批判や炎上、企業活用に収益化、これからクラブハウスで必ず起こるだろう5つのこと

(出典:App Store トップ無料App)

1月末からはじまった音声チャットサービス「クラブハウス」の盛り上がりですが、そろそろ飽きたという人もいれば、私のようにまだクラブハウス沼にドップリ浸かってしまっている人もいるかもしれません。

日本でクラブハウスの狂乱が始まってから約3週間。

明らかに初期の行き過ぎた狂乱は落ち着いて、最初のピークは終わった印象です。

参考:人気が過熱するClubhouseの「おしゃべり」は、日本のネットの景色を変えるかも

クラブハウスの最初のピークは終了

実際に関連のグラフを見ても、明らかに最初のピークが終わったというデータが見え始めています。

例えば、Googleの検索数のグラフを見るとこんな感じ。

(出典:Googleトレンド 赤線「クラブハウス」青線「Clubhouse」)
(出典:Googleトレンド 赤線「クラブハウス」青線「Clubhouse」)

日本でクラブハウスが注目されはじめたのは1月25日ごろですが、その後1月29日あたりを頂点に、明らかに検索数は落ち着いてきています。

また、ツイート数のグラフを見るとこんな感じ。

(出典:Yahoo! リアルタイム検索)
(出典:Yahoo! リアルタイム検索)

こちらも1月30日あたりを頂点に、明らかにツイート数は落ち着いてきています。

こうしたデータを元に、早速一部のメディアでは、「クラブハウスのブームは終わった」という文脈で報道するところも出てきているようです。

ただ、実は歴史を振り返ると、多くのウェブサービスがこうした初期の行き過ぎた熱狂が一段落してから、普及へのプロセスを経ていることが分かります。

今、日本で1つのインフラとして機能しているツイッターも、実は2009年に日本で大きく注目された後、Facebookブームがやってきて「ツイッターは終わった」と一部で思い込まれたものの、気がついたら着実にユーザー数を伸ばしていてFacebookよりも多くのアクティブユーザーになっていた、という結果になっていた歴史もあります。

短期間で急速に増えたユーザー数

また、クラブハウスの場合、検索数やツイート数は減っているものの、iPhoneの無料アプリのランキングでは、1月28日から2週間以上未だに無料アプリの1位に張り付いた状態になっています。

(出典:App Annie)
(出典:App Annie)

ユーザーローカル社の分析によると、毎日の様に日本だけで10万人単位でユーザー登録が増えているようですし、すでに日本人の登録者は150万人を超えているのではないかという見方もあるようです。

さらに衝撃的なのはクラブハウスの国内における認知度。

LINE社のLINEリサーチを活用した調査では、すでにクラブハウスの認知度は52%を超えているという結果になっています。

(出典:LINEリサーチ)
(出典:LINEリサーチ)

あくまでLINEリサーチによる数値という点には注意が必要ですが、1ヶ月も経たずに52%を超える認知度を誇るようになったのは、実に驚異的な結果と言えると思います。

 

これからクラブハウスにおこること

では、はたして、これからクラブハウスはどのような展開がありえるのでしょうか。

大手ネット企業に買収されるだろうという憶測をしている人もいますし、TikTokのように独立のアプリとして闘っていけるという予測をしている人もいます。

ツイッターやFacebookが類似サービスの公開を準備中という話もあり、クラブハウス自体が一時期注目されたUstreamのように消えてしまう可能性ももちろんあります。

サービス間競争がどうなるかは、他サービスの動向や買収等の影響もあるので予測は難しいですが、一方で過去の他のSNSでおきたことを踏まえると、確実にこれから来る出来事は予測できます。

これから確実におこるであろう5つのことを1つずつご紹介しておきます。

■クラブハウスに対してネガティブな記事が増える

まず一つ目として、既におきはじめているのが、クラブハウスに対してネガティブな記事が増えるという現象です。

これはあたらしいサービスの登場の際に必ず繰り返してきた構造で、最初は比較的ポジティブな面が強調されて大きく伸びたサービスは、その後その反動でネガティブな記事が増えることが良くあります。

実際にクラブハウスに関しては、前述したように最初の狂乱が大きすぎたこともあり、これからは「クラブハウス疲れ」や、クラブハウス内で起きたトラブルを通じて、「クラブハウスの大問題」や、「クラブハウスの闇」というタイトルの記事が増えるのは間違いないでしょう。

当然、クラブハウスはまだサービス開始から1年程度のサービスであり、運営体制や様々なリスク回避の仕組みが不足している点があるのは事実ですから、そうしたネガティブな記事が増えるのは当然の面もあります。

例えば、クラブハウスでよく実施される音楽の配信においても、日本の音楽著作権の仕組み上違反ではないかという指摘も既に出はじめています。

そうしたトラブルや問題点を、クラブハウス運営側やクラブハウスユーザーが、どう乗り越えていくかが、非常に重要な分岐点になると言えるでしょう。

■企業のクラブハウス活用事例が増える

一方で、並行してこれから間違いなく増えるのは、クラブハウスの企業活用事例でしょう。

例えば、既に食べチョクさんは、生産者の方々との意見交換会を、毎日の様に実施しています。

もちろんクラブハウスは、最大でも1つのルームに5,000人しか入れませんので、テレビショッピングのように同時に数百万人が視聴するようなインパクトは当然ありません。

