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アメリカのLCCサウスウエストがハワイ~アメリカ西海岸に就航へ。アメリカ本土までLCCだけで行ける?

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
アメリカのLCC最大手であるサウスウエスト航空(写真提供:サウスウエスト航空)

 アメリカ最大のLCC(格安航空会社)であるサウスウエスト航空(以下:サウスウエスト)は、5月3日に声明を出し、アメリカ西海岸からハワイのホノルル(オアフ島)、コナ(ハワイ島)、カフルイ(マウイ島)、リフエ(カウアイ島)への路線に就航する準備をしていることを明らかにした。

 サウスウエストがハワイに就航することで、日本からハワイ経由で1度の乗り換えでLCCのみでアメリカ本土へ行くことができるようになる。

 関係省庁などへの許認可が必要になることから就航時期や路線名などを明言していないが、アメリカ西海岸のカリフォルニア州のオークランド(サンフランシスコに近い)、サンディエゴ、サンノゼ、サクラメントからハワイへの直行便の運航を計画している。早ければ年内にも就航する。

サウスウエスト航空はハワイ特設サイトを開設した(同社特設サイトより)
サウスウエスト航空はハワイ特設サイトを開設した(同社特設サイトより)

ハワイへの観光客はアメリカ西海岸からが第1位で年間384万人

 現在、ユナイテッド航空やデルタ航空、アメリカン航空のアメリカ三大航空会社に加えて、アラスカ航空、更にはハワイアン航空もハワイとアメリカ西海岸を結ぶ路線に就航している。アメリカ西海岸からの観光客が外国人観光客では第1位の日本人観光客を上回っており、ハワイ州発表のデータによると2017年は384万人を記録した(日本人156万人、アメリカ東海岸在住者199万人、カナダ人51万人、オーストラリア人32万人、韓国人25万人)。LCCが就航することで更にハワイを訪れるアメリカ西海岸在住者が増える可能性が高い。

 ハワイからアメリカ大陸へのLCCは現在、カナダのウエストジェットがバンクーバーからハワイへの路線を運航しているが、アメリカのLCC乗り入れは実現すれば初となり、現在よりも割安な航空券が販売されることになる。

オアフ島にあるワイキキからも近いダイヤモンドヘッド(以下特記以外筆者撮影)
オアフ島にあるワイキキからも近いダイヤモンドヘッド(以下特記以外筆者撮影)

日本からアメリカ西海岸まで片道3万円以下で買える可能性が高い

 日本からは、中距離LCCのエアアジアXが昨年6月に、スクートが昨年12月に関西~ホノルル線に就航し、共に週4往復で運航している。今回のサウスウエスト航空が就航することで、関西→ホノルル→アメリカ西海岸というルートでLCCのみで飛ぶことが可能となる。エアアジアX、スクート共にセール運賃発売時には片道2万円を下回ることもある。

 実際に5月7日にスクート便で5月22日関西発、26日ホノルル発で検索してみると、運賃が共に片道9800円で、空港税などの諸経費込みで往路の関西→ホノルルは片道1万6557円、復路のホノルル→関西は片道1万2832円で往復2万9389円だった(座席指定料金や受託手荷物料金などは含まず)。安さが売りであるサウスウエストが就航することでホノルル~アメリカ西海岸までセール運賃で片道1万円程度で買える可能性が高く、そうなれば片道3万円以下で日本~アメリカ西海岸までの航空券が買えることになるだろう。

昨年6月に日本からハワイへの最初のLCCとして関西~ホノルル線に就航したエアアジアX
昨年6月に日本からハワイへの最初のLCCとして関西~ホノルル線に就航したエアアジアX
ボーイング787で就航したシンガポール航空が出資するLCCスクートも昨年12月に就航
ボーイング787で就航したシンガポール航空が出資するLCCスクートも昨年12月に就航
スクートの関西~ホノルル線を検索すると往復3万円以下で買える日もあった(スクートのホームページより検索)
スクートの関西~ホノルル線を検索すると往復3万円以下で買える日もあった(スクートのホームページより検索)

1度の旅行でハワイとアメリカ本土の両方を巡ることも。ハワイからアメリカ西海岸まで約5時間半

 日付変更ができない航空券であれば東京からアメリカ西海岸まで往復5万円台の航空券が出ることもあるが、LCCは片道販売が原則なので、長期滞在などで帰国便が決められない時などにも重宝するほか、1度の旅行でハワイとアメリカ本土(メインランド)の両方を楽しむ旅行で使う方法もある。

 現在就航している大手航空会社のホノルルからロサンゼルスまでのフライト時間はホノルル発ロサンゼルス行きで約5時間半、ロサンゼルス発ホノルル行きで約6時間となっているので、サウスウエストも同等の時間になるだろう。日本からホノルルまでは往路は6~7時間、復路は8~9時間かかるので、乗り換え時間を含めない日本~アメリカ西海岸においてはフライト時間で往路は約12時間、復路は約14~15時間と時間を要するが、安い航空券が購入できれば検討する価値は十分にあるだろう。

ホノルルのダニエル.K.イノウエ国際空港
ホノルルのダニエル.K.イノウエ国際空港

将来的なハワイ諸島内路線の就航も示唆

 もう1つ期待したいのが、ハワイ諸島内路線。現在はハワイアン航空が中心に飛んでいるが、サウスウエストのハワイ特設サイトには、将来的な島内路線への就航も示唆しており、実現すれば、オアフ島(ホノルル)からハワイ島、マウイ島、カウアイ島などへも気軽に飛べるようになり、旅の幅が大きく広がることになる。ただ実現にはもう少し時間がかかりそうだ。

ワイキキビーチで遊んでからLCCでハワイ島やマウイ島へお得に行ける日も訪れそうだ
ワイキキビーチで遊んでからLCCでハワイ島やマウイ島へお得に行ける日も訪れそうだ

日本からハワイへの便も来年以降、提供座席数が増える見込み

 日本~ハワイへの路線は、LCC以外では、JAL(日本航空)が今春からハワイアン航空とのコードシェア便をスタートさせ、豊富な便数の中から選べるようになり、関西からのLCC路線も含め、選択肢が増えている状況にある。

 また、ANA(全日本空輸)が来年春に総2階建て飛行機のエアバスA380を東京~ホノルル線に投入する。1機あたり現在の倍以上の520席となることからエコノミークラスの運賃が現在よりも割安になる可能性も十分に考えられるなど追い風の状況だ。

(参照記事:ANA、ホノルル線に来春投入の総2階建てエアバスA380は520席に。マイルで取りやすくなる可能性大 4月25日掲載)

ANAが来年春にハワイ線に投入するエアバスA380型機のイメージ画像(ANA提供)
ANAが来年春にハワイ線に投入するエアバスA380型機のイメージ画像(ANA提供)

 サウスウエストのハワイ乗り入れは日本人にとってもメリットがありそうであり、正式な就航発表を待ちたいと思う。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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