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ドイツ在住のプロ演奏家。22年間の結婚終了の原因は前妻のモラハラです~おみおじリポート(158)~

大宮冬洋フリーライター
ヨーロッパでもヤフーニュースを見られた時代からの読者。婚活開始です。(本人提供)

東京藝術大学、都内の交響楽団、ドイツのオーケストラ…。音楽エリートの華麗なる経歴

※2023年9月8日追記。山下さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。残念ながら結婚につながるような出会いはオネットではご紹介できませんでしたが、彼の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 結婚に恋愛感情は必要ない、とよく言われます。確かに結婚とは生活そのものなので、ドキドキワクワクするような恋愛が続くわけではありません。その代わりに重要なのが相手への敬意だと感じています。経済的に恵まれていたとしても、人として尊敬できない相手との結婚生活は不幸なものになりがちだからです。

 ドイツ在住の演奏家、山下基之さん(仮名、56歳)は昨年離婚したばかり。理由は前妻のモラハラだけど、3人の子どもたちは嘘を並べる前妻の言葉を信じてしまった、とのこと。なかなかハードな経験をしていますが、その前に山下さんの華麗な経歴を確認しておきましょう。

「関東地方の公立進学校から東京藝術大学に進学し、都内の交響楽団に3年ほど所属してからドイツに来ました。ここはクラシック音楽の本場です。120以上のオーケストラがあり、州などの自治体が運営しているために潤沢な資金があります。その良い待遇とハイレベルな演奏環境を求めて世界中から音楽家が集まってくるのです」

 淡々と、しかし自信たっぷりに語る山下さん。彼自身、オーケストラの1つと月1回は協演する契約を結んでいて、その他にも様々なオーケストラから声がかかるのだそうです。腕っこきのフリーランサー、ということですね。

森を愛するドイツの人々。「遠出をするまでもなく町外れまで行くだけで、3時間程度の山歩きを楽しめ、日常から完全に解き放たれます」(本人提供)
森を愛するドイツの人々。「遠出をするまでもなく町外れまで行くだけで、3時間程度の山歩きを楽しめ、日常から完全に解き放たれます」(本人提供)

「他人との駆け引き」が得意な女性。頼もしさを感じて結婚したのが間違いでした

「今後も体力の許す限りはドイツで仕事がしたいと思っています。海外での生活は見分が広がるのでお勧めです。もちろん、私と結婚して一緒に住んでくれる方には仕事探しから生活に馴染むことまでをフルサポートします」

 もう一度結婚して、子どもを作って育てたいという強い意思がある山下さん。すでに50代半ばですが、若々しくて実力も十分な彼ならば実現可能な気がします。ただし、離婚という「失敗」を振り返ることは必須です。前妻さんのモラハラが理由ということですが、彼女からは「家庭内暴力」を指摘されたとのこと。本当ですか?

「完全にでっち上げです。私は精神的な部分も含めて暴力なんて振るっていません。むしろ、感情的になってモノを壊したりするのは前妻のほうで、私はそれをなだめる役割でした」

 山下さんによれば、ドイツで出会った日本人女性である前妻は「他人との駆け引き」が得意なのだそうです。ケンカ上等な人ってどこにでもいますよね。どこか浮世離れしたところがある山下さんはそこに頼もしさを感じて結婚。用心棒を雇うような気持ちだったのでしょうか。その点は反省しているようです。

「実は、周囲からは『彼女と君はハタケが違うんじゃないか』と指摘されていたのです。結婚生活を続けていればお互いに歩み寄れると思っていましたが、実際にはどんどん乖離してしまいました」

 僕も離婚経験者で、前の結婚に関しては山下さんと同じような感想を持っています。価値観が根本的に異なる相手との結婚はお互いに不幸ですよね……。

具沢山の麻婆豆腐。「日本から持ち帰った重慶飯店のレトルトに、栄養重視のため目一杯具を入れます。筋トレに必要なのです」(本人提供)
具沢山の麻婆豆腐。「日本から持ち帰った重慶飯店のレトルトに、栄養重視のため目一杯具を入れます。筋トレに必要なのです」(本人提供)

知識と論理的な思考を大切にしている私。勤勉で知性的な女性と再婚したい

「私は謙虚に知識をたくわえて、論理的な思考をすることを大切にしています。この社会を生きていくためにはやはり勉強は大切です。子どもたちにも10歳ごろまでは勉強の習慣はつけるように教育し、上の2人は今では大学生になり家を出ています。下の子は日本でいう高校生で、前妻と暮らしているようです」

