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結婚相談所に登録しても結婚できない2つの理由

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:メダカ 恋の秘訣は「見合い」(日本経済新聞)

「見合い」という言葉の意味を間違えていたのかもしれない。「生活や仕事をしていて出会った人と恋をして結婚を考えるのではなく、第三者が意図的に設けた場所やシステムに従って結婚を前提に異性と顔を合わせる行為」だと思っていたのだ。

今朝の日経新聞の記事によれば、性行動に移る前にお互いをじっくりと見合うのが「見合い」だという。東大の研究で、メダカのメスが初対面のオスより事前に見合いしたオスを交尾の相手として優先的に選ぶことがわかった。オスとメスをガラス越しに一晩見合いさせ、翌朝に同じ水槽に一緒に入れたところ、十数秒後には交尾を始めた。見合いをすると脳の神経細胞の一部が活発化して、特定のホルモンを分泌するらしい。初対面の相手とセックスしにくいのは人間と同じなのだ。

人間がメダカと違うのは、結婚すると生活や家族関係を共有すること。生活観や価値観の一致が重要になる。といっても大げさなものではなく、人付き合いや仕事に向き合う姿勢、お金の使い方などのことだ。よほどの変人でない限り、人生で出会う人の5人に1人ぐらいとは価値観が一致すると思う。

この価値観は、国籍や世代よりも生育環境(親のしつけ)や学歴の影響を受けやすい。露骨に言えば、同じ階層に属する相手でなければ結婚生活は成り立ちにくい。

第二次大戦後、「家」同士による半強制的な結婚(これも階層婚)が激減するのと対照的に、職場や学校で出会った男女が交際を重ねたうえで結びつく「自然恋愛」が急増した。選抜試験を経る学校や職場は、生い立ちや考え方が似た人が集まるため、価値観の共有を基盤として数年かけて見合いしているようなものだ。

学校はとっくの昔に卒業してしまい、内勤で働いている会社で顔を合わせる異性は既婚者ばかりという人はどうすればいいのか。各種の同窓会を活用するという方法もあるし(僕はこの手で再婚相手を見つけました)、親しい同僚に紹介を頼むこともできる。同僚の学生時代の友人などであれば、「5人に1人」に当てはまる確率が高い。

あとはリアルな見合いとなる。価値観の共有は担保されているので、デートを何度か重ねて、メダカと同じようにホルモンの分泌を待てばよい。

現代のお見合いを担う結婚相談所の短所は、担当者があなたにとっての「5人に1人」でない可能性が高く(その紹介では「良き人」に出会いにくい)、その割には紹介される候補者が多いことだ。年収やルックスだけで異性を選び、じっくりと見合いをしないままに自然消滅し、次の異性に目移りしてしまう。

学校や職場などを通じて価値観を共有できる異性を探し、本当の意味での見合いを重ねること。低コストで楽しく、適切な結婚相手を見つける最善の道だと思う。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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