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政治家と芸能人の不倫報道。「お盛んだね。仕事もがんばってよ」と受け流すのが大人だ

大宮冬洋フリーライター

 有名人のゴシップは面白い。あの男があの女とまさかそんなことを…と下世話な好奇心をくすぐられて、週刊誌の特集記事、テレビのワイドショー、ネットニュースを見つめてしまう。

 報道の対象となって追いかけ回される人には申し訳ないが、いわゆる「有名税」だと思ってあきらめてほしい。1週間もすればたいてい出来事は飽きられて流れていくので、あまり相手にせずに放っておけばいいと思う。

 不倫などの下半身系の醜聞が報道されただけで、議員辞職をしたり要職から降りたり、出演している映画やテレビ番組が放映中止になるケースが続出している。過剰反応だと筆者は思う。

 清廉なイメージを回復したいのであれば謝罪会見をしてもいい。しかし、国民が議員に求めるのは「浮気をしないこと」ではない。政治的な判断力と実行力だ。同じように、芸能人には素晴らしい芸を見せてほしい。

 はっきり言って、彼らの性生活がどうなっていても私たちには関係がない。話題としては面白いけれど、不倫だけを理由に彼らが活躍できなくなってしまうのは残念だ。こんなことを繰り返していたら、精力的で魅力的な人物が政界や芸能界から少なくなり、生真面目で無難な人ばかりが残ってしまうだろう。それで損をするのは国民であり視聴者だ。

 政治家も芸能人も人気職業である。その「人気」の要素には、「不倫などはしない真面目さ」があるかもしれないが、一方では性的な魅力があるのも否めないだろう。小泉進次郎のような甘いマスクでなくても、強いリーダーシップや説得力のある弁舌、論理的かつ柔軟な思考、豊かな人間性には「モテ」が伴う。少なくとも筆者は、まったくモテなさそうな政治家に投票する気になれないし、鬼気迫るような色気のない芸能人の出演作を見たいとは思わない。

 もちろん、刑法に抵触するような行為をした場合は、法の範囲内で罰を受けなければならない。不倫も不法行為だし、独身者であっても「浮気」は社会通念に反する。しかし、それを厳しく糾弾していいのは、当事者である配偶者もしくは恋人のみだろう。他人の知ったことではないのだ。

 繰り返すが、有名人のゴシップは面白い。視聴者としてはつい報道を見てしまうし、中には悪乗りして「自宅謹慎しろ!」とコメントする人もいるだろう。本気で言っているはずはない。単なるエンターテイメントなのだ。まともな大人は、「お盛んですね。その元気を仕事にも生かしてください。楽しみにしています」と笑いながら受け流している。だから、報道される側も過剰反応はせず、図太く、淡々と働き続けてほしい。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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