米津玄師とフォートナイトのコラボから空想する未来の「ライブ」の姿

(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)

8月7日から8日にかけて、日本人初となる米津玄師さんによるフォートナイトでのバーチャルライブが実施されましたが、皆さんはご覧になったでしょうか。

参考:君は米津玄師ライブを目撃したか! ゲームファン以外も巻き込む「フォートナイト」無料ライブのインパクト

時間帯をわけて3回の配信でしたし、無料ゲームのフォートナイトの中での無料ライブということで大勢の方が視聴されていたようです。

ただ、あくまで今回の配信はライブということで、見逃された方も多いと思いますので、こちらでそのインパクトについてご紹介しておきたいと思います。

■ハッシュタグはツイッターのトレンド1位に

実際に米津さんのフォートナイトライブに何人が参加されたのか、今のところデータは発表されていません。

ただ、8月7日20時の一回目のライブのタイミングには「#米津玄師xフォートナイト」というハッシュタグがツイッターのトレンドで1位となっていたほどで、大勢の人が見ていたことが想像されます。

関連の数値も記録的な数値が多く、例えばフォートナイトのYouTubeに公開された予告動画の再生数はなんと390万回超え。

またフォートナイトの公式ツイッターの予告ツイートのリツイートは3.8万超え、7万いいね。

さらに、YouTube上には、当日のフォートナイトライブに参加した人たちの動画が多数アップされ、数十万再生を超えている動画も多く存在するなど、その注目度の高さが良く分かります。

ニューアルバムを出したタイミングですので当然と言えば当然ですが、米津玄師さんに関するGoogleでの検索数も急上昇。

興味深いことに、ゲーム「フォートナイト」に関する検索数も急増していることが分かります。

(出典:Googleトレンド)
(出典:Googleトレンド)

当日のライブを見るために、多くの米津玄師さんのファンがフォートナイトに関する検索を行っていたことが想像できます。

更に興味深いのは、海外における米津玄師さんに関する検索が急増していること。

例えばアメリカにおける検索数のグラフを見ると、見事に跳ね上がっていることがわかります。

(出典:Googleトレンド)
(出典:Googleトレンド)

世界で3億5000万もの登録者がいるフォートナイトにおいて、米津さんのバーチャルイベントが露出したことで、世界における米津さんの知名度が上がったことは間違いないと言えるでしょう。

参考:米津玄師による日本人初のフォートナイトライブ挑戦が秘める可能性

■仮想空間における「ライブ」の意義

私自身は深夜2時のライブに参加しましたが、非常に強く感じたのが仮想空間における「ライブ」の可能性です。

今回の米津玄師さんのバーチャルイベントは、フォートナイトの中では「パーティーロイヤル」と呼ばれているもので、仮想空間内の大きなスクリーンに集まってライブを楽しむイベントです。

当日は、スクリーン内に、新アルバムSTRAY SHEEPの表紙にある羊の頭のかぶりものをした米津さんが登場。

(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)
(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)

新曲を含め、「パプリカ」や「Lemon」などの5曲のライブを行いました。

ただ、このパーティーロイヤルの形式は、スクリーン上の映像を見る形式であり、ステージ上に米津玄師さんのアバターが出てきたり巨人となって登場する形式ではありませんでした。

そういう意味では、本当の「ライブ」とはことなり、仮想空間における「パブリックビューイング」という方が正しい形式です。

特に、午前2時の回は再放送的な位置づけですので、基本的には録画の動画を仮想空間の大画面で見ている「だけ」の経験とも言えます。

フォートナイトは第三者視点からゲームのキャラクターの背中越しに大画面を見る構図になりますので、本来であれば仮想空間の中の画面の映像を、そのままテレビで見た方が米津さんのライブ自体はアップで見えることになります。

実際に、単純に米津さんのライブ映像だけを大写しで見たかった人の中には、わざわざフォートナイト内でアバターを操作して見に行くことに面倒くささを感じた方もいたと思います。

ただ、それだとDVDやYouTubeでミュージックビデオを見るのと同じ経験になってしまうわけです。

(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)
(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)

一方でフォートナイトのパーティーロイヤルの面白いのが、まわりのユーザーと一緒に踊ったり動き回ったりしながらライブを楽しめる点。

特に、他のユーザーと一緒に見ているという感覚を通じて「生」の感覚を味わえるという点です。

感覚としては、野外で開催されている音楽フェスに近いかもしれません。

ライブ中には、音楽に合わせてコンサート会場を飛び回っている人もいましたし、旗を振りながら観戦している人も、仲間とボイスチャットしながら静かに見ている人もいて、まさに自由に観賞が可能。

(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)
(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)

おそらくはシステム上の制限から、1つの島には数十人単位でのアクセスとなっていたので、それほど大勢で見ている感覚はありませんが、それでも「みんな」で見ている感覚は味わえる経験でした。

さらにスクリーンの外に巨大なホログラムの米津さんが映し出されるなどの、仮想空間ならではの演出も多数あり、今回の経験を単なるスクリーンを通じたパブリックビューイングでは終わらせないという制作者側の熱意を感じてしまったほどでした。

そのため、曲の合間にあった米津さんのMCのシーンで、米津さんの今回の取り組みにかける思いが語られる場面では、多くの人が「泣ける」とツイート。

私自身も、生で自分に語りかけられているようで、グッとくるものを感じてしまったほどでした。

■仮想空間でのイベントが持つ可能性

米津さん自身も本来は新型コロナウイルスがなければ大規模なコンサートを実施できる予定だったところ、延期を断念する形で今回のフォートナイトでのバーチャルイベントに挑戦されたそうです。

日本中のアーティストだけでなく、スポーツ、演劇など、同様にイベントやライブが実施できなくなり苦しんでいる人はたくさんいます。

また、それを楽しむ側の人々も、イベントやライブがなくなってしまい心に穴が空いたような感覚を持っている人も少なくないでしょう。

当然、仮想空間でのライブやイベントの実施が、リアルでのフェスやイベントの完全な置き換えになるわけではないですが、今回の米津さんの挑戦を通じて、仮想空間での新しいイベント体験の可能性を感じた方はたくさんいたはず。

特に仮想空間であれば、コンサート会場近辺の人だけでなく、日本中、いえ、国境も越えて世界中の人が参加できるという大きなメリットがあります。

今回の米津さんのフォートナイト挑戦をきっかけに、日本でもさまざまなバーチャルライブや、仮想空間での新しい取り組みが増えることを期待したいと思います。

(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)
(出典:フォートナイト パーティーロイヤル)