現代の奇跡! 百戦百敗の「若林くん」がついに結婚へ~お見合いおじさん活動月報(15)~

女性からのリードにきっちり応え続けてゴールイン! イラスト:つぼいひろき

 自分も楽しくて他人の役にも立てる趣味がほしいと思ったのです。恋バナと会食が大好きな僕が見つけたのが、お見合いおじさん活動:略称おみおじ。自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる活動です。

 僕は友人でもあるイラストレーターのつぼいさんと組んで、2014年の春からおみおじを楽しんでいます(今までの活動レポートはこちらこちら)。僕の人脈をオネット(大宮ネットワーク)、つぼいさんの人脈はツヴォイと称して、男女それぞれ4人の会員に良さそうな独身者を紹介しているのです。

 僕たちのおみおじによって結婚した人は今のところ1人のみ。でも、いまだ独身の会員からも感謝されていますよ。友人知人のお墨付きの独身異性と出会えることって、年齢を重ねるごとに少なくなっていくからです。おみおじで恋愛感度を向上させ、別の場所で見つけた相手と結ばれた「卒業生」は過去3人います。「私は婚活に向いていないことがわかった」と去って行った人は5人もいますが、それもまた有意義な自己発見ですよね。

 結婚願望がある独身男女に優しくお節介する! 愛すべき隣人の婚活を結婚相談所やネットだけに任せておかない! 全国に広まってほしい「おみおじ」の実例をリポートします。

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「生理的に無理」と女性から即断されてきた3年間

 3年以上も婚活を続けて、ついに結婚相手を見つけた男性がいます。我がオネットの古参メンバー、若林義彦さん(40歳)です。インフラ系大企業のシステム子会社で正社員として働いている義彦さんですが、いままで女性にはまったくモテない人生を歩んで来ました。成婚退会というハッピーエンドなので、ちょっと失礼なことを書かせてもらいますが、彼は小柄・薄毛・童貞という三重苦を抱えているからです。

 小柄で薄毛だけどモテている男性は世の中にたくさんいます。でも、30代半ばまで女性経験がない男性には、性格やコミュニケーション能力に「難」があることが多いと思います。

 義彦さんの場合は積極性には問題ありません。街コンやお見合いパーティーにも数多く参加して、様々な女性にアプローチしてきました。「結婚したい」という気持ちが強く、相手に求めるものは「タバコを吸わない人」の1点のみ。自らアラフォーなのに年上女性でもOKと公言する貴重な人材です。

 しかし、戦歴は百戦百敗。よくしゃべるけれど落ち着きに欠ける話し方、清潔だけどオシャレとは言い難いファッション、なんとなくオタクっぽい雰囲気などが総合して、女性から「生理的に無理」と即断されることばかりだったのです。

失敗の多かった婚活のすべてが役に立った

 そんな義彦さんが結婚相手を見つけた場は、1年前に登録した大手の結婚相談所。紹介されたわけでなく、会員のデータベースから検索をしてお見合いを申し込んだそうです。

「その結婚相談所では、月に10人まで申し込むことができます。自分で行動をしないと入会金や月会費が無駄になるだけなので、ちゃんと申し込んでいました」

 唯一返信をくれたのが、都内で事務系の派遣社員をしている美咲さんでした。そして、2人は顔を合わせます。

「ごく普通の女性でした。2時間ほどの間、ほとんど僕がしゃべっていましたが、話すことが苦手な彼女は気が楽だったようです」

 ただし、恋愛にまで発展させてくれたのは美咲さんのリードがあったからです。お見合いの直後に「今日はありがとうございました」との丁寧なメールが届き、4日後にもデートすることが決まりました。当日は、「お酒の力を借りてでもいいので、男の人のほうから告白してほしい」と発言。すぐに交際が決まりました。

 日を置かずに3回目のデート。一緒に歩いていると、美咲さんのほうから手をつないできたのです。しかも、事前に「明日は休みだからゆっくり会える」という趣旨のメールを送ってくれていました。いわゆるOKサインですよね。義彦さんはホテルの地下にあるレストランに美咲さんを連れて行ったのでした。

「以前、何度か会っていた女性と『惜しいところ』までいったことがあります。そのときに探したお店でした。そのおかげで、スムーズにお泊りができたと思います」

 失敗の多かった婚活のすべてが役に立っているようです。30歳以降の「大人の男性」ならば、待ち合わせ場所、お店、会話などで余裕のあるデートを演出したいですからね。

「おみおじにも感謝しています。いろんな機会を与えてくれました。おかげで眼鏡も変えましたし、会話では早口になりすぎないように気をつけています」

 正直に言って、義彦さんの話し方が変わったとは思えません。でも、自信が付いたからなのか、以前よりはるかに男らしく見えます。褒め上手のつぼいさんがすかさず声をかけました。

「今日の黒ジャケットも似合っていますね。義彦さん史上、最高にカッコいいです!」

女性がトスを上げて男性が打つ。最良のパターンで交際開始

 義彦さんによれば、美咲さんはおとなしく見えるけれど「思ったことはちゃんと言ってくれる」女性です。義彦さんのイビキや口臭を指摘し、健康に気遣いつつ改善するように指導してくれています。すでに結婚したような関係ですね! なお、美咲さんは義彦さんと同じく鉄道好きだと判明。「まだ乗ったことのない特急に乗る」ことが主目的の九州旅行を2人で計画しています。趣味まで一致するなんて、本当に奇跡ですね。

 最後に、前回の義彦さん改良作戦にも参加してくれたマチコ先生による講評。

「義彦さんは見た目も中身もすごく変わりました。あきらめずにたくさんの女性と会った成果だと思いますし、他人からのアドバイスをこれだけ素直に聞いて実行できる人はあまりいません。美咲さんも、男性に多くを期待しすぎない、賢い女性だと感じました。彼女がトスを上げて義彦さんが打つ。一番いいパターンで交際が始まりました。2人には不安定なところが見当たりません」

 絶賛ですね~。3年間も伴走してきた義彦さんが卒業してしまうのは少しだけ寂しいです。僕たちのおみおじでお相手を見つけられなかったのも心残りですが(笑)、義彦さんの末永い幸せを祈りたいと思います。

(僕とつぼいさん以外の登場人物は仮名です)