科に入学される前の年から、毎年、御料牧場で静養されるのが恒例となっていた。しかし、初等科4年生になった年から4年間は訪問されていない。

この理由を山下さんは…

「2011年の東日本大震災で御料牧場は大きな被害を受けました。被害を受けた建物は改修か建て替えかを調査、検討し、貴賓館は改修となりましたが、4年近く使用できませんでした」

改修工事が終わり、再び天皇ご一家が御料牧場で静養された時には、愛子さまは学習院女子中等科2年生になられていた。ご家族で震災の被害に思いを巡らせ、牧場内を感慨深く見て回られたことだろう。

今回のご静養は、コロナの影響でまたしても4年間訪れることができず、世の中が落ち着きを取り戻しつつある中で、ようやく実現した。愛子さまは両陛下とゆっくり過ごされながら、動物たちの命の営みに触れ、作物の実りに心を寄せられたことだろう。

◆愛子さまが収穫された、御料牧場の絶品イチゴ

御料牧場にご滞在中、ご一家が召し上がった食事についても興味がわく。これについても山下さんに聞いてみた。

「御用邸でのご静養には、宮内庁大膳課の料理人が同行しますので、今回も同じように同行したと思われます。普段のお食事でも御料牧場の生産品は召し上がっていますが、”採ったその場で”というのは、御料牧場滞在中のお楽しみのひとつでしょうね」

ご滞在中、愛子さまは、牧場の畑でイチゴやアスパラガスなどを収穫された。中でもイチゴの生産量が日本一である栃木県に御料牧場があるためか、山下さんによると、そのイチゴは“びっくりするほどの美味しさ”だとか。

イチゴ畑のイメージ(写真・イメージマート)
イチゴ畑のイメージ(写真・イメージマート)

愛子さまはイチゴがお好きなので、旬は少し過ぎているかもしれないが、その場で召し上がったかもしれない。

天皇ご一家にとってこの牧場は、ご家族の思い出が詰まっている大切な場所なのだ。

「ついに発見!愛子さま成年のボンボニエール その珍しい特徴とは?」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230417-00345019

「愛子さまへとつながる皇室独自の文化 「ボンボニエール」の130年」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230415-00345013

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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