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いよいよ国内線の減便が始まりましたね。

鳥塚亮えちごトキめき鉄道代表取締役社長。元いすみ鉄道社長。
全日空の国内線主力機B787(筆者撮影)

国内線の減便が始まりました。

今朝、全日空のホームページを開くとこのようなトピックスが目に入りました。

新型コロナウイルスの影響に伴う路線・便数計画の一部変更について

明日3月6日から12日まで、とりあえず向こう一週間の減便が表示されています。

路線としては東京発では札幌、大阪、福岡、高松、広島、北九州の各路線。

その他、名古屋-札幌、大阪-札幌、大阪-鹿児島、福岡-沖縄などの路線の一部の便が運休となるようです。

(詳細についてはホームページをご確認ください。)

日本航空でも明日の札幌便のうち、1便の欠航が決まっているようです。

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日本航空のホームページで明日の運航状況を確認すると、羽田8:30発の札幌行505便は「新型コロナウイルスの影響による需要減退に伴い欠航となっております。」という表示が出ています。

全日空のようにホームページトップにある「重要なお知らせ」での正式発表は5日19時現在まだありませんが、今後、3月中の減便が既に計画されている模様です。

というのも、予約サイトの表示を見るとこんな感じになっているからです。

筆者は3連休前後に札幌への出張を予定しておりまして、予約を入れようとホームページをチェックしていたら「おや?」と気付きました。

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3月18日の東京発札幌行の予約状況ですが、9:35発の509便がファースト、クラスJ,普通席の全席が「満席」となっています。

前後の便はたくさん空席がありますが、この便は満席。

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2時間後の11:30発の513便も全クラス満席表示です。

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さらに3時間後、14:30発の519便も全クラスとも満席です。

ちょっと変だと思いませんか?

輸送需要が急減して空港からお客様の姿がめっきり少なくなっているというニュースが流れている中で、全クラス満席便が数時間ごとに並んでいるのです。

そう思った筆者はさらにホームページをチェックしました。

チェックしたのは札幌発東京行きの同日便。

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12:00発の508便が全クラス満席

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14:00発の512便も全クラス満席

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17:00発の518便も全クラス満席です。

その他の便にはすべての便に空席があるにもかかわらず、この便だけが全クラス満席表示。

もうお解りになりますよね。

509便 東京9:35 → 札幌11:10

その折り返しが

508便 札幌12:00 → 東京13:40

513便 東京11:30 → 札幌13:05

その折り返しが

512便 札幌14:00 → 東京15:45

519便 東京14:30 → 札幌16:00

その折り返しが

518便 札幌17:00 → 東京18:40

こういう形できれいに往復便の両便が満席表示にされているのです。

その前後の便にはたくさん空席がある。

これは、予約コントロールを行なっているということ。

つまり、予約管理者側で満席表示を出すことで予約が入らない設定にしているのです。

まだ発表はありませんが、間引き運航を準備しているということがわかります。

これは航空会社が通常行なう予約コントロールの手法の一つで、欠航予定便をノミネートして、その便に新規予約が入らないようにしておいて、すでにご予約をお持ちのお客様へは前後の便に振り分けて予約を取り直し個別のご案内を行なっています。

そう考えて日本航空のホームページから東京-札幌の空席状況をチェックしてみると3月中旬以降のほとんどの日で1日に3~4往復の「全クラス満席便」が存在しているのがわかります。

いずれ発表があるとは思いますが、全日空だけではなく、日本航空でも新型コロナウイルスの影響による需要減退に伴う減便が行なわれることがわかりますね。

LCCならともかく、大手航空会社でもこのように敏感に需要減対策をするということは、航空会社が如何に景気に敏感対応する感覚を持っているかということがわかります。

この対応を見る限り、よほど大きな需要の減退だろうと想像できますが、こんなことがいつまでも続いていたら日本だけでなく世界経済がダメになってしまいます。

航空会社だけでなく、新幹線も対前年比3割以上の減。

各地の観光列車もキャンセルが相次いでいる状況です。

これから先、どうなるかは誰もわかりませんが、できるだけ早くに収束してくれることを願ってやみません。

皆様方のご健康をお祈り申し上げます。

※本文中に使用した画像はホームページから抜粋したものです。

えちごトキめき鉄道代表取締役社長。元いすみ鉄道社長。

1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュエアウエイズ旅客運航部長。2009年に公募で千葉県のいすみ鉄道代表取締役社長に就任。ムーミン列車、昭和の国鉄形ディーゼルカー、訓練費用自己負担による自社養成乗務員運転士の募集、レストラン列車などをプロデュースし、いすみ鉄道を一躍全国区にし、地方創生に貢献。2019年9月、新潟県の第3セクターえちごトキめき鉄道社長に就任。NPO法人「おいしいローカル線をつくる会」顧問。地元の鉄道を上手に使って観光客を呼び込むなど、地域の皆様方とともに地域全体が浮上する取り組みを進めています。

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