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関西国際空港、9月7日の運航再開を正式発表。ピーチは17便、JALは2便を運航。空港アクセスに注意

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
関西国際空港に駐機するピーチ機(2018年8月1日、筆者撮影)

 関西国際空港(以下関西空港)を運営する関西エアポートは9月6日夜、空港閉鎖が続いていた関西空港において9月7日より国内線の運航を再開することを発表した。運航を再開するのはピーチとJAL(日本航空)の2社となる。最初に出発するのはピーチ143便で関西空港を11時50分に出発する。

 

 9月6日に安倍晋三首相及び関西エアポートの山谷佳之社長が翌9月7日の一部国内線の再開を表明していた。被害が少なかった第2ターミナルとB滑走路を使用する。

ピーチは8都市17便、JALは羽田との1往復を運航。JALも第2ターミナルを使用

 9月7日の運航について、ピーチは、関西空港発は新潟、長崎、成田、那覇、鹿児島、仙台行きの各1便ずつの6便、関西空港行きは成田、福岡、釧路、新潟、長崎、仙台、那覇、鹿児島からの便で成田と福岡と仙台発は各2便、その他は各1便の11便で合計17便の関西空港発着便を運航する。

 また、JALも日中時間帯に羽田~関西線を1往復運航することになった。ただし、通常使用している第1ターミナルではなく、ピーチが使用している第2ターミナルでチェックイン(搭乗手続き)を行う。到着便についても同様に第2ターミナルとなる。

関西国際空港の第2ターミナル。普段利用していないJAL便も第2ターミナルから発着する(2018年3月、筆者撮影)
関西国際空港の第2ターミナル。普段利用していないJAL便も第2ターミナルから発着する(2018年3月、筆者撮影)

ピーチ、9月7日の運航予定便

MM143便 関西11時50分発 新潟13時00分着

MM177便 関西12時25分発 長崎13時40分着

MM315便 関西14時40分発 成田16時10分着

MM217便 関西15時45分発 那覇18時00分着

MM199便 関西19時15分発 鹿児島20時25分着

MM137便 関西18時35分発 仙台19時55分着

MM312便 成田11時35分発 関西13時10分着

MM154便 福岡12時15分発 関西13時25分着

MM126便 釧路12時30分発 関西15時00分着

MM144便 新潟13時35分発 関西15時00分着

MM178便 長崎14時20分発 関西15時30分着

MM138便 仙台18時40分発 関西20時15分着

MM318便 成田18時55分発 関西20時30分着

MM220便 那覇19時45分発 関西21時45分着

MM140便 仙台20時30分発 関西22時05分着

MM200便 鹿児島20時55分発 関西22時05分着

MM160便 福岡21時20分発 関西22時30分着

JAL、9月7日の運航予定便

JL224便 関西15時05分発 羽田16時15分着

JL225便 羽田13時00分発 関西14時20分着

交通アクセスは神戸空港からの高速船とJR日根野駅と南海泉佐野駅からのバスのみ

 飛行機は再開するが、問題は交通アクセスとなる。関西エアポートによると、神戸空港からの高速船「神戸・関空ベイシャトル」の乗船が可能になるほか、JR日根野駅と南海泉佐野駅からシャトルバスを運行する。

神戸空港からの高速船「神戸・関空ベイシャトル」(2018年5月、筆者撮影)
神戸空港からの高速船「神戸・関空ベイシャトル」(2018年5月、筆者撮影)

想定外の時間がかかる可能性が高い

 ただし、両アクセス共にリスクがある。

 まず神戸空港からの高速船については、定員が110名となっており、希望の時間帯の船に乗れない可能性がある。これまでも利用者が多い際には臨時船が運航される時もあるが、今回どのくらいの待ち時間となるかは想定できない。飛行機利用者以外に空港勤務者や関係者などの利用も多く、飛行機利用者は相当早い時間に神戸空港の海上アクセスターミナルへ向かう必要がある。神戸空港までは三宮駅から「ポートライナー」で約18分でアクセスできる。もし乗船できれば神戸空港から約30分で関西空港の桟橋に到着することができる。

 また、関西空港の対岸であるJR日根野駅と南海泉佐野駅からのシャトルバスは、関西エアポートによると飛行機の発着に合わせて随時運行するとしているが、所要時間も交通規制が敷かれることから相当な時間がかかる可能性が高く、高速船同様に相当早い時間のバスを利用することが望ましい。天王寺駅や大阪駅などからJRで日根野駅へ、なんば駅から南海電鉄で泉佐野駅へ行くことが可能となっているが、JRの特急「はるか」、南海電鉄の特急「ラピート」は全区間で運休しているほか、一部列車が運休になっている点も頭に入れておくといいだろう。

(朝5時00分追記:シャトルバスはピーチ・JAL便利用者及び空港関係者のみ乗車可能で、JR日根野駅発~南海泉佐野駅~関西空港と南海泉佐野駅~関西空港で運行。JR日根野駅からは1時間に1本、南海泉佐野駅からは15~30分に1本の運行間隔となる。所要時間はJR日根野駅から50~61分、泉佐野駅から30~41分を予定している。ただし、それ以上に時間を要する可能性も考えられる)

神戸空港の海上アクセスターミナル(2018年5月、筆者撮影)
神戸空港の海上アクセスターミナル(2018年5月、筆者撮影)

関西空港連絡橋は午前3時に開放へ

 関西国際空港連絡橋を管理するNEXCO西日本によると、連絡橋は片側の車線を使って9月7日午前3時に開放する。緊急を要する車両に加え、今回の開放では営業用乗合・貸切バス(リムジンバス・臨時シャトルバスなど)、鉄道・バスを利用することが著しく困難な方が利用するタクシー・ハイヤーに限るとしており、自家用車での走行はレンタカーも含めて認められない。

 よって基本的には規制が解除されるまでは神戸空港からの高速船もしくはJR日根野駅と南海泉佐野駅からのシャトルバスとなる。

8日以降の運航便は改めて発表

 9月8日以降の飛行機の運航便については記事掲載時点での発表はなく、本日9月7日以降に改めて発表される予定となっている。関西空港に入るまでに相当な時間を要することは間違いなく、スケジュール重視であれば、大阪国際空港(伊丹空港)や神戸空港を利用するのが現時点では賢明だろう。国際線については早期の運航再開を目指しているが、現時点で具体的な発表はされていない。

 最新の情報は関連するホームページを確認していただきたい。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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