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森友学園スキャンダルを米有力紙も報道 今後の見方は各紙で分かれる

立岩陽一郎InFact編集長
籠池氏の証人喚問での発言を伝えるワシントンポスト紙(24日付)

森友学園の籠池泰典氏の国会での証人喚問は米国のメディアでも報じられている。しかし、この問題が今後どう安倍政権に影響を及ぼすかについては、各社によって見方が分かれている。

籠池氏の証人喚問での発言については、ニューヨークタイムズ紙やワシントンポスト紙などの米国の有力紙も国際面で伝えている。各紙とも記事の中で、安倍昭恵首相夫人から100万円の寄付が有ったと主張する籠池氏の発言を大きく伝えている。

(参考記事:トランプ氏が「カード」にする米軍おもいやり予算)

このうちワシントンポスト紙は、籠池氏はこれまでも首相夫人から100万円の寄付を得たと証言しているが、今回は議会で宣誓をしての証言だとした上で、「夫人は寄付を否定しているようだが、私は極めて名誉なこととして明確に記憶している」との籠池氏の言葉を紹介している。

ワシントンポスト紙は、記事の中で森友学園の弁護士を務めていたことが明らかになった稲田防衛大臣についても触れており、この問題はそう簡単に終わらないとの見方を示している。

(参考記事:トランプの米国とどう向き合うか? (22)~ケネディ前駐日大使、トランプ大統領の外交政策に憂慮示す)

一方、ニューヨークタイムズ紙はワシントンポスト紙とは異なる見方をしているようだ。同志社大学の村田晃嗣教授の「多くの日本の国民は籠池氏の言葉を信じていない。周辺国との様々な問題を考えると、明確な犯罪の証拠でも出てこない限りこの問題は続かないだろう」という言葉を紹介して記事を締めている。

(参考記事:米有力紙が森友学園スキャンダルは「安倍総理の危機」と報道)

InFact編集長

InFact編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクに従事し、政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。著書に「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」、「NHK記者がNHKを取材した」、「ファクトチェック・ニッポン」、「トランプ王国の素顔」など多数。日刊ゲンダイにコラムを連載中。

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