ANA（全日本空輸）は、昨年（2022年）11月末に同社の創立70周年を記念し、今年1月5日～2月28日搭乗分で全路線片道7000円のセールを販売し、ANAの過去のセール運賃の1日あたりの売上としては過去最高規模となった。そして、第2弾が2月28日（火）午前0時から発売開始される。

今回は平日7000円、土日1万円でGWを除く4月4日～5月31日搭乗分を対象に販売

　創立70周年記念「ANA SUPER VALUEセール」の第2弾として、2月28日（火）午前0時～3月1日（水）23時59分の2日間限定で、4月4日（火）～5月31日（水）の搭乗分を対象に（除く4月29日～5月7日）セール運賃を販売する。今回は平日は7000円、土日1万円での販売となる。（羽田など一部空港では「旅客施設使用料」などが別途加算される）

■前回のセールとの変更点、今回注意する点

• 前回は対象期間中は全て7000円だったが、今回は土日は1万円に設定
• 前回は3日間の販売期間だったが、今回の販売期間は2日間
• 今回は対象期間中に除外期間がある
• 購入期限は当日中になるので購入忘れに注意

発売は2月28日・3月1日の2日間のみ。発売開始は午前0時

　前回のセールとの変更点や注意する点は上記になる。特に発売期間が2日間になること、更に発売開始は2月28日（火）の午前0時、つまり27日（月）の深夜になるので注意が必要である。今回は、春休み明け4月4日からの設定となり、ゴールデンウィーク期間中を除き、5月末までの設定となる。対象期間は2ヶ月弱となることから、スケジュールを組みやすいだろう。

予約だけでなく購入を忘れずに。予約した当日の23時59分までに購入が必要

　そして前回のセールで筆者の周囲で複数あったのが、予約をしたけど当日中の購入期限に購入するのを忘れたということだ。ANAでは、予約と同時に購入する必要がない運賃がほとんどであり、多くの運賃では予約後3日以内などの購入期限が設定されるが、今回のセール運賃「ANA SUPER VALUEセール」も当日中（予約した日の23時59分まで）の購入が必要であり、予約したけど購入するのを忘れて利用できなかったケースもあった。

　一旦予約して、家族・友人・仲間など他の人のスケジュールを調整しているうちに購入を忘れたケース、中には発売開始直後の深夜に予約して朝起きてから決済しようと思っていたのを忘れてしまったというケースもあった。くれぐれも購入を忘れないようにしていただきたい。

前回は発売直後の午前0時過ぎにホームページに予約殺到でアクセスできず

　前回、発売日となった2022年11月29日の午前0時にはANAのホームページがアクセス過多で接続できない状況が1～2時間続いた。人気の便は発売直後に売り切れになったが、翌朝でも多くの便で予約が可能で、更に3月1日の予約期限ギリギリでも平日を中心に購入することができた。今回も発売直後は相当のアクセスが想定される。

参考記事：ANA国内線3日間限定片道7000円セールが大ヒット中、一人で10便以上購入も。12月1日まで販売（2022年11月30日掲載）

前回のセールでは「さっぽろ雪まつり」やプロ野球・WBCのキャンプ観戦で利用した人も

　筆者も最終的に6区間（3往復）を利用したが、発売直後に3年ぶりに開催された「さっぽろ雪まつり」期間中の週末のセール運賃を購入でき、札幌へ行くことができた。イベント期間中であってもセール運賃が設定されたこともあり、前回セールで購入できた人はかなりお得に国内旅行を楽しめた。筆者は札幌以外に広島、鹿児島を訪れたが、中にはプロ野球のキャンプ観戦で宮崎や沖縄へ行った人、リゾートを満喫する為に宮古島、石垣島へも7000円セールで出かけた人も目立った。

若い世代、マイレージ会員でない旅行者の利用も多かった

　前回のセールでも見られた傾向としては、セール期間中に2回以上（4区間以上）、7000円セールの航空券を購入した人が多かったほか、ANAに取材をすると20代前半の利用が多かったとのことだ。前回のセールは1月・2月の搭乗分であったことから、卒業旅行や大学の春休み期間中にセール運賃で旅に出かけた人が多かったようだ。

　またANAに取材したなかで、同社のマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ」の会員になっていない人の利用者も多く、同社にも「コロナ禍前以来など久しぶりのご旅行を楽しんだ」「これまで行ったことのない場所に初めて訪れた」という声が寄せられたとのことで、コロナ禍の旅行スタイルが確立され、全世代で7000円セールで旅行する人が目立った。このセールがなかったら出かけなかったという人も多く、セールが旅行に出かけるきっかけになったという人が続出し、出かけた人の多くが満足しており、第2弾の発売を期待していた。

人気の旅行先は、北海道・九州・沖縄などお得度がより高くなる国内長距離路線になっているとのことだ。

ヒットの理由は全路線一律で同じ料金だったこと。JALでも3月9日から片道6600円のセールを販売へ

　ヒットした最大の理由は安さだけでなく、全路線を対象にしたことにある。一部路線のみを対象にするセールもあるが、全路線一律セールの方がインパクトが大きく、何よりも消費者に対してわかりやすい。更に設定期間も前回も今回も約2ヶ月弱の長い期間で利用できることも支持された。ANAだけでなく、JALも3月9日から3日間限定で4月14日～28日・5月1日～2日、5月8日～31日搭乗分、3月12日から3日間限定で6月1日～30日搭乗分において片道6600円のセールを販売する。（羽田など一部空港では「旅客施設使用料」などが別途加算される）

　航空会社は売れば売るほど赤字になるのではないかという声も聞こえるが、セールで販売する座席数は全ての座席ではなく、座席数を制限しているので赤字になることは基本的にはない。それでも今回は利用者から「かなりの席数を出しているのではないか？」というくらいセール最終日でも平日を中心に駆け込みでも予約できた。

閑散期にセール運賃を設定することは地方経済にも大きく貢献。全国旅行支援との組み合わせも

　前回のセール（1月5日～2月28日搭乗分）、今回のセール（GWを除く4月4日～5月31日搭乗分）共に航空業界・旅行業界では閑散期となる。閑散期にセールすることは、地方においても新たな集客となり、宿泊施設や観光施設、更には飲食店やお土産店などにもお金が落ちることになる。加えて4月以降も多くの県で「全国旅行支援」が継続される見込みで、航空券はセール運賃で購入し、宿泊は今後3月中に詳細が発表される予定の4月以降の「全国旅行支援」を活用することでお得に国内旅行を楽しめることができそうだ。