 10歳以降は子どもたちの自主性を尊重したし、そのおかげで3人とも優秀に育っていると山下さんは主張します。でも、本当に優秀ならば3人全員が前妻の嘘を信じるという事態にはならなかったのではないでしょうか。山下さんは10代20代のうちは母親の影響が強いので無理だと反論します。

「30歳ぐらいになったら本当のことがわかるようになるかな、と諦めているところです。下の子が18歳になるまでの2年間は養育費を払う義務はありますが、それ以外に子どもたちとの交流はありません」

 山下さんの言う通りなのかもしれませんが、子どもに無償の愛をちゃんと注いでいなかった結果とも言える気がします。少なくとも子どもたちは山下さんから温かさを感じていなかった、ということでしょう。「勉強ができる人」を育てるだけが親の役割ではないと、僕は思います。「子どもの教育もしっかりやってきたし、家事にも参加してきた自負がある」と胸を張る山下さんですが、その点も少し反省してください。そのうえで「勤勉で知性的なパートナー」と再婚すれば、今度こそ温かい家庭を作れるはずです。

胚芽入りトーストにカマンベールチーズをたっぷり塗って。乳製品が激安のドイツだからこそできる贅沢で、何種類もあるチーズを楽しめるそうです。(本人提供)
胚芽入りトーストにカマンベールチーズをたっぷり塗って。乳製品が激安のドイツだからこそできる贅沢で、何種類もあるチーズを楽しめるそうです。(本人提供)

不妊治療にチャレンジする意志がある40代前半の女性ともお見合いできますか?

 僕からのやや不躾な質問と注文に対して、穏便かつ的確に答える山下さん。そのやりとりを黙って見ていたマチコ先生が口を開きました。

「山下さんは見た目も雰囲気があって素敵だし、とても知性的です。オネットには向上心がある高学歴の女性が多いので、お見合いしたい人もいると思います。ただし、離婚歴のある芸術家なので気難しいのではと不安になるでしょう。何かこだわりや怒るポイントはありますか?」

 いい角度の質問ですね! 山下さん、メールとZoomでの面談だけではわからない地雷のようなものがあれば教えてください。

「音や音楽にはこだわりがあります。だから、ドイツに住み続けていると言ってもいいでしょう。でも、生活面では公立高校育ちの普通の人間です。家族の生活音はもちろん気になりません(笑)。声を荒げたり、理不尽なことを言ったりもしません。私はクラシック音楽界では名前が通っております。つまり、逃げられません。私のほうからおかしな詐欺行為などは絶対にできない安心感があります」

 うーん、なるほど。確かに山下さんの本名でネット検索をすると、ご本人が出演したコンサートの記事やチラシなどがたくさんヒットします。お友だちも多くて、朗らかな人柄のようです。

「わかりました。私は山下さんを信じます。そこでお聞きしたいのですが、子作りにチャレンジする意志があれば40代前半の女性とでもお見合いできますか。私自身、不妊治療をして43歳で息子を出産しました。山下さんが再婚する可能性を少しでも大きくするために相手の年齢幅は広げておいてほしいです」

 マチコ先生の要望に山下さんは快諾。「子どもが産める年齢の女性との出会いを求めているのは、決してエッチな意味ではありません」と言い添えました。正直な人だな……。

「私は健康には自信があり、持ち家もあり、経済的にも問題はありません。そもそもドイツは小学校から大学までの教育費は無料なので、子どもは育てやすい環境です。こんな私を理解して信じていただき、ドイツで暮らしてもいいという方はぜひお見合いしてください」

 なお、チャレンジしても子どもができなかったときは、夫婦二人で楽しく健やかに生きていきたいと思っているそうです。国内だけでなく海外在住の女性読者も反応してくれる気がします。その出会いのお世話は日本にいる僕たちが担当するのです。オンライン時代の面白さを感じています。

ビタミン補給用に食べたオレンジの皮を有効利用したコンポート。「プレーン・ヨーグルトと混ぜることを前提に、甘めに煮ました。目が醒めるような鮮烈な味に仕上がり大満足!」(本人提供)
ビタミン補給用に食べたオレンジの皮を有効利用したコンポート。「プレーン・ヨーグルトと混ぜることを前提に、甘めに煮ました。目が醒めるような鮮烈な味に仕上がり大満足!」(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。山下さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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