人気ゲーム「バイオハザード」の最新アニメシリーズとなる「バイオハザード:インフィニット ダークネス」が7月8日にNetflixで公開され、ファンを中心に話題を集めています。

Netflixの日本のランキングでは当然のように1位を獲得していますが、特に注目したいのは日本だけでなく、アメリカやイギリスなど、世界70ヶ国以上のNetflixランキングでトップ10入りしている点です。

FlixPatrolという動画配信のランキングサイトの集計によると、Netflix上の全コンテンツのランキングで、バイオハザードの海外向けタイトルである「Resident Evil」が、堂々のトップ4入りしていることが分かります。

(出典:FlixPatrol)
(出典:FlixPatrol)

なにしろ「バイオハザード」といえば、全世界でシリーズ累計出荷本数1億1千万本以上といわれる人気ゲーム。

全世界に2億人を超える会員がいるNetflixとの相性が良いことが良く分かります。

実写に近づくフルアニメCG

今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」において、個人的に特に印象深かったのは、そのCG技術の進化です。

「バイオハザードの映画」というと、ミラ・ジョヴォヴィッチが主演していた実写版のシリーズの印象が強い方も多いと思います。

ただ、実はCGアニメのシリーズも人気があり、すでに「ディジェネレーション」「ダムネーション」「ヴェンデッタ」と3作品が制作済み。

前作の「ヴェンデッタ」が2017年公開であることを踏まえると当然とは言えますが、今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」におけるCG技術の進化は目を見張るほどでした。

ツイッター上での感想をみても、オープニングでCGか実写か混乱したという発言が多数みられます。

今回は、「海猿」シリーズなどでも知られる羽住英一郎監督が、初のフルCGアニメに挑戦し、実写制作のロケと同じ条件でCG制作をされたとのことなので、そういう影響もあるのかもしれません。

参考:3DCGアニメ「バイオハザード:インフィニット ダークネス」合同インタビュー。監督の羽住英一郎氏とカプコンの小林裕幸氏に見どころを聞いた

(出典:Netflix)
(出典:Netflix)

実写とアニメのハイブリッドは、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」でも、庵野監督が取り入れていたのが印象的でしたが、もはや実写とアニメの境界線が溶け始めているのを改めて感じます。

参考:シン・エヴァンゲリオン劇場版:庵野秀明総監督が明かす制作の裏側 実写とアニメのハイブリッド 「シン・ゴジラ」のノウハウも

ロケ地も年齢もCGで再現できる時代

実は、Netflixの資金力を活かした作品作りにおいて、そのCG活用の凄さは実写ドラマにおいても様々に話題になっています。

日本でも「今際の国のアリス」や「全裸監督2」でCGで再現された渋谷スクランブル交差点のシーンが話題になりましたが、最近で大きな話題になったのは、コロナ禍の最中にイタリアに撮影ロケに行かずにイタリアのシーンを再現してしまった「ヴィンチェンツォ」でしょう。

実写のドラマでここまで現実とCGの境界線が分からなくなってきているわけですから、フルCGのアニメが実写に近づいてきているのは、ある意味当たり前とも言えるわけです。

もはやアニメと実写の違いは、人間の役者が本人の顔で演じているかどうかの違いしかないと言えてしまうかもしれません。

ただ、Netflixはそれすら映画「アイリッシュマン」において、CG技術によってロバート・デ・ニーロやアル・パチーノを若返らせてしまうという挑戦を成し遂げてしまっており、人間による演技の境界も曖昧になりつつあるといえるでしょう。

参考:デジタル技術による“若返り”の驚異:映画『アイリッシュマン』のデ・ニーロたちは、こうして若々しく生まれ変わった

今回も、「日本ならでは」が詰まった、ワクワクするようなCGアニメーションをたくさんお届けする、というミッションを掲げQuebicoを中心とする日本の制作チームが、ここまでレベルの高いCGアニメを作れるということが証明されたのは、非常に嬉しいニュースであるとも感じます。

ゲームの映画化における「本物」とは何か?

もちろん、まだフルCGによる人間の演技には、まだいわゆる不気味の谷と言われる溝がありますし、CGが完全に人間の役者を置き換えることはないでしょう。

(出典:Netflix)
(出典:Netflix)

ただ、そもそも「バイオハザード」の世界はゲームが起点となっていますから、私のような「バイオハザード」の長年のプレイヤーからすると、フルCGアニメのキャラクター達の方が自分がプレイしていた本物の「バイオハザード」の世界。

実は、私にとっては、ミラ・ジョヴォヴィッチの実写映画の方が、ある意味別物だったりするのです。

少なくとも、今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」は、1本の映画ではなく、あえて4本のドラマ構成でのアニメシリーズとして発表されており、世の中のコンテンツの分類的にもアニメとして定義されるものでしょう。

ただ、もはや「バイオハザード」に関していうと、明らかにCGの進化はアニメと実写の境界線を溶かしてしまいました。

今のところは「バイオハザードの映画」といえば、ミラ・ジョヴォヴィッチの実写版をあげる人が多いと思いますが、今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」は、将来その主役が変わる可能性があることを示している。

そんな風に感じるのは、きっと私だけではないと思います。