「バイオハザード4」Oculus Quest 2版は、VRゲーム市場拡大の象徴になるか

(出典:バイオハザード4)

カプコンが自社の人気ゲーム「バイオハザード4」をVR端末のOculus Quest 2向けにリリースすると発表したようです。

参考:「バイオハザード4」がVRゲームに 「Oculus Quest 2」向け

詳細は、4月22日に開催されるOculusのイベントで発表されるとのことですが、「バイオハザード」シリーズと言えば、全世界での累計出荷本数が1億本を超える人気シリーズですから、そのインパクトは非常に大きいと言えるでしょう。

これまで、VRゲームというと、どちらかというと新しいもの好きの一部の人たちが楽しんでいる世界というイメージが強かったと思いますが、技術の進歩とコロナ禍の影響もあり、この数年でその景色は大きく変わろうとしています。

市場を急拡大させたOculus Quest 2

特にインパクトが大きかったのが、昨年10月に発売されたOculus Quest 2の登場です。

参考:「Oculus Quest 2」がVRデバイスの“大本命”であると言いきれる理由

前モデルのOculus Questの基本スペックを進化させた上で、3万円台にまで大幅値下げするという、Facebookグループの本気度が伝わってくるリリースでしたが、その作戦は成功した模様。

販売台数は公表されていないものの、2020年第4四半期だけで100万台を超えると推定されており、FacebookのVR部門のトップの発言では「これまでリリースされたフェイスブックのVRヘッドセットの合計を上回る」とのこと。

参考:Oculus Quest 2の販売台数は「これまでの全VRヘッドセットの合計を上回る」。フェイスブックが明らかに

つまり、Oculusシリーズの普及台数は、この半年で従来の倍以上に膨れ上がったことになります。

このOculus Quest 2ヒットの効果は、当然VRゲームの売上にも波及しているようで、Oculus Questで1億円以上の収益をあげたゲームは、昨年9月の段階で35本程度だったものが、今年の2月には60本以上になっていたとのこと。

参考:Oculus Quest 2がVRの市場を変えた!? 1億円以上の収益を上げたタイトルは60本以上に

まさにOculus Quest 2効果ともいうべきインパクトで、市場が急拡大していることが分かります。

VRのヒットゲームが400万本を突破

これまで、VRゲームの市場を販売台数でリードしてきたのはPlaystation VRで、2020年1月の段階で500万台を突破していました。

ただ、これはPS4向けに2016年に発売されたモデルであり、あくまでPS4というゲーム機の付属品という位置づけでした。

また、昨年のOculus Quest 2発売までは、Oculus Questですら販売台数は70万台程度と言われていました。

そのため、大手ゲームメーカーからすると、一時的に様々なVR対応はやってみたものの、VRゲームは参入してもうまみが少ない市場という印象がまだまだ強かったようです。

ただ、この1年、コロナ禍の影響もあってVRが注目されていたところに、Oculus Quest 2のヒットもあり、VRゲームをめぐる雰囲気は大きく変わってきました。

象徴的なのが、VRゲームの筆頭として名前が上がることが多い「Beat Saber」というゲームの販売本数。

2020年3月の段階で総売上本数が200万本を突破したことも話題になっていましたが、2021年2月になって、売上本数が倍の400万本を突破したことが明らかになりました。

参考:VRリズムゲーム「Beat Saber」の売上本数が400万本を突破。快進撃は続く

Beat Saber自体は2019年に正式販売されたゲームで、VRゲームの定番ゲームですが、昨年オンライン対戦に対応したことや、Oculus Quest 2効果もあり、一気に1年で販売本数が倍増したようです。

もちろん、ゲームの販売本数という視点だけで見れば、例えば「あつまれ どうぶつの森」は全世界で3000万本以上、「マリオカート8/デラックス」に至っては4000万本以上売り上げていますから、Beat Saberの400万本を少なく感じる方もおられるかもしれません。

ただ、実は日本で社会現象を巻き起こしたファミコン版ドラクエ3の販売本数は日本で380万本、ドラクエ4は310万本でした。

Beat Saberの400万本は全世界の販売本数ですから、単純比較はできませんが、ある意味、VRゲームは30年以上前のファミコン時代、テレビゲームの黎明期と同じ段階に突入していると考えることもできるわけです。

最新技術にあわせて進化する「バイオハザード」

一方カプコンでは、これまで「バイオハザード」シリーズを、最新のプラットフォームに合わせて進化させてきた歴史があります。

象徴的なのは、2017年に発売した「バイオハザード7」をいち早くVR対応のゲームとしてリリースしたことでしょう。

参考:【PS VR】『バイオハザード7 レジデント イービル』VR体験版プレイインプレッション! 恐怖が深化する!

今年は5月にPS5に対応した最新作「バイオハザードヴィレッジ」も発売されますが、もう一つの「バイオハザード」シリーズの特徴は、1996年からはじまるシリーズの旧作を、新しいゲームプラットフォーム向けに作り直して再リリースしているところにあります。

昨年も、1999年に初代プレイステーション向けに発売され350万本売れた「バイオハザード3 ラストエスケープ」を21年ぶりにリメイクして「バイオハザード RE:3」として発売し、360万本以上のセールスを記録することに成功したばかり。

そういう意味で、今回の「バイオハザード4」のOculus Quest 2向けリリース発表は、リメイクでもヒットを連発してきた「バイオハザード」シリーズが、Oculus Quest 2を、そのシリーズのリメイクをリリースするのにふさわしいプラットフォームと認めたということでもあります。

今回の「バイオハザード4」のVRゲーム化が成功すれば、間違いなくカプコンのような大手ゲームメーカーのVRゲーム本格参入の象徴的な出来事だったと振り返ることになるでしょう。

まずは、4月22日の発表に注目したいと思います。