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10万円の「特別定額給付金」DV避難者は4月30日までに申出を!→過ぎても可能

豊田眞弓永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

新型コロナウイルスで支給される国民1人一律10万円の「特別定額給付金」。配偶者のDVで別居中の方は、4月30日までに申出が必要です。でも、過ぎても受付してもらえる可能性はあります。諦めずに手続きを!

■「特別定額給付金」の概要

新型コロナウイルスの緊急経済対策の柱として、国民1人一律10万円の「特別定額給付金」が支給される見込みです。

その概要や申請法などは下記の通りです。

<「特別定額給付金」の概要>

・実施主体:市区町村

・経費(給付事業費・事務費):12.88兆円(全額国が補助)

給付対象者:基準日(2020年4月27日)に住民基本台帳に記録されている人

受給権者:世帯主

・給付額:対象者1人10万円

・申請期間:郵送申請方式の申請受付開始日から3か月以内

・給付時期:5月以降(自治体や申請時期で異なる)

給付対象者については、基準日以前に住民票を消除された人で、基準日に日本にいて、基準日の翌日以後初めて市区町村の住民基本台帳に記録されることとなった人も含まれます。外国人のうち、短期滞在者や不法滞在者は住民票がないため対象外。

<「特別定額給付金」の申請・給付>

給付金の申請は、郵送またはオンライン申請が基本で、原則として申請者の名義の銀行口座に振込まれます。

やむを得ない場合のみ、窓口申請・給付も認めています。

・郵送申請

市区町村から郵送された申請書に振込口座を記入し、口座の確認書類と本人確認書類の写しを市区町村に返送。

・オンライン申請(マイナンバーカード所持者)

マイナポータルから振込口座を入力した上で、口座の確認書類をアップロードし電子申請(本人確認書類は不要)。

オンライン申請はマイナンバーカードが発行されていないと利用できません。

マイナンバーカードの申請はパソコンやスマホから簡単にできます。私も行いましたが、背景のない写真を先に用意してから申請するとスムーズです。ただし、発行までは3~4週間かかります。

■配偶者からのDV避難者は手続きを!

かつて2009年の「定額給付金」のときにも問題になりましたが、「受給権者=世帯主」となっているため、配偶者からのDV(暴力)を理由に自宅を出て避難している人に届かないどころか、世帯主が独り占めしてしまうケースもありました。

離婚前で別居中の世帯も問題ですが、その場合、4月27日までに住民票を移すことで対応します(間に合わなかった場合は入金後に“世帯主”に請求するしかありませんが…)。

DVの場合は、所在がわからないように身を隠しているため、住民票を移すことができない人もいます。

私も「DV(ドメスティック・バイオレンス)」という言葉が知られていなかった初期のころにシェルターの支援をしていたことがあるのですが、命の危険を感じて逃げている人は少なくないです。子ども連れで避難しているケースも少なくありません。

事情により住民票を移すことができない場合は、現在住んでいる市区町村へ「申出」をすることで、世帯主でなくても「特別定額給付金」を申請し、受取ることができます。子どもを連れて避難している人は、子どもの分も受取れます。こうした手続きを行うことで、“世帯主”が申請しても世帯主側には支給されません。

対象となるDV避難者の要件は次の通り。

<対象となるDV避難者の要件(以下のいずれかに該当する人)>

・配偶者暴力防止法に基づく保護命令を受けている

・婦人相談所から「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書」や、 配偶者暴力対応機関(配偶者暴力相談支援センター、市町村等)の確認書が発行されている

・令和2年4月28日以降に住民票が今住んでいる市区町村に移され、住民基本台帳の閲覧制限等の対象となっている

該当する場合はしっかり手続きをしましょう。

■手続きは4月30日まで?書類は?

まず、住んでいる自治体の「特別定額給付金」の担当窓口へ「申出書」を提出します。

「申出書」とは、配偶者からのDVを理由に避難していることを申し出るための書類です。

期限は2020年4月24日~4月30日となっています。今日は27日ですから日にちがありません。急ぐ必要があります。

・申出期間:2020年4月24日~4月30日

ただし、総務省のチラシには次のような記載もあります。

※4月30日を過ぎても、「申出書」を提出することはできます。

いつまでという期限は書いてありませんが、配偶者側に支払われる前に、ともかくできる限り早く手続きをしましょう。「申出書」にはDVで避難していることがわかる書類を添付する必要があります(詳細は住んでいる自治体で確認を)。

なお、「申出書」を出しても、別途、「特別定額給付金」の申請手続きが必要ですのでお忘れなく!

総務省のチラシ
総務省のチラシ

参照:総務省「特別定額給付金」

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永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師

<生涯永続できる家計の実現を!> マネー誌・女性誌等のライター・コラムニストを経て、独立系FPへ。講演・研修、コラム執筆や監修、個人相談などを業務としている。ライフワークとして、子どもから高齢者まで幅広く金融経済教育に携わっている。亜細亜大学ほかで非常勤講師、子どもマネー総合研究会理事を務める。趣味は講談、投資、猫に添い寝。

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