8月28日に，安倍総理が突然の辞意表明を行いました．

連続在位記録を更新した直後の記者会見ということで，まあ，そういうこともあるかもしれないなあ，という気はしないでもありません．

ツイートの分析

安倍総理の辞任についてはどのようなツイートが多かったかを調べてみました．

辞任の意向を決めたという速報が流れた前後から「安倍, アベ, 辞任, 辞意, 首相, 総理, AbeShinzo」を含むツイートを収集し，その特徴を分析しました．

その結果，8月28日14時～24時までの間に投稿されたツイートとアカウントの数を見ると，

• トータルのツイートが3,120,915
• オリジナルツイートが843,984
• リツイートが2,276,931
• ツイートまたはリツイートを行ったアカウントが930,138
• ツイートアカウントが509,371
• リツイートを行ったアカウントが591,577

でした．

次に，ツイート数とリツイート数の時間変化を見てみましょう．

次の図は，28日午前5時から翌午前4時までの24時間の変化を示したものです．

速報が流れた14時に大きなピークが，そして記者会見が行われた17時にもう一度ピークが表れていることが分かります．

数としては1時間で30~40万ツイートですので，かなり大きなインパクトだったことが分かります．

比較でいうと，「#検察庁法改正案」の1時間あたりの最大ツイート数が25万程度だったので，総理大臣辞任のインパクトの強さが分かります．まあ，考えてみれば一国の首相の退陣ですから，このくらいのインパクトがあって当たり前な気はしますが．

頻出単語

次に，どのようなツイート中に単語が多く含まれていたのかを分析してみました．

14時から24時までの10時間に収集された中から1%を抽出し，出現単語数からワードクラウドを作成したものです．

なお，「安倍」「辞任」などの頻出後は抜いています．

これを見ると，

• 「お疲れ様」「ありがとう（ございました）」といった労いの言葉
• 「意向」「固める」などニュースに関連する言葉
• 「国民」「皆様」など安倍総理の言葉
• 「持病」「悪化」「体調」「万全」などの総理の体調面に関する言葉

が多くツイートされていたことが分かりました．

ちなみにニュースやリツイートの影響を排除するために，URLを含まないオリジナルツイートに限ったワードクラウドを作成するとこちらのようになりました．

傾向は大きく変わりませんが，

• 「お疲れ様」「ありがとう（ございました）」といった労いの言葉
• 「潰瘍性大腸炎」「持病」「病気」などの総理の体調面に関する言葉
• 「麻生」「石破」など時期総理に関する言葉

等が目立ちました．

というわけで，ユーザ自身の気持ちを書いた可能性が高いであろう「オリジナルツイート」でかつ「リンクを含まない」ツイートに関しても，安倍総理大臣をねぎうようなツイートが多かったと言えそうです．

実際調べてみたところ，オリジナルツイートの16.3%を占めるツイートが「お疲れ様」「ありがとう」を含むツイートでした．

アカウントベースだと108,367アカウント，すなわち21.3%のアカウントが「お疲れ様」「ありがとう」を含むツイートを投稿していました．

もちろん，これらのツイートすべてが本心から行っているとは限りませんが，概ねまずはいったんお疲れ様，といった感情がツイッター上では多かったと言ってよいのではないでしょうか．

それでも日本は平常運転

なお，ものすごいどうでもいいことなんですが，リツイートも含めたワードクラウドの右上に「キス」という単語が，左下に「イケメン」という単語が入り込んでいます．

「なんじゃこりゃ？」と思って調べたところ，どうやらこれは分析期間で最も拡散したこちらのネタツイートが影響していたようです．

さすが，大喜利大国日本．

総理大臣の辞任でもぶれません．