年下の彼氏に結婚を迫ることが可哀想になってしまいます(「スナック大宮」問答集33)

7年間でのべ2200人と飲み交わしてきたスナック大宮のこぼれニュースコラムです(写真:ペイレスイメージズ/アフロ)

スナック大宮」と称する読者交流飲み会を毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに110回を超えた。お客さん(読者)の主要層は30代~50代の独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載「中年の星屑たち」を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接聞けておしゃべりできるのが嬉しい。

 初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。

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「1年前から付き合っている恋人がいます。彼は28歳。仕事も遊びも充実する頃ですよね。私は早く結婚したいのですが、そんな彼に結婚を迫るのが可哀想になってしまいます」(33歳の独身女性)

恋人にも、親にも、子どもにもお互いになれる関係性。それが夫婦だと思います

 40歳を過ぎた頃から、自分の中の「父性」のようなものが強まった気がしている。若い人がとにかく可愛く見えるのだ。若さとは相対的なものなので、42歳の筆者からすると30代前半でも「若者」に見える。

 昨日は30代の夫婦と外食をした。夫のほうはまだ33歳。ちょっと口下手だけど礼儀正しいところに好感を持った。気づくと、「好きなものをどんどん注文してくださいね。もっと食べていいですよ」とお母さんのような気持ちで話しかけている自分がいた。

 学生時代のアルバイトやインターンシップ先では、アラサーの社員は立派な大人だった。彼らからすれば、当時の筆者を「大学生はやっぱり若くてバカだな。ちゃんと食べてるかな?」と感じたことだろう。冒頭の女性が「結婚を迫るのは可哀想」と感じている相手も、例えば高校生から見れば「学校の先生と同じぐらいおじさん」なのだ。

 誰かを可哀想と感じるほど可愛く思い、無償の愛を注ぎたくなる気持ち。それが母性および父性の本質だと思う。恋愛感情が混じるとそれがさらに強まり、年上の相手に対しても「可哀想」が発揮されることもある。

 母性愛や父性愛自体は、人間が持っている美しい感情の一つだ。しかし、支え合う相手であるパートナーに対して、一方的な母性を持ってしまうのは問題だ。下手をすると、相手を堕落させる恐れもある。

 冒頭の女性におすすめしたいのは、年下の彼氏に対してもたまには甘えてみること。例えば、仕事面での自信のなさをこぼす。親身になって聞いてくれ、「どうしても嫌なら辞めていいよ。僕が養うから」なんて口走るかもしれない。おそらく働き者のあなたは会社を辞めることなど最初から考えていないが、恋人からそんな風に言ってもらえたら肩の力が抜けるだろう。

 彼氏にも大きな効果がある。今まで「頼れるお姉さん」のような存在だったあなたが意外な弱さを持っていることを知り、「僕もしっかりしなくちゃ」と父性愛が目覚める可能性が高いのだ。

 パートナーとは常に対等である必要はない。相手が弱っているときは、こちらが親のような気分でいたわってあげてもいい。でも、こちらも生身の人間なのだ。甘えたいときもある。そんなときは相手に「親役」をやってもらおう。

 恋人にも、親にも、子どもにもお互いになれる関係性。それが夫婦だと筆者は思う。

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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