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7月17日は、世界絵文字デー #WorldEmojiDay

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
日本で生まれ、世界で使われるようになった絵文字。

7月17日は #WorldEmojiDay 。iPhoneに収録されているカレンダーの絵文字が「7月17日」であることに由来しているそうです。日本のケータイで発祥した絵文字が世界共通の「文字」になっていることは、感慨深いものがあります。

GoogleのUnicode化の活動、iPhoneでの絵文字キーボードの日本語以外の環境への解放など、スマートフォン時代になって絵文字が「emoji」として海外に一気に拡がった経緯があります。絵文字のWikipediaである「Emojipedia」が、World Emoji Dayを呼びかけています。

最近では、Instagramなどが絵文字ハッシュタグに対応したり、iPhoneの絵文字キーボードでは人に関連する絵文字で人種多様性に対応したり、日本偏重だった食べ物類に、ベーコンやアボカドなどの食べ物の追加が検討されるなど、順調に絵文字文化の国際化が続いています。

ちなみに、「セルフィー」を意味する絵文字も追加案にあるそうですが、これは結構便利かも知れません。

とはいえ、機種依存文字で、盛り上がりに偏りも

さて、7月17日がWorld Emoji Dayだ、と言われて「ホントだ!」と思ったのはおそらくiPhone・iPad・Macユーザーに限られているはずです。というのも、カレンダーの絵文字が「7月17日」を示しているのは、Appleのデバイスだけだからです。

Androidでは特定の日付を示していないものが多く、Twitter上の絵文字は7月15日を示しています。微妙な2日違い。これは、Twitterが2006年7月15日にスタートしたことに由来しているからです。

また、環境によっては、上手く絵文字が表示されないひとも少なくないはずです。完全なグローバルに通用する文字にはなっていないのです。見るデバイス環境に加えて、その人が暮らしている文化によって、意味が分からなかったり、異なる意味で伝わる可能性があるのです。

前述の通り、日本由来の絵文字であるため、非常に日本文化に偏っている点を是正する動きがあります。ただ、例えば、日本へ旅行した外国人が、意味の分からない「初心者マーク」を街で見かけて興奮したり、幼稚園のチューリップの名札を「Tofu on Fire」と言ったりしながら楽しんでいる節も。

仕事で絵文字を使うのはソーシャルメディアマーケッターやデザイナーくらいで、残りは基本的に個人的なコミュニケーションでの使うことがほとんどでしょう。例えば台風の絵文字をマンガの「困った」「参った」という表現に見立てて使うように、相手との間で共通認識を作りながら定着していくことが、絵文字の国際化の未来だと思いました。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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