消費増税のキャッシュレスポイント還元。大きなリスクを見落としていませんか?

(写真:アフロ)

消費増税に合わせて、景気対策として行われるキャッシュレス決済のポイント還元。「2%や5%の還元率」と聞いて、キャッシュレス決済デビューを検討中の人もいることでしょう。しかし、カードビギナーや家計管理が得意でない人にとって、キャッシュレス決済はリスクになるかもしれません。

■キャッシュレス決済でポイント還元

2019年10月に消費税が10%に上がる際、景気対策の1つとして、キャッシュレス決済のポイント還元が予定されています。

具体的には、飲食や買い物をしてクレジットカードやQRコードなどで支払うと、中小型の小売店で5%、フランチャイズ店で2%のポイントが還元されます。期間は、2020年6月までの9か月間。

ポイント還元のための資金は、国が税金を使って負担することになっています。これは景気対策とともに、日本のキャッシュレス化を進める目的もあります。

キャッシュレス化は韓国89%、中国60%、カナダ・イギリス55%、アメリカ45%などと高いのに対し、日本は18%(経済産業省「キャッシュレス・ビジョン(平成30 年4月)」) 。金融の効率化を図るためにも、政府は2025年までに40%程度まで引き上げることを目標にしています。

■家計管理が苦手な人は混乱も!?

増税分が2%であるのに対し、2%ないしは5%の還元があると聞けば、「キャッシュレス決済はオトク」「やってみようかな」と思う人は少なくないでしょう。中には、「老親にスマホを持ってもらって、キャッシュレス決済を覚えてもらう」という人もいます。

何となく「オトク」という魔法にかけられて見えなくなっていますが、クレジットカードや電子マネー、QRコードなど、決済のツールが複数になって煩雑になり、特に電子マネーやQRコードはそれぞれに残高があることで管理がしにくくなるデメリットもあります。

チャージしたお金やポイントが残っているから使おうとか、ポイントが有利になるから使おう、などとポイントに意識がいきがちです。ふと気が付くと、お金を使うペースが乱れ、お金を使いすぎていた、ということも起こりえます。

特に、電子マネーやQRコードは、クレジットカードからの自動チャージにしていると、使った時期と口座からの引き落としの時期が1,2ヵ月ずれることもあります。人によってはさらに家計が混乱する原因になります。これまで現金しか使ってこなかった人にとっては要注意です。

■ツールを絞り込む。デビットカードを活用する

カードビギナーや、家計管理があまり得意でない人、苦手な人にとっては、一部のポイントを諦めても使用するキャッシュレス決済のツールを1つか2つに絞った方がいいかもしれません。

そのせいで使えないことがあったとしても、ツールを増やしすぎて家計が混乱するよりはましです。

また、カードビギナーはクレジットカードではなくデビットカードを使いましょう。ネットショッピングでも使えるので、クレジットカードと比べて使いにくいというようなことはありません。

クレジットカードは、使った時期と引き落としのタイミングにずれがあることから、人によっては使いすぎの原因になることも。分割払いやリボ払いを利用すれば、さらに先送りの癖がつきがちです。

一方、デビットカードは、加盟店で買い物をしたときに支払いができるカードですが、使った分が銀行口座から即時引き落としになるのが特徴です。口座にお金がないと利用できないため、自分の身の丈以上に使いすぎることはありません。

以前から使用していた銀行口座のキャッシュカードを、デビット機能付きキャッシュカードに切り替えることもできます。クレジットカード同様、カードのポイントもつき、海外での利用も可能です。

■終わりに

多くの家計を見てきて感じることですが、ほんのちょっとしたところから家計が崩れていくことは少なくありません。周囲が「ポイント還元」で盛り上がっても、冷静に自分の家計管理を考える必要があります。お金の使いすぎにならないよう、家計簿などでコントロールすることも忘れないことです。

キャッシュレス決済のポイント還元に浮かれたり、「オトク」に振り回されないようにしたいもの。家計管理が得意でない人は、キャッシュレスツールの導入は1つか2つに絞り、カードもデビットカードを使うことをお勧めします。