無料TwitterAPIのサービス停止に関わる阿鼻叫喚
2023年2月2日Twitter社が突然無料TwitterAPIが2月9日に停止することをアナウンスしました.
TwitterAPIへの無料分でのアクセスを行っていたサービスは大量にあったため,Twitter利用者の多くが影響を受ける可能性が高いアナウンスで,大きな騒ぎになりました.
私のYahooニュース記事もTwitterAPIでのデータ収集を行っていたため無料分が終わるというのはかなりの痛手です.果たして続けられるのか,来週のアナウンスが待たれます.
というわけで,データが収集できるうちに収集して分析をしてみましょう.
今回は,シンプルに「twitter api」を含むツイートを2023年2月2日15時~3日9時26分まで集めたデータで分析しています.得られたツイートは319,673あります.
もともとTwitterは日本の利用者が多いことが良く知られており,イーロンマスク氏も「Twitterは日本中心」と言及したと言われています.
今回のTwitterAPIの無料アクセスが停止したことにもっとも言及したのは誰か見てみます.
各ツイートのアカウントが指定している言語を集計してみました.その結果は以下の通り.
およそ32万件のツイートのうち約20万件が日本語のツイートでした.英語が5万だったのでおよそ4倍です.全体に占める割合は65.8%程度です.
時間帯もありますが,最も強く反応した言語は日本語と言えそうです.
ちなみに,言及したアカウントベースでも65.3%が日本語アカウントでした.
ではそんな日本人ツイッタラーはどんな単語を使っていたのでしょうか.ワードクラウドで見てみるとこんな感じです.
TwitterAPIの有料化というのはもちろんですが,連携ログインの影響などが心配されているのが分かります.それ以外には,TwitterAPIを使っていると思われる各種サービス,pixiv(30,862回),ふせったー(12,150回),マシュマロ(10,941回),Togetter(6,442回)などが言及されています.
これらのサービス利用者にとっては影響が大きそうです.
最後に,このニュースに反応したアカウントがどのようなクラスタに所属していたのかを見てみましょう.特にリツイートではなく直接TwitterAPIに言及するオリジナルツイートを行っていたコミュニティベスト3の特徴語ワードクラウドが以下の通りです.
1位は技術者系,2位はサブカル系,3位はニュース系といったところでしょうか.
TwitterAPIを使った開発を行っている技術者やその周辺技術者にとっては心穏やかではないニュースだったと言えそうです.
本記事を書いている段階では,今後どうなるのかまったく不明瞭ですが,日本人ユーザは特に連携関係で気になっているようです.
個人的にもこれまでに作成してきたWeb Tweet Crawlerやエコーチェンバー可視化システム,ホントレ,リプライユーザ可視化システムなどが動かなくなるのがなかなか厳しそうです.
さらに言えば,様々行ってきたTwitter関連の研究が滞ってしまうのもなかなか厳しそうです.こちらはアカデミックAPIが継続で使えれば問題はないのですがどうなることやら.多くの方はTwitterAPIが使えなくてもTwitter自体の利用は継続するでしょうから,その利用実態が調べられなくなるのはソーシャルセンシング研究的には無念です.
なんらかの方法で無料APIが継続利用できるか,有料APIも現実的な価格で使えるかだとよいのですが.