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46歳。ものすごく苦しかった離婚を二度としたくないので結婚はしません~40歳からの婚活入門(19)~

大宮冬洋フリーライター
東京・門前仲町の喫茶店にて。西川さんはエキゾチックな顔立ちの美人です(筆者撮影)

 アラフォーの独身女性は生きづらいと思う。出産のリミットを感じながらの婚活は苦しいし、既婚者とはその辛さや孤独感を共有できない。話が合う友人知人がだんだん少なくなる。シングルマザーの場合はより深刻だ。幼い子どもがいると仕事・恋愛・趣味のいずれにも時間を取れず、母子で孤立しやすい。

 筆者は昨年末に電子書籍『40歳は不惑ですか、惑ですか』を自費出版した。既婚未婚それぞれの40歳男女に偏りなくインタビューして撮影をさせてもらう予定だったが、独身女性からは取材を断られることが多かった。「今の自分を書いてほしくないし、人からも見られたくない」といった理由がほとんどである。

 だからこそ、彼女たちの話を聞きたい。匿名でいいから、その状況と胸の内を教えてほしい。同じ40代として腹を割って語り合う気持ちで本シリーズを続けている。

***会社員、西川有紀さん(仮名、46歳)の話***

結婚相手から異性として見てもらえないのは、独身よりはるかに寂しい

 24歳のときに7歳年上の男性と結婚しました。一度流産をして、子どもはいません。別居を経て、36歳のときに離婚が成立しました。

 別れるまでがものすごく苦しかったので、二度と同じことを繰り返したくありません。結婚は、自分だけではなく周りの人も巻き込みますよね。前夫との別れ話で辛かったとき、100%味方の母親に八つ当たりをしてしまいました。母は黙って我慢してくれたんです。今では「また結婚したら」と勧めてくれます。でも、私はもう結婚はしないつもりです。

 前夫は、私が窓口販売の仕事をしていたときの個人客です。そのとき私は21歳で、男性と一度も付き合ったことはなかったので、「このまま初めての男性と結婚するのは心配だな」と思っていました。お客さんから「食事に行こう」と誘われることは多かったので、先輩に相談したら「ゴハンぐらいは行ってみて経験を積んだほうがいいよ」と助言してもらったんです。

 彼に誘われるままにサッカー観戦に行き、「この人は悪い人じゃない」と感じたので、私から交際を申し込みました。私は男性の外見には関心がなくて、人間としては8割ぐらいが「いいな」と思います。でも、男性としてOKなのは多くて2割ぐらい。握手したらなんとなくわかります。「嫌じゃない」という感覚が大事です。

 付き合ってから3年後に結婚しました。前夫は仕事ができる人で、年収も毎年上がっていきます。私は仕事をしたりしなかったりで、お金の面では苦労をしませんでした。でも、最後の数年間はすごく寂しかった。別居する数年前からセックスレスになっていました。好きな結婚相手がいるのに触ってもらえないのはすごく辛いですよ。相手がいないときの3倍ぐらいは辛いと私は思います。

「依存体質」の自分と戦ってきたと明かす西川さん。現在の表情は晴れやかです(筆者撮影)
「依存体質」の自分と戦ってきたと明かす西川さん。現在の表情は晴れやかです(筆者撮影)

調子に乗ると相手に依存してしまう私。同棲ぐらいがちょうどいい

 離婚してからようやく気づいたのですが、私は依存体質なんです。初めての男性である前夫のことが好きすぎて、精神的にもたれかかってしまいました。重すぎるので、相手の気持ちが折れて当然だと今なら思います。

 彼は国内外の出張も多くて、飲み会やゴルフもあり、私と一緒に過ごす時間は多くはとれません。ある年末に、ようやく二人でいられる休日があったのに、前夫は疲れで熱を出して寝込んでしまったんです。仕方のないことですが、私は悲しくてイライラし、ケンカになりました。

 それがきっかけになり、年明けから別居することに……。それから離婚するまで2年もかかりました。私が別れたくなかったからです。

 ようやく離婚してから2ヶ月後、7歳年下の男性とデートするようになりました。相性が悪くてすぐに別れてしまいましたが、おかげで離婚を引きずっていた心がだいぶ晴れてきました。

 さらに数か月後、仕事絡みで現在の彼と出会いました。4歳年上の自営業者で、彼にも離婚歴があります。6年ぐらい同棲していますが、お互いに依存をしすぎない関係です。ルームシェアみたいな穏やかな生活を気に入っています。

 彼の職業はあまり詳しくは話せませんが、人気商売なので、恋人である私の存在は他人に知られないほうがいいのです。私たちが同棲していることを知っているのは、身内を含めて5人ぐらいだと思います。

 一緒に暮らしてきて、「結婚」という言葉が出ることはありません。私は調子に乗ると相手に依存してしまうので、今の関係がちょうどいいのではないでしょうか。

***筆者より西川さんへ***

朗らかで感じ良い大人でいるためには「環境整備」が不可欠です

 必死で取り組んだのに手痛い失敗に終わると凹みますよね。でも、苦しい体験から学んだものほど人生に有効なものはないように思います。西川さんの「私は依存体質」という気づきは、どんな専門家から指摘されるよりも身に染みたのではないでしょうか。

 嫌なことがあると泣き叫ぶことが許される幼児とは異なり、僕たち成人は基本的に朗らかに感じ良く振る舞うことが求められます。実社会には「基本的に不機嫌で無神経」な人もいますけど、そのような人はちょっとした状況変化(例えば退職)で一気に孤立するでしょう。まともな成人とは言えないからです。

 いろんなことが起こる人生で、「朗らかベース」を保つにはどうすればいいのでしょうか。性質は今さら変わりません。むしろ、西川さんのように自分の性質をちゃんと把握しておくことのほうが大事です。

 そのうえで、自分の性質が悪い方向に出るのを抑え、いい方向に生かせるような環境を整備します。最も重要な環境は、生活や仕事におけるパートナーです。相手のことを思いやりながらも、自分が気分よく過ごせる環境を実現しなければなりません。西川さんの場合、前夫とは「依存体質」が強く出てしまう組み合わせだったのかもしれません。

 相性の良いパートナーであれば、住み働く場所と契約関係(法律婚か事実婚か)は自然と落ち着くはず。良い環境さえ整えば、人はたいていの試練は乗り越えられるので、結果としてパートナーも幸せにすることができるのではないでしょうか。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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