しかし、数百人が聴いている部屋においても、話がもりあがると声を通じてその熱意が通じ、聴いている人たちが100人単位で行動することがある、という現象がそこかしこでおきはじめているようです。

また、すでにクラブハウス上でいわゆるライブコマース的に、1時間で数十万円の売上を立てることに成功したという事例も出てきている模様。

こうした成功事例を聞きつけて、今後も企業活用を模索する企業は増えるものと思われます。

■クラブハウスで収益を得るクラブハウサーの登場

また、クラブハウスの景色を大きく変える可能性があるのは、課金機能の実装です。

チケット制や投げ銭機能、有料のサブスクリプションなど、様々な可能性があるようですが、課金機能が実装されることで、当然クラブハウスの中のコミュニティの雰囲気も大きく変わるでしょう。

それにともない、YouTuberやTikTokerのようにクラブハウスで大きな収益をあげるユーザーが出てくる可能性も十分あるでしょう。

すでに一部ではフォロワーの多いクラブハウスユーザーを、「クラブハウサー」と呼ぶ動きも出てきています。

一方で、金儲けを目的にしたユーザーが集まってくることによって、現在のYouTubeでも問題になっているような詐欺的な行為や炎上狙いの行為も増えてくるリスクもあります。

課金の仕組みはサービスの印象や空気を大きく変える要素にもなり得るため、どのような課金システムが実装されるかが、今後のクラブハウスにとっては非常に大きなポイントとなると言えます。

■クラブハウスをきっかけにしたトラブルや炎上事例の増加

また、クラブハウスの利用者がこのまま増えると、当然炎上と呼ばれるようなトラブルや騒動が増える可能性も高まります。

実際に、すでにクラブハウスの規約を無視して、クラブハウスのルーム内の会話を記事化したメディアが出てきて議論を巻き起こしています。

参考:藤田ニコル「なんか辛くなりました…」クラブハウスの記事化に〝警鐘〟も逆にバッシング浴びる

クラブハウスの規約ではこうした行為を禁止はしているものの、今後はクラブハウス内で著名人がした不用意な発言が、メディアで記事化されたり、録音された音声としてYouTube等にアップされて、炎上の原因になるというトラブルも起こる可能性が高いでしょう。

参考:スマイリーキクチ懸念 クラブハウスで晒しや炎上も

残念ながらどのようなサービスであっても、ユーザーが増えると、人間社会と同様、様々なトラブルが増えます。

LINEの初期も、LINEで出会った人たちがその後犯罪に巻き込まれると記事タイトルに「LINE詐欺」「LINE事件」などというタイトルがつけられてしまうことがあったように、クラブハウスで出会った後に詐欺や事件に巻き込まれた場合、「クラブハウス詐欺」や「クラブハウス事件」というタイトルの記事が出てくる可能性も高いでしょう。

■クラブハウスを活用したあたらしいエンタメや文化の登場

個人的に最も注目しているのが、クラブハウスを活用したあたらしいエンタメや文化の登場です。

YouTubeの普及をきっかけに、YouTubeを活用した様々な動画やエンタメが拡がったように、クラブハウスにもクラブハウスならではのあたらしいエンタメや文化を生み出す可能性があります。

例えば、すでにクラブハウスでは、クラブハウス寄席と呼ばれる音声での落語配信が毎日のように開催されています。

さらに、前田裕二さんとニッポン放送は、2月10日の「前田裕二のゼロイチ」という番組で、さっそくクラブハウスの音声をラジオにながして、アドリブでゲストをラジオに登場させるという先進的な取り組みに挑戦。

クラブハウスとラジオを組み合わせた新しい可能性を見せてくれました。

既に数多くのテレビ局が、番組放送中の副音声的にクラブハウスを活用していたりもしますし、クラブハウス内でも様々な企画が実施されています。

今後クラブハウスがどうなるか、他社のサービスとの競争がどうなるか分かりませんが、こうした新しい音声を活用した実験や模索は、これからも増えていくことでしょう。

クラブハウスの第一次ブームが落ち着いたのは間違いありません。

今後このブームが緊急事態宣言の解除とともに収束するのか、違う形で再燃するのかも、誰にも分からないでしょう。

ただ、私たちがクラブハウスが連れてきてくれた、音声やおしゃべりを通じた新しいインターネットの形をリアルタイムで目の当たりにしているのも、これまた間違いない事実です。

アプリの顔であるアイコンを定期的にユーザーの写真で入れ替えるというスタンスも含め、クラブハウスがもたらした影響は間違いなく、これから様々なところに出てくるでしょう。

是非、皆さんも、この新しい可能性との出会いを楽しんで頂ければと思います。